2022年2月28日月曜日

Minoltaflex IIB(1952) その2

Minoltaflex IIBは前回で終わりにしようと思ったが、ファインダーのピント調整に成功したのでもう一本撮ってみた。

 Minoltaflex IIB(1952)

前回はどうしてもビューレンズを回転させることが出来なかったが、原因が判明した。ビューレンズ鏡胴のネジ面に固定用のイモネジがめり込んだ跡のバリが残っており、これが外筒のイモネジの穴に引っ掛かっていたのだ。原因が分かったので躊躇なく力を入れ、回転させることができた。

F16 1/50秒

F16 1/50秒

F16 1/25秒
右上の空の明るい部分がフレアっぽくなっている。レンズにはクモリやカビ跡が残っており、明るい部分はこうなってしまう。

F16 3秒(B)
薄暗いガード下。バルブで3秒間露光。

F16 1/100秒

F16 1/250秒
F16まで絞り込んでいるが、拡大するとロッコールレンズが非常にシャープなのが分かる。ピントは道路標識に合わせた。空のトーンに不自然なムラがある。どうもフィルムの現像ムラらしい。

F16半 1/50秒

F16 1/50秒
これは右手前の空き缶にピントを合わせているが、絞り込み過ぎて遠景が中途半端になった。

F16 1/50秒

F16半 1/50秒
これも拡大して見ると、非常にシャープに写っている。画面の左右両側が白っぽくなっている。カメラ内の反射かと思ったが、フィルムの現像ムラと思われる。

F3.5 1/500秒
ファインダーのピント調整の結果を確認するために、中央やや左下の四角いブロックにピントを合わせ、絞り開放F3.5で撮影した。

F16半 1/100秒
中央のパイプにピントを合わせ、絞り込んで撮影。パイプの質感を優先し、画像はやや暗めに調整。

共通データ
Minoltaflex IIB型
ROKKOR 75mm F3.5
FUJI ACROS100 ミクロファイン1:1希釈 22℃ 10分30秒
複写カメラ Nikon Z7II
レンズ AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED
Adobe Lightroom Classicにて階調反転・画像調整

2022年2月14日月曜日

Minoltaflex IIB(1952) その1

これ、メルカリで3200円(送料込み)で入手した。動作しないため、「インテリア用」とのことだったが、届いた物をチェックしてみると確かにシャッターが切れない。

ミノルタフレックスIIB(1952)
3200円(メルカリ)

早速、シャッターまわりを分解する。清掃、注油しながら弄っているうちにシャッターは動きだした。しかし、チャージレバーから手を放すとすぐにシャッターが切れてしまう。係止金具のスプリングを少し組み替えて組み立て直す。これでシャッターも正常に動作するようになった。ロッコールのテイクレンズは、前群2枚目の裏側のクモリが酷かったが、白濁したコーティングをメラミンスポンジで少し擦ったところ、使えそうな透明度になった。ファインダーを分解すると、ミラーが外れてズレている。ミラーを正しく組み立て直したものの、無限遠が狂っている。だいぶ前ピンのようだ。ビューレンズは、前板に取り付けられている根元のところでピント調整ができるはずだが、位置を固定する三か所のイモネジを取り外しても、なぜだかビューレンズを回転させることができない。前板の革を剥がせばもっと分解できると思うが、汚くなるのでやめておこう。フィルム面にピントグラスを置いてピントをチェックすると、テイクレンズの無限遠はズレていない。ファインダーでのピント合わせは出来ないが、ピントノブの距離指標を使って目測で合わせれば撮れそうだ。


テイクレンズは、3群4枚のテッサー型 ROKKOR 75mm F3.5。安価な国産二眼レフは、3枚玉のものが多く、このレンズは高級な部類と言える。

ACROS100フィルムを詰める。Minoltaflex IIB型はセミオートマット式になっている。フィルム装填は、スタートマークを合わせて裏蓋を閉めた後、巻き止め解除ボタンとカウンターリセットスイッチを同時に操作する。カウンターがリセットされるので、巻き上げノブが止まるまで巻いていけば、自動的に1コマ目がセットされる。あとで現像したフィルムを見ると、1コマ目の位置がかなりギリギリで、あと1ミリで裏紙を止めるテープにかかりそうな位置だった。コマ間は広めで安定しており、最終コマの後は6センチくらいフィルムが余っていた。

