2018年1月31日水曜日

皆既月食

同じ月に2回満月が見られるときに2回目の満月をブルームーンと言うそうだ。青く見えるわけではないそうで、むしろ皆既月食で赤くなったのを確認した。

ISO100 F8.0 1/100秒

Nikon D850, AF-S NIKKOR 200-500mm f/5.6E ED VR, 
f=500mm ISO1600 F8.0 1秒

皆既月食には何だか不思議なイメージがある。今回は特段気づいた事は無かったが、過去の記録をあさってみると2011年の月食の日には不思議な気象現象を観測している。

2018年1月27日土曜日

パノラマ雲台を使い自由雲台で左右の傾きを微調整する方法

前回はベルボンのプレシジョンレベラーを使ったが、シンプルにパノラマ雲台を使った方が高さが抑えられるので、今回はこれを使う。ベルボンUTC-63三脚に付属している雲台はQHD-S6Qという自由雲台だ。自由雲台の問題は、微妙な水平出しが難しいことだ。ふつう風景や物撮りでは上下の水平は構図によって任意のためあまり厳密ではないが、左右の傾きは見苦しくなるので無くさなければならない。自由雲台は、ボールの固定を緩めるとすべての方向がフリーになり、3ウェイ雲台のように左右の傾きだけを調整するという操作ができないので、水平出しの際には必ず同時に構図も合わせ直さなければならない。逆も同じで、この雲台はボールとは別に水平パン軸を持っているものの、上下方向についてほんの少しでも構図を変えようとすれば、同時に毎回必ず水平出しの操作が必要になる。QHD-S6Q自由雲台には、緩めた際にガクンと倒れないように、緩め幅を制限する機構は付いているが、半締めの抵抗がかかった状態でカメラを動かすとバックラッシュが生じ、細かい調整をするのには思いのほか手間と時間がかかる。また、緩めすぎると構図も大きくズレてしまい、一からやり直しとなる。UTC-63三脚の雲台はもちろん交換可能だが、規定の収納性能を発揮させるためにも付属のQHD-S6Q雲台を使わないのは惜しい。そこで今回のこの方法だ。UTC-63三脚に付属しているQHD-S6Qのような、水平独立パンのできる自由雲台にこれを乗っけることにより、画期的な方法で左右の傾きを微調整することができる。

MENGS PAN-C1 パノラマ式クランプ


パノラマ雲台を使い自由雲台で左右の傾きを微調整する方法

三脚をほんの少しだけ前傾に設置し、自由雲台のボール固定ノブを操作して構図を合わせる。カメラが上向きや下向きになるような構図では、三脚を前傾に設置する必要は無い。三脚を前傾(あるいは後傾でも構わない)に設置する必要があるのは水平線が上下の真ん中になる構図をとる場合だけ。三脚がほとんど垂直に立っていると雲台を回しても左右の傾きが変化しないからだ。アイレベル程度の高さなら三脚の前の脚を2センチほど縮めれば良く、重量バランスが不安になる程露骨に前傾にする必要は無い。石突が滑らない状況であれば、前脚を少し閉じて引く(後傾)方法でも代用できる。

この状態で、パノラマ回転台と、自由雲台の水平パン軸のロックを解除し、回転フリーの状態にする。

カメラが前方を向いたままになるようにつかんで固定し、もう片方の手で雲台をつかんで左右に少し回転させると、左右方向の傾きを微妙に変化させることができる。

雲台部分を右に回転させると、カメラを左に傾けることができる。

雲台部分を左に回転させるとカメラを右に傾けることができる。

スリックのフリーターン雲台の水平出し操作に似ているが、自由雲台とパノラマ雲台を使うこの方法では、カメラの重量を手で支える必要がない。手を放してもカメラがガクンと倒れる心配が無く、重量のある望遠レンズを装着した場合にも左右方向の微妙な傾き調整をゆっくりと安全におこなうことができる。雲台ごと水平回転させる動作が左右の傾きの変化に変換されるので、グリスの効いたじんわりとした微妙な操作ができる上に、バックラッシュを生じることもない。構図が水平方向にズレることはあるが、これを戻すのはパノラマ回転台で水平方向を修正するだけなので簡単だ。先日開発した新型レベラーと合わせ、これで自由雲台での水平出しが一層捗るというわけだ。

