2010年6月17日木曜日

ケンコー 18%グレー標準反射板

ストロボ使用時や室内でホワイトバランスを設定するのに使おうと思い、こんな物を入手した。

¥2,188(税込:Amazon) 

以前、店頭で見てそのグレーの色合いに不安を感じたのだが、届いたものを見るとやっぱりなんとなく疑問がある。これは本当にグレーなんだろうか?
チェックしようにもカラーメーターなどは持っていないのでどうやって測定したらいいのかわからない。とりあえず、これの反射光が光源の色と同じなら良しとすればいいのではないだろうか。まず、光源の光でWBをセットし、その光でケンコー18%グレー標準反射板を照らし、撮影した画像のRGBバランスを比較してみる。作業中、View NXでヒストグラムを観察しているときに気づいたのだが、ピクチャーコントロールが[SD:スタンダード]の場合、RAW画像表示時と、Jpegへ変換した後とではヒストグラムに若干の違いが生じることがわかった。以下の比較はピクチャーコントロールは[NL:ニュートラル]を使用、View NXでのファイル変換も行わずにカメラ内Jpegの画像を使って行った。

下が光源(ライトボックス)をD700で撮影した画像。フリッカーの影響を避けるために絞り込んでスローシャッターで撮影。撮影した画像の真ん中あたりの一部範囲に、フォトショップで「ぼかし-平均」フィルタをかけ、スポイトツールでRGBの値を測定した。これでWBをセットしたのでRGBの値は一応同じになっている。
R 141
G 141
B 141

次に、ライトボックスの光を使って、ケンコー18%グレー標準反射板のグレー面を撮影。ヒストグラムの幅が広がっているがこれは色味とは直接関係なく、布面のヨレや配光ムラなどによって多少のグラデーションが生じたものと思われる。スポイトツールで測定したRGB値をみるとBの値が高い。これでWBをセットすると僅かな黄色かぶりが生じることになる。
 
R 157
G 158
B 162

次は、同じ方法でケンコーの白い面を撮影したもの。値としてはBが僅かに多いが、これが有意な差なのかどうかは不明。ほぼ均等と言えばそうなのかもしれない。
R 153
G 154
B 157

結局のところ、これがニュートラルグレーなのかどうかは良く分からない。ほぼグレーなのには間違いないが、ほんの少し青っぽいのかもしれない。ただ、光源に使ったライトボックスの演色性にも左右されるだろうし、すべてスローシャッターで撮影したものの蛍光灯なのでフリッカーの影響が無いとも言えない。スポイトツールでRGB値を拾う方法も微妙だし、ピクチャーコントロールのNLが本当にニュートラルなのかも分からない。要するに、厳密にはよくわからない。多分実用上問題ないんだろう。そして、商品の説明書をもう一度よく見たところこう書いてある。
被写体位置からグレー面をカメラ側に向けてTTL測光するだけで、その場の標準露出を測定することができます。片面は花の撮影などに欠かせない『白レフ板』として活用することができ、またホワイトバランスの調整用としても使えます。 
つまりグレー面がホワイトバランスの調整に使えるとはどこにも書いてない。そうか。そうだったのか。ホワイトバランスの設定は白い面を使うのが正しいようだ。

それでは気をとりなおして、グレー面が本当に標準反射板になるのか確認してみよう。
窓からの光が当たる場所にケンコー18%グレー標準反射板を置き、同じ場所で3種類の露出計で測ってみる。セコニックのスタジオデラックスは伝統的な入射光式露出計だ。本来は玉を変えて反射光も測定できるのだが、俺のは玉をはめこむ穴の縁にヒビが入ってしまい、アロンアルファで玉を接着してしまったため交換することができない。反射光の測定には別の露出計、セコニックのオートリーダーを使用。オートリーダーはカメラと同じ方向から標準反射板へ向けて測定。D700のTTLメーターは、標準反射板のグレー部分をスポット測光した。
スタデラとD700はちゃんと値が一致する。標準反射板としての機能は問題ないようだ。反射光式のオートリーダーだけ一段オーバーになる値を示したが、このオートリーダーはずいぶん古いものなので、一段狂っていても不思議は無い。
デジタル一眼レフでは撮影後すぐに画像やヒストグラムが確認できるので、標準反射板が必要になる場合は少ないと思うが、TTL調光でフラッシュ撮影をする場合にこれを使ってFVロックするのも便利な使い方だと思う。


※あと、今さらながら気付いたことが。白レフと標準反射板の両方に使えるが、両方同時には使えない。よく考えると当たり前だが、白レフをあてた状態でグレー面を使って露出を測るにはこれが2枚要る。

0 件のコメント: