マーキンスのQ3は同社のQシリーズの中では一番コンパクトなタイプで、Q3iTRPsは上部にパノラマシューが搭載されたモデルになる。現在メインで使っているQHD-S6Q+MENGS PAN-C1 の組み合わせをこれに換装することで、上部パンの固定力・クランプの強化および、雲台全体の高さを抑えることを目論むものである。マーキンスの自由雲台は耐荷重の大きさと固定力の強さが特徴で、パノラマシューの機構も「Double Disk Lock」などと命名されており、とくに構造が明らかにされていない一般的なパノラマクランプよりも見た目がごついことからそれなりの固定力が期待できる。クランプの機構は「クイックターン・ノブ」と命名されており、少ない回転でクランプの開閉ができるようになっている。
メインの固定ノブ・下部水平パン固定ノブともに、締め込んだ際のズレがほとんど無い。剛性が高く、締め込んでからカメラから手を離した際のバックラッシュもほとんど無いので、構図が一度でピタリと決まる。巷で言われている通り、下部水平パンの固定ノブが小さくやや強めに締める必要がある。許容できる程度とはいえ、メインの固定ノブが軽い操作で強力に固定できるのに比べると少しバランスが悪い。その構造にDouble Disk Lockと命名されている上部のパノラマシューは、単体で3万円近くの値が付いているパーツだけに、水平パン固定ノブを緩めても上下にガタが出ることも無く、締め込んだ際のズレも無い。パンの固定力も十分だ。クイックターン・ノブと命名されたクランプは、少ない回転で開閉操作ができ、締め付けも安心感がある。クランプ側の脱落防止ピンはスプリング付きで引っ込むタイプで、メーカーの異なるプレートでも取り付けに干渉することはない。ただし、 クランプよりも幅が小さくプレート側に脱落防止ピンを持つプレートはそのままでは装着できず、プレート側の脱落防止ピンを外す必要がある。