2008年6月18日水曜日

ペンFの描写

ペンFで撮った写真の主な特徴は、明るい38mmレンズの描写とボケだと言ってもいいだろう。レンズの焦点距離や開放F値はペンDシリーズに搭載されている物とさほど変わらない*。しかしペンFとペンDでは撮れる絵が全く違う。これはカメラの構造の違いによって、写真の撮り方そのものが大きく異なるからだ。距離計もなく、最近接撮影距離も80cm止まりのペンDでは、大抵はこの明るいレンズをわざわざ絞りこんで中距離~遠距離の被写体を撮影することになる。また、ペンDのアバウトなブライトフレーム式のファインダーでは、シビアなフレーミングはままならず、おのずと引き気味でつまらない絵にならざるを得ない。一方、一眼レフであるペンFでは、この明るいレンズの開放付近をフォーカシングの面でもフレーミングの面でもストレス無く使うことができ、他のハーフカメラでは偶然でしか撮れないような精密な写真をじゃんじゃん撮ることができる。
この38mmレンズは、口径食や同心円状のボケ味が、古いレンズらしい柔らかい雰囲気を持っている。フィルムで撮るのは何かと面倒だし、すぐに画像を見ることもできない。デジカメでこういう味が出せればそれに越したことはない。このところペンFばかりなので、D80にオートニッコールでも付けて出かけてみようか。

*PEN-D2の場合、F.Zuiko 32mm F1.9 が搭載されており、PEN-F用 F.Zuiko 38mm F1.8 よりも若干広角とは言えるが、画角や開放F値は大差ないと言っても差し支えないだろう。

0 件のコメント: