2020年4月20日月曜日

Industar-22 5cm F3.5

このインダスター22は沈胴式のL39マウントレンズで、マウントアダプターを使ってEOS-Mに付けた。大部分は沈胴させることができるが、ちょっと当たるので伸ばしたまま持ち運ぶのが安全だ。APS-CサイズのEOS-Mでは80mm相当の画角になってしまうのが残念だが、それなりに楽しむことが出来る。


Industar-22 5cm F3.5(1956)

Industar-22はいくつかのタイプがあり、このタイプではシリアルナンバーの先頭一桁が製造年(195x)を示しているらしい。詳細はこちら

伝染病がまん延している。国や自治体からは外出は自粛するように要請が出ている。この数週間、個人的には仕事や買い物などでの外出は9割くらい削減している。4週間振りに散歩に出るくらいセーフだろう。ジョギングや散歩は禁止されていないとはいえ、日曜日の公園は枯れ木も山の賑わいで、汗だくのランナーがじぐざぐに走り回っている。人混みを避け、せっせとペダルを漕いでコンテナふ頭にたどり着いた。

F3.5

F3.5

F3.5

F8.0

F3.5

Industar-22の写りはなんとも言えない。良いか悪いかというともちろん悪いが、APS-Cで撮っているので、これが本来の画角ではないことを忘れてはならない。

2020年4月3日金曜日

自由雲台 マーキンス(Markins) Q3iTRPs-BK 入手

このタイプの自由雲台は「ダブルパン」と呼ばれている。底部の独立パンに加え上部にパノラマヘッドが搭載されているものだ。現在、持ち運び用にメインで使っているベルボンUTC-63三脚には、純正のQHD-S6Q雲台にMENGS PAN-C1パノラマクランプを載せて使っている。QHD-S6Q雲台は剛性や固定力、操作性の面で非常に優秀な雲台だが、クイックシューはベルボン独自のQRAシューで、上に載せているパノラマクランプの分だけ無駄に高さが増している。MENGSのパノラマクランプは作りがやや華奢で、クランプやパンの固定力にも少し不安がある。現在、ベルボンからはアルカ型クランプ仕様のQHD-S6ASも発売されているが、残念ながら同社からダブルパンタイプの雲台は発売されていない。そもそもなぜダブルパンが必要なのかと言えば、理由はパノラマ撮影ではない。例の水平出し操作をするためである。アルカ型クランプとパノラマ回転台が最初から付いた雲台は以前にSUNWAYFOTO FB-28iDDHiSUNWAYFOTO FB-44 DDHiを入手したが、前者は雲台自体のサイズが小さすぎて剛性が心許なく、後者は固定ノブをたくさん回す必要があって扱い辛いのに加え、上部のパンニングクランプは締めても垂直方向にガタが出る不具合があり、両者ともQHD-S6Q雲台の代わりにすることはできなかった。マーキンスの存在は以前から知ってはいたが、一番小さなQ3シリーズの雲台でもパノラマシューが付いたモデルになるとかなり高価なため、選択からは外れていた。

Markins Q3iTRPs-BK

マーキンスのQ3は同社のQシリーズの中では一番コンパクトなタイプで、Q3iTRPsは上部にパノラマシューが搭載されたモデルになる。現在メインで使っているQHD-S6Q+MENGS PAN-C1 の組み合わせをこれに換装することで、上部パンの固定力・クランプの強化および、雲台全体の高さを抑えることを目論むものである。マーキンスの自由雲台は耐荷重の大きさと固定力の強さが特徴で、パノラマシューの機構も「Double Disk Lock」などと命名されており、とくに構造が明らかにされていない一般的なパノラマクランプよりも見た目がごついことからそれなりの固定力が期待できる。クランプの機構は「クイックターン・ノブ」と命名されており、少ない回転でクランプの開閉ができるようになっている。

UTC-63三脚にQ3iTRPs-BK雲台を装着した状態。

Q3iTRPs-BK (左)とQHD-S6Q+MENGS PAN-C11(右)の高さ比較。Q3iTRPs-BKでは高さを少し抑えることができる。重量比較では、Q3iTRPs-BK(454g)・QHD-S6Q+PAN-C1(467g)で微減となる。

三脚を畳んだ際の収まり具合はこんな感じ。純正のQHD-S6Q雲台のベース直径が42mmなのに対し、Q3iTRPs-BK は56mmとなるため、脚はやや開き気味になるものの運搬に支障がない程度には閉じることはできる。



望遠レンズ積載時の様子。実際、動きものの場合はビデオ雲台でないと扱い辛いが、風景ならコンパクトな自由雲台の方が三脚の運搬が簡単になる。Q3iTRPs-BKの耐荷重はスペック上30kgとなっており、ベルボンQHD-S6Q(5kg)に比べると桁違いの値だ。中韓メーカーのスペック表の数値はかなり盛り気味なため、国産メーカーのカタログ数値とは比較することはできないが、Q3iTRPs-BKの場合、この程度のカメラ・レンズを載せるのであれば不安は無く、固定力や剛性感は十分といえる。
Q3iTRPs-BKの操作感について。
ボールの動きは滑らかで、メインの固定ノブは少ない回転で強くボールを固定することができる一方、トルク調整もしやすく操作感は優れている。メインノブの操作は回転方向に若干の遊びがあり、そこだけ弄っていると違和感があるものの気にしなければ気にならない。分解動画を見ればわかるが、この遊びは内部クランプの開閉方向が反転する際に生じる遊びで、部品の緩みではない。一点だけ気になるのは、緩々の状態からボールを水平方向に素早く回そうとすると引っかかって動かないことがある。これはカメラを載せずに雲台だけ弄っている場合に起こる現象で、実用上の問題は無い。

めっちゃ気にしている人の動画。

分解動画。ヘリコイドグリスを塗りたくっている。

メインの固定ノブ・下部水平パン固定ノブともに、締め込んだ際のズレがほとんど無い。剛性が高く、締め込んでからカメラから手を離した際のバックラッシュもほとんど無いので、構図が一度でピタリと決まる。巷で言われている通り、下部水平パンの固定ノブが小さくやや強めに締める必要がある。許容できる程度とはいえ、メインの固定ノブが軽い操作で強力に固定できるのに比べると少しバランスが悪い。その構造にDouble Disk Lockと命名されている上部のパノラマシューは、単体で3万円近くの値が付いているパーツだけに、水平パン固定ノブを緩めても上下にガタが出ることも無く、締め込んだ際のズレも無い。パンの固定力も十分だ。クイックターン・ノブと命名されたクランプは、少ない回転で開閉操作ができ、締め付けも安心感がある。クランプ側の脱落防止ピンはスプリング付きで引っ込むタイプで、メーカーの異なるプレートでも取り付けに干渉することはない。ただし、 クランプよりも幅が小さくプレート側に脱落防止ピンを持つプレートはそのままでは装着できず、プレート側の脱落防止ピンを外す必要がある。

マーキンスについて。
自由雲台の大型のものはアルカスイスが以前から定番として知られている。中型やトラベラークラスでは以前だとマーキンスに人気があった。しかし、現在では大型のものを含め、RRSやLeofotoなどに人気があるようで、マーキンスは今やマイナーな存在かもしれない。