2009年3月21日土曜日

印画紙ピンホールカメラ

俺には暗室が無い。だが、そのうち風呂場や洗面台付近で大四切程度のプリントをする計画だ。とりあえず、小さな暗室作業ができるかどうかを確認するために、印画紙を使ったピンホールカメラを作ってみることにした。印画紙現像するための道具が無いので、バットや薬品を少し買って来た。

今回買ってきたもの
4x5フィルムホルダー ジャンク品:315円/1枚
x 2個(中野F店J館)
印画紙現像用バット(大キャビネ):189円 x3(秋葉原Y店)
竹ピンセット3P:346円(秋葉原Y店)
D-72タイプ印画紙用現像液 ハイデナール1L :94円(秋葉原Y店)
90%酢酸:493円(秋葉原Y店)
白黒印画紙 フジブロWP FM2(キャビネ判):1380円(秋葉原Y店)
ELPA 7W赤色電球:168円(Y電気)

ピンホールカメラの材料
紙箱・書道フェルトなど(各100円:ダイソー)



セーフライトにはただの赤い電球を使う。親子電球のようなオレンジ色ではなく、完全に赤色だ。写真用ではないが、フジブロ(単階調紙)の場合、電気コタツでも大丈夫なのでこれでも問題ない。
昔使っていた、東芝の「写真用親子電球」は既に製造中止で、店頭では入手できなかった。親子電球は、ソケットにねじ込んでいくと、最初に暗いフィラメント(子)が点灯し、更にねじ込んでいくと明るい方のフィラメント(親)が点灯する構造で、「親」は本来、利根のような密着印画紙用で、引伸用には暗い方の「子」を使うことになっている。子はかなり暗いため、俺は引伸用にも明るい方の親モードを使っていた。1.5mぐらい離して使っていた限りでは、RC紙・バライタ紙ともカブリを起こしたことは無かった。なお、多階調紙にはちゃんとしたセーフライトとガラスを使うべきだろう。

ピンホールカメラは、紙箱に穴を開けただけなので、製作工程は割愛する。4x5フィルムホルダーを差し込むことができ、三脚座金を装備している。シャッターは無い。ホルダーはもちろんフィルム用だが、サイズが合えば印画紙でも難なく挿入できる。厚手のバライタ紙などではどうだか分からない。はがきサイズの印画紙なら、長辺方向のみ127mmにカットすればいいのだが、あいにく店に無かったのでキャビネ判の印画紙を購入。これをセーフライト下で4x5インチ(102 x 127mm)サイズにカットし、フィルムホルダーに装填する。今回はホルダーが2枚あるので、4枚を装填可能。


印画紙のISO感度は一桁だと言われている。ピンホールカメラでは、ISO 6として撮影するのが一般的らしい。ピンホールは穴の直径0.2~0.3mmを目標にアルミホイルを針で突いたものだ。適当に作ったものなので、正確な直径は不明。ピンホールをD700のマウント面に取り付け、ヒストグラムを見ながら撮影してみたところ、F128程度のようだ。箱カメラの焦点距離もD700のフランジバックと似たような長さ(4~5cm)なので、撮影時もISO 6, F128として露光時間を決めることにした。

15年振りの印画紙現像だ。フィルムの場合、現像時間で濃度が変わるが、印画紙の場合はもうこれ以上黒くならないというところまで完全に現像する。バライタ紙の場合、現像で押しまくることによって黒を引き締めるのだが、今回はRC紙なので1分30秒ぐらい。もっと薄いか濃いかのどちらかを覚悟していたが、意外にも露出は適正に近いようだ。印画紙が乾いたら、スキャナで反射原稿として読み込み、トーンを反転させれば簡単にポジ画像を得ることができる。この方法では左右鏡像になるので、左右を反転させれば正しい画像が得られる。印画紙のラチチュードは思ったより広く、ネガにはハイライトのトーンもしっかり写っているが、濃度が高すぎてスキャナでは読み取ることができない。暗部のトーンは良好だ。ハイライト付近の階調を優先するなら撮影時の露光を控えるか、印画紙をもっと軟調に現像する必要があるかもしれない。ともあれ、漏光やセーフライトによるカブリもなく、初回の割には良い画像が得られた。




撮影地:港区台場, 天気:曇り~晴れ
焦点距離:約45mm
F値:F128(推定)
フジブロマイド2号紙
露光時間:晴天順光 10秒 / 曇天~日陰 30~60秒

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