2022年6月16日木曜日

NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S

メーカー的には、「NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S」は、2006年に発売されたFマウントの「AF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G IF-ED」の後継品という位置付けだが、「AF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G IF-ED」は使ったことがないため、前モデルとの差異についてはわからない。個人的にはZ9の購入時に手放してしまった「AF-S Micro NIKKOR 60mm F2.8G ED」の代わり、という位置付けになる。

NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S (2021)

Nikon Z9, NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S  F11(ピクセル等倍クロップ)

105mmのマイクロニッコールは、MFの「AI Micro-Nikkor 105mm f/2.8S」を持ってはいるがこれはあまりシャープなレンズではなく、マクロ撮影用途では「AF-S Micro NIKKOR 60mm F2.8G ED」を主に使っていたため、個人的には焦点距離が60mmから105mmに変更になった形になる。マクロレンズの焦点距離が長くなった場合の利点は、ワーキングディスタンスが長くとれることで、等倍時のワーキングディスタンスが「AF-S Micro NIKKOR 60mm F2.8G ED」では4.95cmなのに比べ「NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S」では13.4cmとなる。4.95cmと13.4cmの差は、被写体がレンズの影にかぶって暗くなってしまうかどうかという点だけではなく、虫が逃げるか逃げないかという点においては、大きな差が出る距離でもある。チョウやトンボなど、敏感な虫に等倍までにじり寄るのは難しいが、105mならば60mmより少しでも大きく撮ることができるし、動きの鈍い虫なら等倍まで簡単に寄ることができる。




NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR Sは、発売から1年近く経過しておりレビュー記事もあふれているのだが、性能面で特筆すべき点はやはり軸上色収差が皆無であることだろう。以前のマイクロニッコールでは、ピント面前後でボケの色付きが気になることも少なくなかったが、このレンズではピント面前後の像はただひたすらにすっきりとボケていくだけで、色付がまったく見られない。Zレンズに共通して言える特徴は、もはや収差をコントロールするために絞る必要は無いという安心感と、絞りを単純に露出と被写界深度のコントロールに充てることができるという自由な感覚だろう。そしてまた、この「NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S」もそういうレンズに仕上がっている。





















共通データ
Nikon Z9, NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S
画質モード:高効率 画質優先RAW(14-bit)
NX Studio (Ver 1.2.0)