2020年10月11日日曜日

AZ-GTi マウント赤道儀モードとPolar Scope Align Pro

AZ-GTiマウントの赤道儀モードをセットアップしてみよう。AZ-GTiマウント用のファームウェアはSky-Watcherのサポートページからダウンロードできる。「Windows program:Motor Controller Firmware Loader」と「Firmware:AZGTi Mount, Right Arm, AZ/EQ Dual Mode」をダウンロードし、AZ-GTiマウントとWindows PCがWiFiに接続されている状態でMotor Controller Firmware Loaderを起動し、ダウンロードしたファームウェアのファイル名を指定すれば十秒くらいで更新が完了する。ファームウェアの更新後は、SynScanアプリからAZ-GTiマウントに接続した際に、経緯台モード・赤道儀モードを選択することができるようになる。AZ-GTiマウントを赤道儀モードで使う場合、経緯台モードにおける方位軸が赤経軸になり、望遠鏡やカメラは経緯台モード時の高度軸(赤緯軸)の右側に取り付ける。AZ-GTiマウントは赤経軸を北極星に向ける格好で、三脚に傾けて取り付ける必要がある。これにはスカイメモS用の微動雲台が使われる場合が多いようだが、とりあえず写真用の自由雲台で代用してみよう。赤道儀モードで運用するには、カメラや望遠鏡の重量に釣り合うよう、バランスウェイトが必要になる。バランスウェイト用のシャフトやウェイトは、市販の物は意外に高価なため、シャフトはM12の長ボルトで代用し、ウェイトは手製の物を取り付けた。このバランスウェイトは、百均の蓋付き缶にM12ナットを仕込み、防水パテと鉄の木ネジを詰め込んだものである。重さは600g弱で、もっと重いレンズを使う場合やカメラの下に自由雲台を入れる場合にはこれでは足りないので、シャフトを伸ばすかもっと大きなウェイトが必要だろう。



SynScanアプリの接続画面

ここではAZ-GTiマウントのステーションモードを有効にし、AZ-GTiマウント・iPhoneとも自宅のWi-Fiアクセスポイントに接続している。AZ-GTiマウントはステーションモードとAPモードを同時に有効にできるので、AZ-GTiマウントのSSIDに直接接続することもできる。

iPhone用の「Polar Scope Align Pro」というアプリを使って極軸を合わせる。これ、370円の有料アプリだが、ポータブル赤道儀の極軸合わせにはよく使われているようだ。L字型のブラケットとiPhoneを使って極軸を合わせた雲台に、AZ-GTiマウントを載せる。


Polar Scope Align Proのホーム画面

十字を真ん中に合わせるだけで極軸合わせができる。

このPolar Scope Align Proは各所で紹介されているが、iPhoneのコンパスは周囲の環境の影響を受けて狂いやすいので、実用的な精度があるかどうかは良く分からない。仰角は傾斜センサーなので大体合っているだろう。この後、SynScanアプリでアライメントの操作をすることになる。

SynScanアプリのアライメント画面

差し当たり、AZ-GTiマウントにラプトル60望遠鏡を載せて月や惑星を観察するだけなら、経緯台モードで十分だ。また、構図内に地上の風景が入るような星景写真やタイムラプス動画の撮影にも、地平との並行を保って追尾できる経緯台モードの方が適しているように思う。赤道儀が必要なのは、長時間露光時の視野回転が問題になる星野写真というジャンルだろうが、いずれにせよ夜空の明るい市街地では長時間露光は無理で、赤道儀モードの出番は無いかもしれない。

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