レンズコーティングの白濁が取りきれず、逆光ではものすごく白っぽくなる。左側にカメラ内の反射と見られるスジが出ている。
F16

画面両側が白っぽくなっている。ライトボックスの照明ムラかと思ったが、ネガの時点でこうなっているので、カメラ内の反射によるものではないだろうか。拡大してヨットの棒(?)やワイヤを見ると、かなりシャープに写っている。
F16

総武線市ヶ谷付近にて。遠方、飯田橋方面のビル群がシャープに写っている。シャッタースピードは1/100秒だと思う。
F16
同じ角度でデジカメで撮影した画像。上の写真と比較してみると面白い。
Nikon Z7II,NIKKOR Z 24-70mm f/4 S
撮像範囲 1:1(24x24mm)  焦点距離=41mm ISO100 F9.0 1/200秒
ピクチャーコントロール:[MC]モノクロ (カメラJPEG)


秋葉原にて。中央部は非常にシャープに写っているが、周辺部をみると回転方向にブレているようだ。三脚を使わず手持ちでの撮影で、シャッタースピードは1/50秒だったと思う。
F8.0

皇居東御苑 桃華楽堂。これも拡大して見ると少しブレている。
F8.0

次の写真は、シャッターが開く際に動く部品が指に引っ掛かってしまい、正常に切れなかったものだ。ネガは露出オーバーで真っ黒になっている。可動する部品がむき出しなので、扱いが難しい。
F8.0

撮影しなおしたもの。天守台の芝生には、前日に降った雪が残っている。これも少しブレており、描写が甘い。
F8.0

雨とレンズのクモリのせいで、逆光の松の木がふんわりとフレア掛かって白っぽく写っている。重厚感のある石垣のトーンが印象的だ。
F8.0

他の写真は全部ピントは無限遠位置で撮っているが、これだけは絞り開放でピントノブの指標を目測の1mに合わせて撮った。結果はひどい前ピンで、完全にピンボケだ。目測が大きく外れているとは思えないので、おそらくピントノブの距離指標は近距離では当てにならない。
F3.5

Minoltaflex IIB型
ROKKOR 75mm F3.5
FUJI ACROS100 ミクロファイン1:1希釈 20℃
複写カメラ Nikon Z7II
レンズ AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED
Adobe Lightroom Classicにて階調反転・画像調整

ロッコールの写りが良いのは分かったが、このカメラはこれで終わりにしようと思う。ビューレンズのピントを調整すればもうちょっと使えるのだろうが、このカメラはミラーも真っ白でファインダーも暗く、ボディ自体もヨレヨレなのでこれ以上手を入れる気がしない。

2022年2月10日木曜日

Mamiya RB67 SEKOR C 65mm F4.5 ACROS 100

冷蔵庫のACROS100フィルムがまだあるので、今回はSEKOR C 65mm F4.5を使ってみた。
レンズの解像力は、前回使ったSEKOR NB127mm F3.8よりもやや落ちるように見える。世代としてはSEKOR NBよりもSEKOR Cの方が新しいレンズのようだが、このSEKOR C 65mm F4.5は元々ジャンク品のため、これが本来の性能ではないかもしれない。SEKOR C 65mm F4.5には近距離収差補正機構があるが、入手時にこれの目盛りがズレており自分で直した記憶がある。正しく機能しているかは疑問だが、一応撮影距離に合わせて操作はしている。

左右の両側が白くなっている。ネガの濃度は正常なため、複写に使ったライトボックスの照明ムラかと思ったのだが、他のコマは異常が無く原因が不明。

Cokin グラデーションフィルターND8 使用








 共通データ
Mamiya RB67 Pro
SEKOR C 65mm F4.5
F16-22半
FUJI ACROS100
複写カメラ Nikon Z7II
レンズ AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED
Adobe Lightroom Classicにて階調反転・画像調整
画像サイズ 6880x5504 ピクセル

2022年2月2日水曜日

Mamiya-6

冷蔵庫にあったACROS120フィルムがまだ残っているので、Mamiya-6を持ち出してみる。前回使ったRB67の方が良く写るが、何しろすごく重いのでこっちにした。このMamiya-6はオートマットになる前のV型(1953年製)で、ズイコーレンズが搭載されている。







逆光では大きなフレアが出るが、このレンズには拭いても取れないクモリがあり、コーティングもハゲハゲなので仕方ない。






Mamiya-6 V型
D.ZUIKO 7.5cm F3.5
F16 
FUJI ACROS100 ミクロファイン1:1希釈 20℃
複写カメラ Nikon Z7II
レンズ AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED
Adobe Lightroom Classicにて階調反転・画像調整