2019年2月24日日曜日

ヨンサンハチロク(その2)

Zoom-NIKKOR Auto 43-86mm F3.5(1966-1971)の写りを見てみよう。ファインダーを覗くとレンズが青味掛かっている。同年代のオートニッコール、Nikkor-S Auto 35mm F2.8(1967-1971)を持っているが、そのレンズも同様でガラスが青い。

 f=43mm F3.5
ワイド側で撮影した画像だが、タル型の歪みがすごい。Capture NX-Dは非CPUレンズの歪曲補正ができない。Lightroom Classic CCでゆがみ補正した場合は+20程度の値になる。

f=43mm F3.5
こういう感じの構図だとディストーションは分からない。

f=43mm F3.5
こういう構図はレンズに負担(?)が少ないようだ。

f=43mm F3.5
むむむ。これはすごい。ワイド側絞り開放だが、画面真ん中の一部分以外はボケボケだ。

f=43mm F8
F8まで絞るとクリアーになる。「国産初の標準ズーム」であるこのレンズを「ニッコール千夜一夜物語」では、その描写を「実用的な写り」と表現している。

f=43mm F3.5

f=43mm F3.5

f=86mm F3.5
テレ側(86mm)開放にて。軸上色収差というよりもこれはパーフリだろうか。いい味を出しており、なんとも幻想的だ。

f=43mm F3.5

f=86mm F3.5
これ不思議に思ってExifを確認してみたが、開放に間違いない。きれいに写っている

f=43mm F8
順光で絞り込めばそこそこよく写るが、このレンズは絞ったら負けのような気がする。

f=60mm F3.5
「ニッコール千夜一夜物語」には、「このレンズは焦点距離50~70mm、撮影距離3メートル前後で最良の描写になるよう設計されており」という記述がある。上の画像がちょうどそのくらい。

f=86mm F3.5

週末の二日間、Zoom-NIKKOR Auto 43-86mm F3.5を使ってみたが、非常に手強いレンズだ。描写には独特な味があるものの、最短撮影距離が1.2mという制約がなんとも辛い。

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