2021年2月14日日曜日

フリーターン雲台 再び

この前手に入れたスリックのGOODMAN三脚に付いていたフリーターン雲台が面白かったので、あれより大きい物を入手してみた。 


SLIK フリーターン雲台
中野区F店 用品館:1,100円(中古)

正確な製品名は不明だが、スリックのマスターブラック三脚、あるいはマスタークラシック三脚に付属していた雲台と同じものだと思われる。サイズや重量は現行のマスターデラックス雲台とほぼ同じと見られ、この旧タイプのものは上部のターンテーブル(カメラ台)は丸形になっている。一般的な国産三脚用雲台と同じく、雲台底部は小ネジ(UNC 1/4インチ)になっている。上部のカメラネジは小ネジのダブルナット式だが、アルカ型のクランプを載せて使おう。

NEEWER 55mmスクリューノブクランプ 50mmクイックリリースプレート付き 三脚ヘッド用
Amazon:1,899円

NEEWERのクランプは初めて使うが、加工精度も機能性も悪くない。以前から使っているINPONの安いクランプも実用には十分だが、今買うならNEEWERのこれはおすすめできる。Amazonの商品写真を見た感じでは、ノブの太さがクランプの厚みに収まっているように見えたが、届いた品物を見るとノブはクランプの厚味よりも僅かに大きい。
仕方ない。ワッシャーを入れるしかない。そのままではターンテーブルを回すとクランプのノブが雲台に当たってしまう。
合体完了。クランプはレバー式の物やノブが長いタイプの物も検討したが、良い物が無かった。

縦位置撮影について

縦位置撮影をおこなう場合、雲台を倒しターンテーブルを回転させる。左右どちらの方向へも倒すことが出来る。


しかし、現代的にはLブラケットを使うのが一般的だろう。

水平出しについて

この雲台はパン棒を緩めたときに上下方向と水平方向が同時に緩むのではなく、先に水平方向だけが緩むようになっている。これを利用して、雲台の水平方向と上部のターンテーブルを緩め、カメラに手を添えてパン棒を左右に振ると、左右の傾きを微妙に変化させることができる。これが出来るのは、三脚が傾斜して設置されているか、水平線が構図の真ん中よりも上下にある場合に限られる。三脚がほとんど水平に設置されていて、水平線が構図上下の真ん中にある場合はこの操作をしても傾きの変化はほとんど無い。その場合カメラは既に水平になっていると言えるが、水平の微調整を明示的に行いたい場合は、三脚を僅かに前方(または後方)に傾けるよう脚の長さを調整すればいい。とはいえ、屋外ではたいていの場合、三脚は僅かに傾いているか水平線が構図上下の完全に真ん中ではなかったりするので、パン棒を左右に振るだけで傾きを変化させることができる場合が多い。
フリーターン雲台について、「一度水平を出してしまえば、上部のターンテーブルを使って水平方向に移動する被写体を追うことができる」と説明されている場合があるが、これはあくまで前後方向にも水平な場合(水平線が構図上下の真ん中にある場合)のみで、仰角が付いている場合に上部のターンテーブルを回転させるとカメラは傾いてしまう。また、風景写真では水平線の位置を上下に変えて複数パターンの構図を撮影することも多い。この雲台の場合、水平出し後に上下に構図を変えようとすると、一度パン棒を手前に戻し、構図を上下に変えた後、再度水平出しを行わなければならない。「慣れれば扱いやすい」と言われるフリーターン雲台だが、一般的な3ウェイ雲台や自由雲台の方が直感的に操作しやすいのは明らかで、フリーターン雲台の操作方法はあくまで独特である。1960年代に登場し現在まで生産されている歴史ある雲台だが、その独特すぎる操作性と訴求ポイントの微妙さにより、あまり普及することはなく、今日ではもはや忘れられつつある不思議な雲台である。

0 件のコメント: