2010年9月27日月曜日

AF-S NIKKOR 24-70mm F2.8G ED 調整後テスト

「AF精度点検の結果、前ピン傾向が確認されましたのでAF精度の再調整をいたしました」との事で戻ってきた、AF-S NIKKOR 24-70mm F2.8G EDをチェックしてみる。調整前の状態と比較するために、今度こそちょうど一週間前と同じ時刻に同じ場所へ行き、画像を撮影してきた。



全体画像


f=28mm 絞りF2.8開放 中央のフォーカスエリアで位相差AFした場合
画像中央部の拡大
 
調整前
調整後


f=28mm 絞りF2.8開放 中央のフォーカスエリアで位相差AFした場合
位相差フォーカスエリアの右端に相当する位置の拡大)
 
調整前
調整後


調整前後の違いが微妙で画像での説明が困難なので、個々の画像については割愛してしまおう。調整後の状態を言葉で説明するとこんな感じになる。

・24mm時、コントラストAF使用時の画質は調整前と変わらない。AF精度調整は位相差AFに対するものと考えられ、コントラストAF時の挙動は変化しないのだと思う。

・24mm以外の焦点距離で、フォーカスエリア位置毎の位相差AF精度は不明だが、少なくとも70mm時には問題はない。

・位相差AFの精度が変化した。24mm開放時、左端または右端のフォーカスエリアを使うと激しく後ピンになり、中央も含め画面全体がピンボケになる。しかし、中央のフォーカスエリアでは以前と同じく正しいピントが得られ、絞り開放時などはむしろ、以前よりシャープになっている気がする。

・位相差AFで中央のフォーカスエリアを使ってピントを合わせた場合、絞りF2.8開放時、画像中央部から周辺部にかけてピントがきている範囲がやや広がっている。

・位相差AFで中央のフォーカスエリアを使ってピントを合わせた場合で絞り込んだ場合(F5.6~F11)の周辺画質が向上している気がする。

結論としては、24mm時の位相差AFでは中央のフォーカスエリアしか使うことができないものの、位相差AFで中央のフォーカスエリアを使う限り、開放でも絞り込んでも以前より良い結果が得られるようになった。像面湾曲や収差などというものはそのレンズの特性というか性能の限界なのであって、ちゃんと製造されていればそれ以上どうしようもない種類の問題である。そして、それなりに実に絶妙で実用上妥当な調整がなされて返却されたことが判明した。工場の方が誠意をこめて一生懸命調整してくれたそのお返しと、依頼した者の責任として、一週間前と同じ時刻に同じ場所へ向かい比較画像を撮り、調整結果をよく噛み締めた事をここにひそかに報告する。
 単にこういうことだと思う。

Exiftoolを使って-FocusDistanceのタグを調べてみた。24mm時、位相差AFでセンターのフォーカスエリア(C6)を使って無限遠の被写体を測距した画像のFocus Distanceタグの値は、調整前で最大で「3.35m」だったものが、調整後は「5.01m」に変化していることがわかった。また調整後、左右端のフォーカスエリア(C1/C11)での無限遠のFocus Distanceタグ値は「6.68m」となっている。そのまま「6.68m」の状態でF5.6まで絞ると中央にもピントがくるが、この場合の中央・周辺画質は、5.01mでF5.6に絞った場合よりも良い気がする。つまり無限遠でF5.6以上に絞り込む場合、中央のフォーカスエリアよりも左右端のフォーカスエリアを使った方が良い結果が得られる気がする。今回は正確に比較するための画像がないので、この点については今後テストしてみよう。

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