2025年3月15日土曜日

スーパーイコンタ(6x9)にて

 このイコンタは一年程前にメルカリで手に入れた物で、動作良好との説明だったが当然のようにインチキだった。シャッターの係止が出来ず、レンズボードにはレンズがきちんと固定されておらずグラグラしている状態で、とても撮影できる状態ではなかった。

ZEISS IKON Super Ikonta 530/2(1934)
Carl Zeiss Jena Tessar 10.5cm F4.5


一度修理を試みたが、シャッターを分解するのには躊躇があり、しばらく寝かせてあった。その後、前回修理したWelta Parleのシャッターがこれとほぼ同じで、どうにか分解組立できることが分かったので、このイコンタの修理にも取り掛かることにした。
問題は、シャッターをチャージした後レリーズレバーを手動で持ち上げて引っ掛けないと係止ができないことで、この状態だとレリーズレバーにちょっと触れただけでもシャッターが切れてしまい、これでは貴重なフィルムが無駄になってしまう。
原因は、上の赤丸の位置にあるヒゲのようなスプリングの取り付け方が異常で、このシーソーのように動くパーツに逆向きのテンションが掛かっていたことだった。これを修正すると係止の問題は復旧した。

絞りとシャッターのブレードを全部ばらしてクリーニングした後に組み戻すわけだが、絞りやシャッター羽根の組み立ては難儀だった。距離計のドレーカイルが狂っていると俺のような素人にはお手上げだったが、この辺は問題なかったのでピントグラスを当てて無限遠を調整した後、ヘリコイドとの連結ギアを入れて組み立てた。惜しいのは、どう組み立ててもフォーカシングノブの動きが渋く、操作には若干の難はある状態になってしまった点だが、機能上は一応使えるようにはなった。テスト撮影をしてみると、蛇腹の穴は全部ふさいだはずだったが、ネガには光漏れが見られた。赤窓から光が入ったのか、まだ蛇腹に穴があるのか。原因はよくわからないが、フレームの影が出ているようなのでどうも赤窓か裏蓋付近ではなかろうか。

撮影画像








トライX ISO400(期限不明)ミクロファイン1:1希釈 22℃ 12分