2008年5月17日土曜日

PEN-F 現像失敗したフィルムのヒストグラム伸張

たまにはバスにでも乗ってみたいなと思っていたところ、東京駅から秋葉原・上野・浅草を経由して両国へ向かうバスを発見した。ちょうど、両国の江戸東京博物館へ行きたかったところなので、早速乗ってみた。つい先日運行開始したらしい。俺が乗った日は雨の平日だったので乗客は数人しかいなかった。




PEN-F 38/1.8
NEOPAN 400 PRESTO
D80+Micro nikkor 55/3.5+PK-3でデュープ(等倍)
激薄ネガからヒストグラムを伸張し、なんとか画像に。

フィルム現像を失敗してしまった。実はSPDが2ヶ月ぐらい経って黄色に変色してしまっていた。現像液なんて3ヶ月や半年ぐらい平気だと思っていた。ネガがちょっぴり薄い気がしたり、液がグレーの沈殿物で濁ってきたら、仕方なく交換するもんだと思っていた。でも、印画紙用ならともかく、SPDが黄色くなったことはかつて無い。悲しい。やっぱり黄色くなっていたらだめなんだ。そうだ。容器のせいだ。キャンドゥの防災用タンクは密封性が悪い。今度はちゃんとコーラのペットボトルにしよう。でも今はコーラなんか飲まないんだけどな。スプライトは緑色なので遮光性とか考えて、かつて愛用していたが多分関係ないと思う。定着液は*なぜかウーロン茶の容器と決まっている。

*フジフィックスの粉末が2リットル用だったから。

ヒストグラムを伸張するような調整ができるソフトはいくつかあるが、Photoshopが買えない俺は、Paint.netというフリーウェアを使った。ネガの色数をカウントすると88階調である。色数はコントラストとは直接関係ないが、ヒストグラムを見ると真ん中に寄った高い山に画素が集中していて、画像全体のコントラストが低く、本当にどうしようもない状態だ。これをPaint.netのレベル調整で256階調まで引き伸ばす。暗部の階調をすべて残すようにすると、デジタル臭の強い不自然なトーンになる。あえて暗部の山を少し切り捨て、黒つぶれ気味にすることで、割と写真らしい階調が得られた。印画紙で焼くしか方法がない時代なら、捨てるしかないようなネガだが、デジタル化して処理すると、何が写っているか判断できる程度どころか、下手したら普通にちょっと暗めの写真かな、というレベルにまで救済できた。これって実はすごいことじゃないか。あんまり世話になりたくはないが。
beforeの状態を見てほしい。まるで幕末写真である。

ちなみに、カラーネガをデジカメで複写した場合も、ヒストグラムは全体の半分程度しか使われず、ヒストグラム内の一部分を選んで伸張する必要があるが、上の例とは異なり、山が低くなだらかでネガの濃度差ももっと広範囲なので、もっとコントラストのある画像が得られる。
ネガフィルムの+-3EV以上と言われるラチチュード内の広大な明暗差は、微妙な濃度差でもって、非常に圧縮された状態でフィルム上に格納されている。適正に現像されたネガなら、階調のない上下部分を切り捨ててヒストグラムを引き伸ばせば、広大なラチチュード全体が一つの画像に再現される。しかし、白トビも黒つぶれもない画像は、同時に肉眼の印象とはかけ離れた、非常にコントラストが低い単なる眠い画像でしかない。デジカメのラチチュードが狭いとは言われるが、ネガカラー印画紙の絶望的なラチチュードの狭さに比べれば雲泥の差だ。

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