2020年12月22日火曜日

Nikon Z7II+NIKKOR Z 24-70mm f/4 Sにて(渋谷スカイ)

Nikon Z7IIとNIKKOR Z 24-70mm f/4 Sの試し撮りをしよう。「渋谷スカイ」は要するにビル屋上にある展望台だ。展望台のWebチケットを購入し、ついでにCokinの角形フィルター用の「ワイドアングルホルダー」が欲しかったので渋谷のビックカメラに取り置き予約してから出発。

(Capture NX-D 露出補正:-0.56, シャープ:半径=2, 適用量=100)
(Photoshop ACR:露光量:-0.5, シャープ=68, ノイズ低減=69, カラーノイズの低減=25
スマートシャープ:量=500%, 半径=0.4px, 除去=ぼかし(ガウス))

NIKKOR Z 24-70mm f/4 Sの画質について

元サイズの画像を全部リンクすると大変なので一部の画像だけリンクした。「NIKKOR Z 24-70mm f/4 S」の画質については「周辺部までシャープだ」と言われているが、自分の目で確かめてみる。メーカーが言うように、確かにズームの焦点距離にかかわらずワイド側からテレ側まで周辺部はシャープで、画面中央部との解像力の差は小さい。細部の解像は、一見線が太目に見えるがちゃんと解像していて、細部の雰囲気は従来のFマウント単焦点レンズ「AF-S NIKKOR 50mm F1.8G」や「AF-S NIKKOR 35mm F1.8G」と似ている。それらのFマウント単焦点レンズの周辺解像力については、ある種のあきらめを持って評価せざるを得なかったが、「NIKKOR Z 24-70mm f/4 S」は良像範囲が広く、少なくとも画面の水平方向については端から端まで問題は無く、対角方向の四隅でも解像力の低下は実用上無視できる範囲であるように見られる。
 なお、Z7IIのカメラJPEGはD850よりも解像感があり、カメラJPEG生成時の輪郭強調の半径がD850よりも小さく設定されているように思える。Z7IIのRAWファイルをCapture NX-Dに読み込ませ、カメラJPEGを上回る解像感にするためにシャープのパラメータを探ったところ、ピクチャーコントロールの輪郭強調をゼロにしたうえで、シャープのパラメータは半径=2・適用量=100程度にするのが適当なようだ。この値は、D850で「AF Micro-Nikkor 55mm f/2.8」などの最もシャープなFマウントレンズを使った場合と同程度だ。上の3つ目のダウンロードリンクは、Photoshop(Adobe Came Raw 13.1.0.658)でRAWファイルを読み込み、スマートシャープを適用したものだ。ここまでやるとシャープを掛けすぎかもしれないが、交差点を行き交う人々と長い影が克明に浮かび上がり、興味深い画像になった。Capture NX-Dでもこのくらい出来たら良いのに、と思う。なお、この画像は室内展望フロアからガラス越しの撮影である。


Z7II ピクチャーコントロールの彩度について

ピクチャーコントロールは[SD]スタンダードを使っているが、Z7IIの[SD]スタンダードはD850の[SD]スタンダードの感覚からすると彩度が低いように見える。Z7IIは、Z7から画作りの変更は無いはずなので、彩度が変わったとしたらExpeed 6からということになるが、Expeed 6の説明には彩度の変更などといった情報は無く、Z7/Z6の発売からもだいぶ経っているが、彩度が低いという話も聞いたことが無い。Z7IIの彩度が低いように感じるのは気のせいだろうか? Lightroomのカメラプロファイル「カメラ標準」でZ7IIのRAW画像を開いてみたところ、カメラJPEGよりも彩度が高く表示され、ここでの違和感はない。ただ、Adobeの「カメラ標準」はニコンの[SD]スタンダードを模してはいるが、カメラJPEGやCapture NX-Dと発色が同じとは言えず、青空や枯葉などはニコンの純正画像よりも少し原色寄りで鮮やかに見える傾向が以前からあり、Z7IIの彩度が低いと感じるのが気のせいかどうかを判断するには、Z7IIとD850で同じ被写体を撮り比べてみるしか方法がない。

自動ゆがみ補正について

Nikon Z7IIとNIKKOR Z 24-70mm f/4 Sで撮影したRAW画像を最新バージョンのCapture NX-D(1.6.4 Mac)で現像した場合、自動ゆがみ補正が適用されない場合がある。このレンズは、カメラ側の設定やCapture NX-D内では自動ゆがみ補正を任意で「非適用」にすることができない仕様だと思うが、ズームの50mm~テレ側70mmで撮影したものは、ゆがみ補正が適用されない(あるいはカメラJPEGとは適用量が異なる?)画像が出力されてしまうようだ。なお、Lightroomの場合もレンズプロファイルによるゆがみ補正の有効・無効は選択できず、「内蔵のレンズプロファイルを適用しました。Nikon Z 7 2 NIKKOR Z 24-70mm f/4 S この RAW ファイルには、ゆがみ、色収差および周辺光量補正用の内蔵されたレンズプロファイルが含まれています。 プロファイルは既にこの画像に自動で適用されています」と表示され、やはりゆがみ補正を任意で非適用にすることはできない。Lightroomで出力された画像を見ると、カメラJPEGとのズレはほぼ無いので、カメラJPEGとLightroomでは自動ゆがみ補正が効いているとみられる。










展望台のあるビル(渋谷スクランブルスクエア)。絞りF4開放ながら、周辺部まで見事な解像力。







ワイド側の画像だが、完全な逆光で太陽がフレーム内に入っているものの、暗部にコントラストの低下は見られず、素晴らしい逆光耐性と言える。僅かなゴーストが見られるが極めて優秀な部類だろう。なお、このレンズにはプロテクター(HAKUBA XC-PRO 72mm 反射率0.3%)を装着している状態なので、フィルターを外せばゴーストの数は減る可能性がある。

テレ側の画像。こちらも見事なコントラスト。



共通データ:
Nikon Z7II,NIKKOR Z 24-70mm f/4 S
Capture NX-D 1.6.4(Mac)
ロスレス圧縮RAW(14bit)
ピクチャーコントロール:[SD]スタンダード
彩度+1 輪郭強調=0
シャープ:半径=2・適用量=100

おまけ:木星と木星が大接近している
スコープテック ラプトル60 f=750mm 直焦点
Nikon D850 ISO1600 1/2秒(中央部をクロップ)

現在、木星と土星が大接近していてこの日は最接近日だった。方角的に隣のビルに隠れてしまい、自宅からの観測はあきらめていたが、ちょっとだけ見えたので急いで撮影した。高度が低くシーイングが悪い。像がぼやけていて土星の環が見えないが、木星と土星非常に接近している珍しい現象をこの目で観測することができた。

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