パノラマ雲台について
Amazonでパノラマ雲台を探すと安価な中国製の物がたくさん見つかるが、中には「三脚や雲台に乗せネジを締め付けると回転できなくなる」などというおかしな構造のものもあるようで選定が難しい。今回手に入れたのは「MENGS PAN-C1」という品物だ。

 
MENGSブランドの品は初めて手にしたが、意外に精密感があり、機能上も問題なく使用可能。商品説明には書いて無かったが、届いた品には1/4~3/8インチの変換ネジがちゃんと付属していた。回転もスムーズでロックもしっかりできるし、水準器もおかしくない。耐荷重は5kgとなっており鵜呑みにはできないが、鉛直に重みが掛かるように使う分には問題は無さそうだ。回転ロック機構は見ての通り重量を支えるような構造ではないので、これを縦にしてジンバルの軸に使ったりするのは危険と思われる。


2018年1月19日金曜日

ベルボン プレシジョンレベラーを自由雲台に付ける

ベルボンUTC-63三脚に付属している雲台はQHD-S6Qという自由雲台だ。この三脚の雲台はもちろん交換可能だが、規定の収納性能を発揮させるためにも付属のQHD-S6Q雲台を使わないのは惜しい。自由雲台の問題は、微妙な水平出しが難しいことだ。ふつう風景や物撮りでは上下の水平は構図によって任意のためあまり厳密ではないが、左右の傾きは見苦しくなるので無くさなければならない。自由雲台は、ボールの固定を緩めるとすべての方向がフリーになり、3ウェイ雲台のように左右の傾きだけを調整するという操作ができないので、水平出しの際には必ず同時に構図も合わせ直さなければならない。逆も同じで、この雲台はボールとは別に水平パン軸を持っているものの、上下方向についてほんの少しでも構図を変えようとすれば、同時に毎回必ず水平出しの操作が必要になる。QHD-S6Q自由雲台には、緩めた際にガクンと倒れないように、緩め幅を制限する機構は付いているが、半締めの抵抗がかかった状態でカメラを動かすとバックラッシュが生じ、細かい調整をするのには思いのほか手間と時間がかかる。また、緩めすぎると構図も大きくズレてしまい、一からやり直しとなる。

ベルボン プレシジョンレベラー

こういった自由雲台でありがちな水平出し操作の難しさを解決するために、要するに雲台の上にこれを乗っけようとしているのである。スリックの2軸微動雲台「SMH-250」も検討したが、今回はパノラマ回転台としても使えるこっちのベルボン「プレシジョンレベラー」になった。

本来はパノラマや動画撮影のために三脚と雲台の間に入れることを想定した製品だが、今回はそにに入れても意味がない。雲台の上に乗せる。

カメラを乗せるために、INPONのクランプを取り付けようとしたが、クランプのノブがプレシジョンレベラーの水準器やパノラマ回転台回りの構造に当たってしまう。パノラマ回転台の方を回してねじ込めば取り付けは可能だが、プレートを一回転させることができない。プレシジョンレベラーに付属しているゴムプレートを挟んでみたが、やっぱり少し当たる。

しまった。これは想定していなかった。あとで考えよう。とりあえず先へ進む。

使い方1
普通に考えて使い方はこれしかない。

プレシジョンレベラー左側の「アングルストッパー」を緩め、右側の「角度調整ダイヤル」を操作してカメラの傾きをを調整する。プレシジョンレベラーを手に入れる前に疑問だったのは、右側を上げていく機構を完全に下した場合に、丁番の上下はぴったり平行になるのか、微量だけ右に傾けられるのかという点だ。実際のところ、丁番の上下が平行な状態では2ミリ程度の隙間が空く構造になっていて、角度調整ダイヤルが回らなくなるまで下すとほんの僅かに右に傾いた状態になるが、これは右へ傾けられるというよりも丁番の上下が平行になるよう微調整するためのマージンと考えられる。
(上の画像ではINPONのアルカ型クランプの代わりにマンフロットのプレートアダプター394を使っている。これを使うとプレシジョンレベラーの水準器は隠れて見えなくなるが、この使用方法ではプレシジョンレベラーの水準器あまり意味がないので問題は無い。)

使い方2
こっちは不思議な方法で、もしかするとこれが本命かもしれない。プレシジョンレベラーの角度調整ダイヤルは使わない。パノラマ回転台を使う。

三脚をほんの少しだけ前傾に設置し、自由雲台のボール固定ノブを操作して構図を合わせる。三脚を前傾に設置する必要があるのは上下にも水平な構図をとる場合だけ。上向きや下向きになる構図では、三脚を前傾に設置する必要は無い。

この状態で、プレシジョンレベラーのパノラマ回転台と、自由雲台の水平パン軸のロックを解除し、回転フリーの状態にする。

カメラが前方を向いたままになるようにつかんで固定し、もう片方の手で雲台をつかんで左右に少し回転させると、左右方向の傾きを微妙に変化させることができる。
INPONのクランプをゴムプレート無しでプレシジョンレベラーに乗せると、クランプのノブが当たってしまいパノラマ回転台は120度ほどしか回せないが、この操作を行うには十分だ。

雲台部分を左に回転させると、カメラが右に倒れる。

雲台部分を右に回転させると、カメラが左に倒れる。

これは!スリックのフリーターン雲台の水平出し操作に似ている。水平出しの際に緩めるのはパノラマ回転台と雲台の水平パン軸の二か所。雲台ごと水平回転させる動作が左右の傾きの変化に変換されるので、グリスの効いたじんわりとした微妙な操作ができる上に、バックラッシュも生じない。手を放しても倒れる心配が無いので、カメラの重量を手で支える必要がなく、重量のある望遠レンズを装着した場合にも左右方向の微妙な傾き調整をゆっくりと安全におこなうことができる。構図が水平方向にズレることはあるが、これを戻すのはパノラマ回転台で水平方向を修正するだけなので簡単だ。カメラを斜め上や斜め下に向けた構図の場合も、同じ操作で左右の傾きを調整することができる。これ、すごい発見じゃないのか。実は。
ボールヘッドを90度倒して縦位置撮影する場合にはこの方法が使えないが、Lブラケットを使用するならこの方法のままいける。(※注)
先日開発した新型レベラーと組み合わせることで、自由雲台の水平出しが捗るに違いない。
既にお気づきだろう。これをやるにはプレシジョンレベラーである必要は無い。水平パン軸が独立している自由雲台であれば、パノラマヘッドを乗っけるだけでいい。アマゾンで調べてみたところ、独立した水平パン軸とアルカ型クランプのパノラマ回転台を最初から搭載している自由雲台は、マーキンスとSUNWAYFOTOの製品に存在している。それらの製品では追加部品無しでこの操作ができるはずである。

(注)望遠レンズにベルボンのレンズサポーターSPT-1を装着している場合は、縦位置撮影時にボールヘッドを90度倒すしかなく、この方法での傾き調整はできない。


2018年1月16日火曜日

新型レベラー

これは何だ!? 隠しても仕方がないので正直に言おう。というか、見ての通りの代物でしかない。
スマホカメラ用のマクロレンズに、焦点が合うよう長さ数ミリのボール紙の筒を付け、気泡式の2ウェイレベラーにテープでくっつけてある。

予想通り、こんなふうに使用する。カメラのアクセサリーシューに乗せて肉眼で覗くためのものだ。

覗くとでっかい気泡管が鮮明に見える。これ、相当敏感なので拡大してよく観察することで微妙な水平合わせができる。D850に内蔵されている電子水準器は、以前のものよりはまともだが、感度が鈍く精度に不満がある。それに比べるとこの種の気泡式のものはだいぶ敏感なのだ。最近気に入って使っているUTC-63三脚だが、付属の雲台が自由雲台のため水平出しが大変で、それが少しでも楽になるようにこのような新型デバイスを開発する必要があった。要するに、自由雲台で構図を決めた後、ファインダーの視野枠や格子線の近くに被写体の水平の目安になる部分が無い場合に、これを使って水平を合わせるのだ。

今回開発した拡大レンズ付きレベラーだが、使ってみるとかなりいける。精度はファインダーを覗きながら格子線を水平線に重ねて調整するのと変わらない。D850のライブビューにある二点拡大の機能では、更に厳密な水平出しをすることができるが、夜景や白バックの物撮りなど被写体に水平・垂直の目安になる部分が無い場合にはやはり原始的な水準器が役に立つ。
ただ、やってみてわかったが、望遠レンズは無理だ。水準器をのぞいて水平を合わせても、ファインダーに戻ると構図が大きくずれてしまっている。自由雲台なら構図を合わせてから三脚座リングで水平出しすれば済む話だが、レンズサポーターSPT-1を付けているためにそれができないという変な事態が発生してしまった。