2010年10月27日水曜日

Lightroomのシャープ

以前、Capture NX2とDxO Optics Pro6のシャープフィルタと比較してみたことがある。これらはシャープフィルタの半径に1ピクセル以下の値を指定できる。1ピクセル以下というのは実は意味がわからないのだが、何だか知らないができるものはできる。そしてこれらはView NX2のぶっとい輪郭強調よりも良い解像感が得られる。最近、Adobe Photoshop Lightroom 3.2の体験版を使ってシャープフィルタの効果を調べてみたところ、更に良い解像感が得られることがわかった。

 Nikon View NX2 ピクチャーコントロール:スタンダード
輪郭強調などのパラメータはすべてデフォルト

Adobe Photoshop Lightroom 3.2, Camera Raw 6.2
カメラキャリブレーション:Camera Standard
シャープ 適用量=81, 半径=0.5, ディテール=32, マスク=0
レンズプロファイル:自動, ゆがみ=0, 色収差=100, 周辺光量補正=100

共通データ:Nikon D700, AF-S NIKKOR 24-70mm F2.8G ED
ISO400, f=60mm, F5.6

View NX2で現像したD700の画像はピクセル等倍では猛烈にぼやけていて、ぶっとい輪郭強調も見苦しくまことに見るに耐えない。Lightroomでもシャープをかけないと大差ないが、Camera Rawでシャープをかけて現像すると細部の質感が劇的に向上する。シャープフィルタにおける「適用量」と「ディテール」のパラメータは、どのくらいが適正かは分からない。色々試してみた結果、少しざらついた感じにはなるがこれが一番自然だと思った。これは単なるボケマスクによる錯覚の解像感なのだろうか?あるいは画像処理でのざらつきが砂地に堆積したゴミという被写体にオーバーレイされて絶妙にマッチした結果、質感のように感じられるのだろうか?だが、見えなかった細部が見える。見えるような気がするのではなく、確実に見える。今までのD700のぼんやりした等倍画像がまるで嘘のようだ。大げさかもしれないが、まるでローパスがなくなったか画素数が2倍になったかのようにすら感じる。Lightroomでノイズ低減を適用するか、シャープのマスクを0以上にすれば、これよりざらつきは減るものの、ノイズを減らす程に細部はだんだん塗り絵のようになってくる。少しざらついた感じになるが、個人的にはノイズ低減をしないこの状態の方が好みだ。以前からNX系ソフトで現像されたD700の等倍画像には、細部が強制的にぼかし消されたような理不尽さを感じていた。この原因はひとえにセンサー上の光学ローパスフィルターのせいだとばかり思っていた。だが、実はニコン純正ソフトの画像処理がそうしているのに違いない。
では、Lightroomを迷わず購入するかといえばちょっと考えなくてはならない。レンズ補正についてはView NX2やCapture NX2の方が良く、とくに倍率色収差補正はニコン製ソフトが格段に優れている。DxOは扱いやすく結果も良いものの、内部処理がいまひとつ不明でニコンのピクチャーコントロールとの対応も良く分からない。AdobeのCamera Raw 6.2はニコンのピクチャーコントロールに対応するカメラキャリブレーションが用意されていて、出力結果も対応するピクチャーコントロールに近い。だがADLには対応しないため、撮影時にADLをOFFにしておかないとNX系ソフトとはだいぶ違った結果になってしまう。どれも一長一短である。俺は今のところ無料のView NX2からは抜け出せそうにない。Capture NXの次バージョンでニコンのシャープ処理がRigithroom並みに進化してくれるか、Camera rawのレンズ補正とカメラキャリブレーションがニコン純正並みに進化してくれたら購入を検討しようと思う。(その後、試用期間が切れる前にLightroom3製品版を購入しました。ViewNX2とは適宜使い分けております)

2010年10月21日木曜日

この前の傘

ちょっと天気が悪かったので、この前の傘を持って出かけてみた。外で使うと面白いかもしれないと思ったが、やってみると自然すぎて自然光と変わらず。ただし、これは昼間だがこの道具なら真夜中や雨天時でもこういう風に照らすことができるので、もっと精進すれば面白いものが撮れるのかもしれない。
Nikon D700, AF-S NIKKOR 24-70mm F2.8G ED
ISO400, f=70mm, F11, ピクチャーコントロール[LS], ADL=Auto
RAW現像時 -0.3EV補正, 撮影距離 0.47m
コーナーがボケている。やはり近接撮影はマクロレンズには敵わない。
こんなふうにアンブレラを転がして使用。

