2011年8月25日木曜日

14-24mmと24-70mmで24mm側比較

AF-S NIKKOR 14-24mm F2.8Gを買った。貧乏な俺には無茶苦茶に高価なレンズだ。人間いつ死ぬか分からない。俺もこの先、何年生きられるか分からない。そういう思いもあって、悩んだ挙句ちょっと無理して買った。こんなのを躊躇なくポンと買える身分の人が本当に羨ましい。
事情はさておき、去年買ったAF-S NIKKOR 24-70mm F2.8Gと24mm側の画質を簡単に比較してみた。AF-S NIKKOR 24-70mm F2.8Gは素晴らしいレンズだが、以前にも何度か取り上げたようにワイド側(24mm)の像面湾曲が顕著で周辺画質に若干の不満がある。世間では24mmならAF-S NIKKOR 14-24mm F2.8Gのテレ側の方が画質が良いと言われている。AF-S NIKKOR 14-24mm F2.8Gをやっと手に入れた俺にとっては、まずはこの2本の24mm側がどれほど違うのかを確認することが、第一の興味だった。


左:AF-S Zoom-Nikkor 24-70mm f/2.8G ED
右:AF-S Zoom-Nikkor 14-24mm f/2.8G ED

全体画像
某所でよくテストに使われているのと同じ場所(浜離宮)だが、
実は四隅が池だったり空だったりして周辺画質が良く分からない。

AF-S Zoom-Nikkor 14-24mm f/2.8G ED
F2.8  6609899 bytes  DSC_6819_nx.JPG
F4.0  6623427 bytes  DSC_6820_nx.JPG
F5.6 6596759 bytes  DSC_6821_nx.JPG
F8.0 6755300 bytes  DSC_6822_nx.JPG
F11 6650548 bytes  DSC_6823_nx.JPG
F16 6601439 bytes  DSC_6824_nx.JPG
F22 6282906 bytes  DSC_6825_nx.JPG

AF-S Zoom-Nikkor 24-70mm f/2.8G ED 
F2.8 6534348 bytes  DSC_6840_nx.JPG
F4.0 6666961 bytes  DSC_6841_nx.JPG
F5.6 6715459 bytes  DSC_6842_nx.JPG
F8.0 6813318 bytes  DSC_6843_nx.JPG
F11 6825131 bytes  DSC_6844_nx.JPG
F16 6653458 bytes  DSC_6845_nx.JPG
F22 6254949 bytes  DSC_6846_nx.JPG

共通データ
Camera Model Name               : NIKON D700
Focal Length                    : 24.0 mm
ISO                             : 200
Software                        : ViewNX 2.1 W
Picture Control Name            : Standard
Active D-Lighting               : Off
White Balance                   : Sunny

Vignette Control                : High
Image Size                      : 4256x2832

画像が大きいのでファイルを別サーバーに置かせていただいた。リンクをクリックするとView NX2でRAW-JPG変換した元画像が見られるので、興味のある方はご覧いただければと思う。ヴィネットコントロールをOFFにするのを忘れたので、レンズ本来の周辺光量の比較はできない。なお、D700とこれらのレンズ、View NX2の組み合わせでは歪曲収差補正が働かないので、歪曲収差については素のままということになる。
AF-S NIKKOR 24-70mm F2.8Gのワイド側では像面湾曲のため、画像中央以外はピントが悪い。絞れば多少改善するものの、完璧とは言い難い。一方、AF-S NIKKOR 14-24mm F2.8Gのテレ側24mmでは周辺画質に何の問題もない。というか、本当にすごい。F2.8からほぼ画面全域で抜群のピントとコントラストで、一段絞ればそれこそもう完璧である。この画像では分からないが、このレンズの24mm側の歪曲収差はほぼゼロであるという。さすがに単焦点を越えたと言われるだけのことはある。すごいレンズだ。
 

2011年8月10日水曜日

iPhone/iPod touchが露出計になるアプリ Pocket Light Meter

iPod touchで使える露出計アプリ(無料)を発見した。内蔵の照度センサーを使う入射光式かと思ったが、内蔵カメラを使う反射光式スポットメーターだった。レビューの評価を見るとiPhoneでは精度は問題なく、割と正確だという。俺のiPod touch 4G(iOS 4.3.5)でも実行はできた。



実行すると外カメラの画像がウィンドウに表示される。内カメラにも切り替え可能。シャッタースピード(32~1/8000秒)、絞り値(f/1~512)、ISO感度(6~102400)はそれぞれ1/3ステップで設定・表示が可能。3要素のうち2つまで固定できるので、例えば絞りとシャッタースピードを固定し、相当するISO感度を表示させたりすることもできる。赤い測光枠はタップで位置変更が可能。あまり暗いと駄目なようで、iPod touch外カメラの場合、EV6~7くらいが下限のようだ。


Light meterアプリ: ISO200  F5.6  1/30秒 (+0.7EV)
D700 TTLスポット測光: ISO200 F5.6 1/50秒 (±0EV)
入射光式露出計: ISO200 F5.6 1/60秒 (-0.3EV)

ケンコーの標準反射板を使ってチェックしてみる。D700のメーターの値を真ん中とすると、この例ではLight meterアプリがちょっとだけオーバー、スタデラがちょっとだけアンダー という表示になっている。Light meterアプリの表示には多少のゆらぎがあり、D700のスポット測光と同じ値になることもある。差がある場合も、おおむね±一段以内のようだ。Light meterアプリの設定メニュー内には校正機能もあるので、気に入らなければ調整もできるが、デフォルト状態で十分正確であるように思える。ただし、今回はひとつの明るさで簡単に比較しただけなので、もっと明るい場合や暗い場合にどうなのかは不明。




2011年8月9日火曜日

月はかせ望遠鏡 ムーンナビゲーター

子供のおもちゃを取り上げて遊ぶ。今月号の付録は天体望遠鏡だと。こりゃあ面白そうだ。倍率は約30倍とのことだが、詳しい仕様は不明である。口径は約35ミリ、全長の半分はドローチューブで、これを全部伸ばして50センチくらいの長さで使用する。光学系がなんという形式なのかわからない。対物レンズはプラスチック製の単玉だ。接眼レンズは3枚程度が組み合わされたもののようで、全体で色消しになっているようだ。子供が操作しやすいように配慮してあり、正立像で見える。円盤には今年7月、8月の日付と月齢がわかるイラストが描かれている。次の満月は8月14日だ。右手前に見えるのはカメラアダプターで、これを介して接眼レンズにフジカラー写ルンです1600 Hi Speedを輪ゴムで縛りつけることができるという。

チャレンジ4年生8月号付録(ベネッセ)
月はかせ望遠鏡 ムーンナビゲーター

この望遠鏡、30倍という高倍率で写真撮影をするには到底ありえない華奢な構造だ。写ルンですを使う方法で、レリーズも使わずにまともに真ん中に写るはずがない。付属の三脚を外すとカメラ三脚に取り付けることができるが、外すことができない上下方向の架台が華奢なため、三脚に乗せてもビョンビョンする。そこに何とかしてデジカメを接続してみる。アイポントが限られていてるので、コンデジは使えない。接眼レンズに密着させなければならず、どうやら小さなレンズの携帯電話のカメラやPC用のWebカメラが向いているようだ。今回はiPod Touchを使用。

iPod Touchにて撮影。なんとか写った。

ベネッセは去年の「かんさつカメラ」もそうだが、そろそろ付録にデジカメをつけていただきたい。フィルムじゃ現像するまで写ってるかわからない。去年の観察カメラは簡単で良く写ったが、今回のようにほとんど失敗するのが目に見えているような装置だと現像代が惜しい。スペック的には秋葉原で千円くらいで買える出力画像がVGAサイズのおもちゃみたいなやつで十分だ。ベネッセなら「かんさつカメラ」と大差ないコストで大量生産できるんじゃないのか。

写真に写っているスリックプレートはひとつあると色々と便利。雲台にカメラを2台のせる場合はもちろん、頑丈なのでベローズやマクロスライダーの支えにしたり、望遠レンズのバランスプレートに使ったり、マクロ撮影時のローアングルアームやフラッシュのブラケットにも使えたり。



赤外一丁

大きな積乱雲が出ていて赤外日和だった。やはり曇りの日よりも晴れた日の方がよく写る。D700での赤外線撮影は去年のデータがあるので手馴れたものだ。赤外線撮影にはNikkor-UD Auto 20mm F3.5という古いレンズを使っている。赤外指標のある古いレンズが向いているからだ。赤外指標によるピント補正は必ずしも必要ではないが、現代のレンズには赤外線撮影には適性がないものもあり、24-70mm F2.8G EDのような高性能レンズでも、赤外線撮影では画像中央に明るいゴースト(センタースポット)が生じてしまい使えなかったりする。露光時にはアイピースシャッターが必須だ。ゼラチンフィルターホルダーも隙間がないものを使う。光漏れあるとオーブになる。


フィルターなし
ISO800, F11, 1/2000sec
Nikon D700, Nikkor-UD Auto 20mm F3.5

IR76フィルター使用
ISO200, F11, 30sec 

SC72フィルター使用
ISO200, F11, 20sec 

フィルターなし
ISO400, F11, 1/1000sec
 
IR76フィルター使用
ISO400, F11, 30sec 

IR76フィルターでは赤外指標によるピント補正を行う。ホワイトバランスはこのフィルターを使って採取したものをプリセットとして使う。一見モノクロのようだが、淡い茶色とグリーンのツートーンのカラー画像になる。SC72フィルターではピント補正は行わない。このフィルターではホワイトバランスの採取はエラーとなり不可能なので「晴天」を使う。ピンク色の画像になるが、View NX2でのRAW-JPG変換時にアスファルトや雲の一部などをグレーポイントとして指定し、色調を整えると上のような自然な色調になる。雲が真っ白になるのではなく、少しピンクが残るくらいに調整するのがいい。なおLightroomではホワイトバランスの調整幅に限度があるようで、同様の調整ができない。