2021年1月28日木曜日

SLIK GOODMAN三脚 フリーターン雲台

浜辺で三脚を使うと砂が噛んだり海水でベトベトになったりして後が大変だ。海水に突っ込んで使えるような三脚を探していたが、防水三脚は非常に高価だ。傘のポリ袋を使う方法もあるが面倒臭い。だったら、ボロイ三脚ならば惜しくもないしそれを水場専用にしてしまえばいい、と考えた。

メルカリ 1900円(送料込み)

スリックの古い小型三脚を入手。25年間タバコのヤニでスモークされていたそうで、古民芸調の見事な風合いに仕上がっている。これなら波打ち際にぶっ刺しても罰は当たらないだろう。だがしかし、ボロイと言えども国産三脚は貴重な文化遺産だ。ちょっときれいにしてみよう。

ヤニなんぞパーツクリーナーをぶっ掛ければ溶けて流れるだろうと思ったが、ゴシゴシやってもまったく落ちない。エタノールも駄目だ。ググってみるとヤニはハイターで落ちるらしい。分解してハイターに浸ける。雲台やスパイダー部分は分解が難しいので丸ごと浸ける。

海に突っ込むのが惜しくなる程きれいになった。乾燥させてからロックナットや雲台にグリスを塗って組み立てる。三脚の本体部分(スパイダー)は鉄で出来ている。

偏芯式フリーターン雲台。小さな雲台だが、パンノブを軽く締めるだけでガチガチに止まる。独特の操作方法により水平出しが簡単に出来るが、上部のターンテーブル部分の精度が今一つで、水平出し後に固定レバーを締め込むと少し傾きが変わってしまう。マスターデラックスのような大型のモデルだとズレが少ないのだろうか。何せ、フィルム時代の古い品である。フィルムでは現代のデジカメ程には撮影時に水平を厳密に合わせる必要は無かった。というのも、手焼きなら水平の微調整はネガキャリアの枠穴やイーゼルマスクで行うことができたからだ。そういった事情を考えれば、この年代の廉価な三脚にしてこの精度は普通なのだろう。

スリック グッドマンS-104(1973-1988)
重量:約 1.8kg 高さ:108cm(雲台含む)130cm(エレベーター使用時)
アルミパイプ4段ロックナット式 パイプ径:26mm(最大)~17mm(最小)
(スペックは実測)

全段伸ばしてみるとかなり低い。小型の割には重く、重い割には華奢だ。雲台だけはガチガチなので、4段目を伸ばさなければ使えそうだ。ちなみに、脚の付け根のボルトを抜いて脚を裏返して取り付けると大股開きが出来る仕様だが、現代の感覚では面倒すぎる。

2021年1月11日月曜日

この鳥なんだ? Z7II AF-S NIKKOR 200-500mm f/5.6E ED VRにて

池の氷は1センチくらいだろうか。寒さが厳しい。望遠レンズを使うにはD850の方が適しているが、Z7IIに付けてみたかったので「マウントアダプターFTZ」を使ってAF-S NIKKOR 200-500mm f/5.6E ED VRを取り付けてみよう。FTZ経由の場合、手振れ補正効果はレンズ側の段数から増えるわけではないらしいが、このレンズは元々VRが非常に良く効くレンズで、FTZ経由でもちゃんとVRが作動するのは確認できた。
そもそも、飛んでいる鳥を撮るような腕前は無いので、相手をしてもらえるのは留まっている鳥だけだ。Z7IIのAFエリアモードには「ピンポイントAF」というものがあり、藪や枝の間を狙うのにちょっとだけ使える。ちょっとだけというのは、ピンポイントAFはコントラストAFなのでシングルAFでしか使えず、逆光など条件の悪い場合は迷ってしまい機能しないのだ。結局はAF-C+シングルポイントAFで使うことにした。Z7IIの動画撮影ボタンに「拡大画面との切り替え」を割り当てておくとEVFでのピントの確認が容易で、意外なことに一眼レフよりも撮り易い。

ちょっとピントが甘い。この鳥なんだろう。
脚は黄色、くちばしは見えない。

ツグミ

アカハラ。シロハラというのもいるらしい。この日最初に見つけた一番目の画像のやつが多分それだ。アカハラの画像はピクセル等倍のクロップで、逆光でかなりアンダーなのをプッシュしているので画質は良くない。

オナガ

メジロ

逆光の場合にEVFの露出プレビューが便利だったが、絞り優先AEだとスポット測光がちょっと暴れて変な動きをする。露出補正をした後にじわじわと明るくなり、明るくなりすぎたと思って暗くすると、またじわじわと暗くなりすぎるという。露出プレビューがあるのでマニュアルモードの方が扱いやすいかもしれない。

ヒヨドリ

沢山のヒヨドリが池の藪に飛び込んでガサガサしている。二羽ほどのオナガが飛んで来て藪の上旋回し「ギィー」と鳴くと、ヒヨドリは藪から一斉に飛び立って高い木に戻っていく。藪に残された小さめのヒヨドリが助けを呼ぶと、迎えに来た数羽が連れ帰って行った。

キジバト

共通データ:Nikon Z7II, AF-S NIKKOR 200-500mm f/5.6E ED VR
(画像はすべてトリミング・長辺1600ピクセルにリサイズ)

2021年1月10日日曜日

Nikon Z7IIで赤外写真

Z7IIのセンサーは画素数や裏面照射の点ではD850と同じなので、赤外域の感度も似たようなものだと思われ、実際同じように見える。どちらかと言えば、可視光域での軸上色収差や倍率色収差がこれまでにないレベルで良く補正された「NIKKOR Z 24-70mm f/4 S」の赤外適正が知りたかった。

Nikon Z7II,NIKKOR Z 24-70mm f/4 S







「NIKKOR Z 24-70mm f/4 S」には赤外指標はもちろん距離環も無く、手動でのピント補正を行うのは難しいのでピント補正はしていない。SC72フィルターは可視光の透過割合が高く、ホワイトバランスを補正すると色味のあるカラー画像になる。ピントはそのままで問題ないようだ。IR76フィルターはホワイトバランスの補正後は、セピアとブルーのツートーンになる。SC72フィルターに比べ、IR76フィルターの周辺部は像が甘く、倍率色収差のせいだと思われるが、中央部は思ったよりもシャープで、ピント補正の必要はないように思う。赤外線撮影と相性の悪いレンズ(例えばAF-S NIKKOR 24-70mm F2.8G EDなど)では、真ん中だけ極端に明るくなったり絞りの形状のゴーストが出てしまう現象が起こる。NIKKOR Z 24-70mm f/4 Sは、IR76フィルター使用時のズームワイド側で僅かにセンタースポットが見られるものの気になる程ではなく、かなり良い赤外画像が撮れることがわかった。

おまけ NIKKOR Z 50mm f/1.8 S

赤外写真はどちらかといえばワイドレンズが向いていて、NIKKOR Z 50mm f/1.8 Sでも撮れるかもしれないが今回は試していない。絞り開放で非常に良く写るレンズなので、今回は全部開放で撮影した。