泡立ち草がいっぱい咲いていた。これはノーフラッシュ
ISO400, f=70mm, F2.8

2010年10月16日土曜日

旧古河庭園の秋バラ

バラというと洋風のイメージが強く、旧古河庭園の洋館にもバラがよく似合うが、愁ひつつ岡にのぼれば花茨という江戸時代の俳句もあるように、バラは古くから日本にも自生している植物なんだそうだ。俳句では薔薇は夏の季語だというが、俺には園芸のことなどさっぱり分からないので、バラがいつ咲くのかなど気にしたこともない。秋バラと言うからには他の季節にも咲くのだろう。調べてみると5月~11月に咲くものが多いらしい。どうりで季節感とはあまり結びつかないはずだ。バラは手入れが難しい植物らしく、近寄って見ると虫食いや半枯れの部分が目に付き、これを理由にバラの花を好まない人もいる。ここのはよく手入れされているのにおそらく違いないのだが、やはり遠目に見る方がきれいに見える。 
f=35mm F2.8

f=70mm F2.8

f=24mm F9.0

f=70mm F2.8

f=70mm F2.8

f=62mm F2.8

f=70mm F2.8

f=70mm F2.8
Nikon D700, AF-S NIKKOR 24-70mm F2.8G ED
ISO200 ピクチャーコントロール[LS]

2010年10月8日金曜日

SB-600用アンブレラ

以前入手したベルボン アンブレラクランプ UC-6は、実は雨傘用には使ったことがない。小型ストロボ用の反射傘に使うつもりだったのだが、これにも正直言って使い辛い。小物用に部屋で使うには傘自体が大きすぎるのと、折りたたみ式の傘がたたみにくいのと両方で、出すのがものすごく面倒なのだ。三脚パイプにしか取り付けられないクランプも何だかなぁという感じだった。そういう訳で、今は代替品にもっと小さな傘を使っている。この傘、コメット製で本来は高価なのだがジャンク箱で見つけた品なので値段はそんなでもない。

コメット アンブレラ N-35-CT(650φ)
 エツミ E-199 レインブラケット
ハクバ アクセサリーシューアダプター
※この写真は小さなレフ板でバウンスしているので左上が暗くなっている。

傘の取り付け具はカメラを雨傘に付けるための製品を流用。アクセサリーシューアダプターは、SB-600付属のプラスチック製の台座と機能は同じだが、こちらは金属製で小型のもの。シューの底に絶縁用のプラ板が付いている。このシューはSB-600のロックピンが効かないが、落っこちたりはしない。


ケンコー クランプポッド プロ100に乗っけた状態。
写真のワイヤレス発光させたSB-600の光だけで撮影。

エツミのレインブラケットは雨傘や反射傘のパイプ(8mm)だけでなく、ストッパー用ネジ穴をずらせば15φまでの何かしらを取り付けることができる。SB-600で直径65cmのこの傘全体に光が行き渡るようにするために14mmワイドパネルを使用しているが、テーブルの上ならこれでもISO200、F11まで絞ることができる。ベルボンよりもセッティングが楽ちんで、持ち運びも簡単だ。俺はやらないと思うが、その気になれば外でのマクロ撮影などにも使えるかも。


Amazonにはコメットのアンブレラはなかったが、手頃な50cmのとか安いのがいっぱいあった。
実はクランプポッドはケンコーのと同じっぽくてもっと安いのがある。

神代植物公園

先週行こうと思っていたが、天気が悪くて行かなかった。今日は晴れたので神代植物公園へ。今週末から秋のバラフェスタという祭りらしいが、行ってみるとちょっとしか咲いていない。開花はまばらだが、平日にも関わらずマクロレンズに三脚を抱えたご年配の方々や、写生や散策を楽しむ方々がたくさん訪れていた。バラ園というと、くもの巣だらけの半枯れのイメージがあるが、ここのは割と新鮮できれいだ。見頃は来週だろう。

f=24mm F5.6

f=70mm F5.6

f=24mm F8.0
これはバラではなくてダリヤ

 f=70mm F5.6

パンパスグラスというこの植物は公園ではよく見かけるが、ここのはやたらでかい。

f=70mm F8.0

 f=24mm F5.6
うわすごい色だ。ピクチャーコントロールは[LS](風景)

  f=70mm F2.8

 
f=70mm F2.8

f=70mm F2.8

f=24mm F2.8

f=24mm F11
Nikon D700, AF-S NIKKOR 24-70mm F2.8G ED
ISO200 ピクチャーコントロール[LS]

行きは京王線つつじが丘駅からバスだったが、帰りはJR吉祥寺にしよう。ともにバスで15~20分くらい。今日は木曜、放出日の可能性があるので、帰りに中野F店のジャンク館へ立ち寄るのだ。やっぱりか。大量のMF一眼ボディが棚を埋め尽くしている。手に手にカゴ握り締めた先輩達をかき分け、なんとかのぞいてみるもめぼしいものはない。用品館にあった90cmくらいの安いレフ板を買おうと思っていたが売り切れだった。

2010年10月4日月曜日

AF-S NIKKOR 24-70mm F2.8G ED 24mm側 ピント再テスト

前回の続きだ。AF-S NIKKOR 24-70mm F2.8G EDの24mm側での像面湾曲の状態を再度調べてみた。このレンズは、先日工場で解像力点検とAF精度の再調整をしてもらったものなので、これがこの製品のベストな状態と考えられる。このレンズの24mm側で無限遠にピントを合わせる場合、位相差AFで中央(C6)*のフォーカスエリアを使ってピントを合わせると、Exif情報のFocus Distance*は「5.01m」になる。左端(C1)または右端(C11)のフォーカスエリアを使ってピントを合わせた場合のFocus Distanceは「6.68m」となる。ズーム24mm側での距離情報は、無限遠ではこの2種類のいずれかになる。ライブビューのコントラストAFを使った場合もほぼ同じだが、コントラストAFでは右端のフォーカスエリアは必ずしも「6.68m」にならず、「5.01m」となる場合がある。位相差AF、コントラストAFとも中央と左右端との中間のフォーカスエリア(C3やC9)では「5.01」mまたは「6.68m」のいずれかで合焦する。
今回はズームの24mm側で無限遠撮影をおこない、Focus Distanceが「5.01m」または「6.68m」のいずれかになるように撮影し、画像中央部と周辺部を拡大して比較してみる。


ブラウザでご覧の場合は画像を右クリックし、それぞれの画像を新しいタブで開いていただいた後、タブを切り替えながら画像の同じ位置を交互に観察していただければ比較しやすいと思う。

Focus Distanceが5.01mの場合 
(位相差AF 中央のフォーカスエリアを使用)

Focus Distanceが6.68mの場合 
(位相差AF 左端のフォーカスエリアを使用)

画像中央、周辺ともバランス良く解像力を発揮するのはFocus Distanceが5.01m、絞り値がF5.6~F11の間のようだ。Focus Distanceが6.68mの場合、開放~F5.6までは周辺部はピントが合うものの中央部がピンボケになる。F8は微妙だが少なくともF11まで絞り込むと中央のピントは改善してFocus Distanceが5.01m場合と同等となる。F16~F22では回折ボケで中央・周辺ともやや甘くなり、被写界深度の効果も手伝ってFocus Distanceが5.01mの場合と6.68mの場合の画像には違いがなくなる。つまり無限遠のピントは、絞り開放~F8間はFocus Distanceが5.01mになるように中央のフォーカスエリアを使ってピントを合わせればいい。絞りをF11にまで絞れる場合は像面湾曲を考慮して中央部より1ステップ後ピン気味に、つまりFocus Distanceが6.68mになるように左右端のフォーカスエリアを使ってピントを合わせることで、周辺部はジャスピンで中央部のピントも被写界深度に入れることができる。しかしながら、F11時の周辺画質は6.68m方が確かに良いものの、5.01m時との差は微妙なので、絞り値による使い分けを考慮せずに、常に中央のフォーカスエリアを使う方法でも構わないのかもしれない。 
気をつけなければならないのは、夜景や逆光など被写体が暗かったりコントラストが低い場合だ。AFに厳しい条件の場合、中央のフォーカスエリアを使っても無限遠が5.01mではなく、その前後にセットされてしまうことがある。とくにコントラストAFでは6.68mにセットされてしまうことが多いようだ。前後どちらにずれても画像中央部はピンボケで甘くなってしまう。レンズの距離窓を確認してみたが、5.01m位置を判別するのはちょっと困難に思える。また、距離指標の∞マークは70mm時の無限遠にぴったりだが、24mm時に∞マークに合わせると5.01mよりもかなり後ピンになり、24mm時は∞マークを目安に使うことはできない。
結局のところ、調整前に比べればピントが合っていると見なせる範囲は周辺まで拡大されており、実用十分なレベルに改善されている。像面湾曲そのものはレンズの性能の限界なので仕方がないが、このレンズの24mm側の画質はレンズ側のAF精度におおいに依存している。

*C1、C6などのフォーカスエリアの呼び方およびFocus Distanceの値については、ExiftoolのPrimary AF PointおよびFocus Distanceタグの表示値であり、実際の距離やニコンの仕様とは異なる可能性があります。