2008年3月14日金曜日

今度はPEN-F 315円 レンズも315円

もう訳がわからない。あり得ない。先週に引き続きものすごいことになってしまった。そう、F3HP&25-50mm/F4を5250円で見つけた、あのお店だ。なんとあの箱にまだ凄いものが!
ちょいと暇つぶしに、またもやあのお店へGo。外人にまぎれてジャンク箱を物色。数秒後、古いコンパクトカメラ風の黒いハードケースを発見。315円だって。TRIP35かそんなもんだろう。一応、開ける。パカッ!
ぺぺ…PEN-Fじゃないか!憧れのFの華文字ぐはー!なんてこった。もう動いても動かなくてもいい。こいつは俺のだ。絶対離さないもん。しゃがんだ膝の上にしっかり抱え込む。といっても、戦う相手はいない。さっきの中南米系の人達はエレキギターやビデオカメラに興味があるようだ。この箱には見向きもしない。さらに箱をゴロゴロすると、細身のレンズケースが。間違いない。パカッ。Fの華文字!100mm F3.5だ。 フードもキャップもついてる!これも315円だ。うぐぐ。手が震える。こいつも離さんぞー。F3の後、もう来るのはやめようと思っていた。今日来てよかった…。もはや笑い泣き状態だ。更に物色するもめぼしいものはセコニックのスポットメーターぐらいか。1200円か。うーん。掘り出し物には違いないが、今回は箱に戻そう。今日はこれぐらいで許してやろう。
もう信じられん…。とにかく帰宅。

Olympus PEN-F 38mm F1.8 ケース・キャップ付き , 100mm F3.5 フード・キャップ・ケース付き
全部で630円。
PEN-Fは巻き上げレバーが動かず、ミラーアップしたままで、シャッターも切れない。巻き戻しボタンも押し込まれたままだ。外観はきれいだ。水没や分解の跡も無い。38mmはクモリが少々。100mmはカビ少々。今回は手ごわい。中でなにか引っかかってるか、部品が壊れているか…。ファインダーは真っ暗だ。ミラーや絞り込みレバー等をいじってみるがミラーが戻らない。これは駄目か。
いくら315円だとしても、品物の価値を考えれば、おいそれと革をはがしたりできない。できれば分解などしたくない。ミラーの機構にアクセスするには軍幹部より底蓋だろう。底ブタを外して観察。動きそうな部品をチョンチョンしてみる。うーん。更にチョンチョンしてみる。…カチャ。
やった!ミラーが戻った!
とりあえずファインダーをのぞく。うーん。見える見える。昔、スクリーンの上をダニが歩いているPEN-Fを見たことがある。こいつはスクリーンはきれいだ。ミラーもピカピカだ。接眼レンズは少しクモリがある。
巻き上げてチャージするとシャッターが切れる。やった。生きてる。またミラーが引っかかった。しかし今度は手で押してやるとリターンしてくる。おお。直ってる。うーん。レンズを付けると絞り込みの力が足りないようでシャッターが切れずミラーも完全にアップしない。もし不具合がこれだけならかなりの軽症だ。
赤枠のあたりの部品が絞り込みレバーと連動している。ここら辺にグリスをつけてみる。うん。いい感じだ。シャッターが切れる。ミラーもクイックリターンしてる。最初の頃は、低速ガバナーが渋かったが、いじっているうちにだんだん調子が出てきた。1秒も大丈夫だ。よしよし。
しかし、依然としてレンズを付けるとシャッターが切れない。38mmレンズの絞りが粘っている。

ピンセットをカニ目に引っ掛けて後玉を外し、可動部リングの古いグリスや、絞り羽根に滲んだ油をベンジンで拭く。しかし届く部分はほんの一部だ。絞りの後ろの面になるレンズがクモっていたのでついでにレンズクリーナーで拭く。コーティングがちょっとやられているが、こんなの当たり前程度だ。組み戻してみると、絞り込みレバーは軽くなっている。レンズ単体で絞り込みレバーをカチャカチャするとスムーズで問題なさそうなのだが、シャッターの裏からのぞいて切ってみると、幕が開いている時には絞り込みが完了していない。レンズ側のリングを清掃したのでカメラ側のパワーで絞り込みレバーを押すことが出来るようになり、シャッターは切れるようになった。しかし
絞り羽根自体はカメラ側のパワーで絞られるのではない。羽根は元々弱いスプリングで絞る方向にテンションが掛かっていて、リングに取り付けられた少し強いスプリングが、それを押し開いて開放状態にしている。カメラがリングのスプリングを更に強い力で押し戻して、羽根が自分の力で絞り込んでいく仕組みだ。リングの粘りと羽根の粘りは別物なのだ。絞り羽根は、開口部の片面しか清掃できなかったので、粘りが残っているのだろう。前面からのアクセスを試みたが、前玉を外すことができない。ラッパ状の部品を回すように思えるが、切り欠きはあるが大きなレンチもコンパスもない。分解順序も分からない。ゴムを当てて回せばいいのかもしれないが、ちょっと危険だ。残念だが今回はやめよう。開放でしか使えないのか…いや待てよ。PEN-Fレンズは、OMレンズと同じようにプレビューボタンがレンズ側にあるのだ。こいつを手動で押し込んで、絞り込んでからシャッターを切ればいい。
もう一本の100mm F3.5の方は、絞羽根自身のスプリングのパワーを完全に開放するまでに必要な、リングの回転角が小さい。リングも羽根も粘りは無いようで、最小絞りでもシャッターに追随する。

いや不思議だ。
俺の欲しいものが次々と現れるジャンク箱。
F3だってPEN-Fだってヤフオクや中古カメラ屋で買えば数万円はするだろう。敢えて買うなんて機会は一生なかっただろうし、そんな値段なら欲しくない。しかし不思議なことにタダ同然の値段で俺のところにやってくる。何故だろう。

後日ヤフオクで全く同じ、PEN-F,38/1.8,100/3.5のセットを見ていたところ、終了は37,000円だった。

1 件のコメント:

rocky さんのコメント...

いやー!面白かったです!
何か、執念!?のようなものを感じます。

私もまさに、Nikon F3HPを弄っていて、このサイトを見つけました。
F3/Tをつい先日「セカイモン」のオークションで落札しまして、ロサンゼルスから空輸され、届くのを楽しみに待っているところです。

貴殿はカメラに造詣が深い方のようで、楽しく読ませていただきます。