俺は、望遠レンズを使うような趣味とは縁が無いので、望遠といえば運動会専用のMFのAi ED300/4.5sぐらいしか持っていない。135mm程度ならキットレンズDX18-135/3.5-5.6Gのテレ側もある。このレンズはシャープでAFも優れているが、開放F値が暗く、周辺光量不足や発色の悪さは悲惨で、なんの楽しみも無い非常用レンズである。ニューニッコール135/2.8なども無いでもないが、Ai化されていないのでD80には付かない。現在、明るい中望遠としてはもっぱら、AF 50/1.4Dを常用している。先日二千円で入手したMFのAi 80-200/4sが、中々使いやすい焦点距離であることに気付いたが、MFのうえAEも使えない。現在、フルサイズへ移行する計画を着々と進行させているが、AF50/1.4D一本では中望遠域が物足りない。AFニッコールのこのクラスはチープなものばかりで、F4通しのプロズームは用意されていない。現代の高級ズームに手を出せる予算など俺にはあるはずも無いし、あっても貧乏症の俺が買うはずがない。
そこで、今回、F4時代の高級ズーム、AF Zoom Nikkor 80-200mm F/2.8s EDを入手。1988-1992年に作られたものでAF80-200/2.8の中では最初期のタイプになる。参考: ニコンのAF 80-200mm F2.8は4タイプあるそうだ。
こ のレンズ、非Dタイプなのであまり人気が無いようである。AF 50/1.4D並の値段で入手。この頃のコーティングはまだNICだが、レンズ構成(11群16枚3ED)は、その後のAF-Dタイプ (1993-1997)やAF-D(new)タイプ(1997-)と変わらない。Dタイプでないので、SICでもないが、所詮中古品なのでコーティングの仕様なんかよりも、コンディションを心配する方が先である。幸い今回の品は、とりあえずクモリやカビも無く、内部ゴミも許容範囲だ。ピントリングが白く なっている以外は無傷で外観もきれいな品である。大口径の美しい描写と使いやすい焦点距離は、常用にはぴったりのはずであった。
だがこのレンズでかい。うっかりしていた。口径と画角しか考えていなかった。まあ、古いとはいえ、プロクラスの高級レンズである。人に見られたとして恥ずかしがることはない。でも重い。撮る分にはともかく、持ち運ぶには重過ぎる。一応、80-200/2.8としてはNikkor史上最軽量(1280g)らしい。
さて、気をとりなおして、軽くテストしてみよう。
今回比較した3本
AF---AF Zoom Nikkor 80-200mm F2.8s ED (フィルターなし)
Ai---Ai 80-200mm F4s(UVフィルター装着)
DX---AF-S DX Zoom-Nikkor ED 18-135mm F3.5-5.6G(IF)(UVフィルター装着)
テスト雑感
AF Zoom Nikkor 80-200mm F2.8s EDの開放F2.8時は甘い。絞り込んでいっても急激な変化はせず、2段絞ったF5.6で激シャープになり、そのままF16まで変わらずキープ。最小絞りF22ではコントラストが少し低下するが、ひどくもやっとするわけではない。
AF Zoom Nikkor 80-200mm F2.8s EDの80mm時は、シャープさはAF-S DX Zoom-Nikkor ED 18-135mm F3.5-5.6G(IF)に譲る。
AF-S DX Zoom-Nikkor ED 18-135mm F3.5-5.6G(IF)については最新レンズなのでシャープだが、このレンズだけ発色がおかしい(露出も)。以前から気が付いていたが、他のレンズに比べると、全体が青緑掛かっていて暗く、UVフィルターを外すとさらに青みが増し、他のレンズとの色の違いが際立つ。
全体の中ではAF Zoom Nikkor 80-200mm F2.8s EDの135mm F5.6時が一番シャープでコントラストがある。驚くべきは、Ai 80-200mm F4sである。AF Zoom Nikkor 80-200mm F2.8s EDと比べてもほとんど遜色ないどころか、200mm F5.6時のコントラストの高さなど、むしろ勝っている気がする。EDレンズが使われていない分、少しの色滲みが見られるが、ED臭さが無く、UVフィルターが利いているのもあるだろうが、レンズ自体の発色が明るく華やかに思える。Ai 80-200mm F4sの光学系はAF化されなかったが、F4時代にこれがAF化されていたとしたら、今の俺にはベストオブ中古だったに違いない。
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