2018年11月10日土曜日

MacでFastStone Image Viewer

十年くらい前からずっと使っている画像ビューア「FastStone Image Viewer」が有用すぎる。だが、このソフトはWindowsでしか使えず、Mac用は存在しない。

FastStone Image Viewer

メインPCを27インチiMacにしたが、FastStone Image Viewerの代替になる画像ビューアが無い。仕方が無いのでMacではXnViewMPを使っていたが、画像の比較表示が出来ず非常に困っていた。正確には、XnViewMPにも画像を並べて比較する機能はあるのだが、全画面表示にして複数画像を順次切り替えることが出来ない。FastStone Image Viewerで可能なその機能は、画像を詳細に観察するための必須機能で、画像を並べて見比べても分からないような微細な違いを、一目瞭然に把握することができる。ピントチェックにはもちろんだが、とりわけ、絞り値の違いによるレンズ収差の出方や周辺解像力の差などを観察するには無くてはならない機能だ。

 FastStone Image Viewerでは2〜4枚の画像を並べて比較表示することができる。

FastStone Image Viewerの画像比較では、選択中の画像を並べて表示するモードと1枚を全画面表示するモードがあり、後者ではRoll-Up/Roll-Downキーを使って各画像の同じ位置を見ながら選択中の別の画像に表示を順次切り替えて観察することができる。画像比較中にはズームもできるので、等倍でも画像全体でも2〜4枚の画像をパラパラと高速で切り替えて観察することができる。三脚を使わずに手持ちで撮影した画像など、僅かに構図のズレがある画像同士でも、拡大中の画像をコントロールキーを押しながらドラッグすることで、表示中の画像だけ位置を動かすことができ、被写体の同じ部分を画面上の同じ位置にもってきて観察し易くすることもできる。

XnViewMPの画像比較で同様の操作を行う方法を探したが、FastStone Image Viewerのように全画面表示で選択中の画像を順次切り替える操作がどうしても見つけられない。もし、Mac用の他の画像ビューアソフトにこの機能があったとしても、全体的にはFastStone Image Viewerの洗練された機能と操作性に勝るものは無いように思われる。

iMac 27インチの5K Retinaディスプレイは非常に快適で、これでFastStone Image Viewerが使えれば言うことはない。Mac用のFastStone Image Viewerが存在しない以上、もはやバーチャルマシンでWindowsを動かすしかない。



Parallels Desktop 14とWindows 10。FastStone Image Viewerだけのために購入したと言っても過言ではない。Parallels Desktopはともかく、数千円のスティックPCにでもWindows 10 Homeがバンドルされているというのに、パッケージ版のWindowsが1万5千円もするのには閉口する。本来ならばこれらのソフトの購入代金の一部は、この素晴らしいフリーソフトを長年提供してくれているFastStone社に寄付するべきなのかもしれない。


届いたParallels Desktop 14とWindows 10をiMacにインストールする。このiMacには40GBのメモリがある。Windowsには8GBを割り当て、ディスクはデフォルトの250GBにしておこう。バーチャルマシン上で動くWindowsは、キーボードやIMEの設定など若干調整が必要だが、動作には大きなストレスは無く、少なくともFastStone Image Viewerはすんなり動作した。写真のデータは、PARAGON NTFSを使ってMac OSにマウントしたUSB3.0接続の外付けRAIDドライブに入っている。バーチャルマシン上のWindowsからもこのドライブがちゃんと見えるのか懸念があったが、何もせずともすんなり見えた。Parallels Desktopで動かすWindowsは、5K解像度のディスプレイに完全に対応しているようで、アイコンが小さすぎることもなくシステムフォントがスケーリングでぼやけることもなく、何もせずともうまく調整されている。目的のFastStone Image Viewerは、ちゃんと5K解像度で快適に使うことができる。やや懸念のあった画像の見え方についても、等倍表示も色味もMac OS上のXnViewMPで表示するものとまったく同じで、ひとまず安心した。