いかにもカメラが入っています、といった風情のバッグはあまり好きでは無い。普段カメラを持ち運ぶときは、普通のバッグに入れているので、カメラを保護するためにはインナーバッグがあると便利だ。最近は100円ショップのスポンジ袋を使っていたが、以前、裏地の無いスエード製のバッグにカメラを入れていて、実はこれが一番具合が良かった。カメラバッグの内側は通常、がさついたナイロン生地であるものが多い。それに比べ、スエードは柔らかく毛羽立っているので、万一埃や砂粒が入り込んだとしても、表面の繊維がそれらを取り込んでしまうので、カメラやレンズを傷付ける心配が少ない。手垢などの油分を良く吸い、バッグに入れているだけでカメラがきれいになる。しかし良いことばかりではなく、天然素材なのでカビの心配もあり、古くなって洗濯すると埃や粉も出る。スエードに似たものでセーム革があるが、面積あたりの値段が高く、また薄手なのでインナーバッグの材料には向かない。セーム革もまた、乾燥すると粉が出るし、天然素材なのでカビの心配もある。インナーバッグの材料としては、洗車用の人工セーム革が第一候補だったが、それに代わる良い材料を発見した。
東レのエクセーヌというスエード調の人工皮革である。中野の生地屋さんで発見。1メートルで1,780円。ポリエステルのようなものが原料なので、カビの心配は少なく洗濯も可能。厚手なので衝撃吸収力があり、表面の極細繊維は埃や油分を良く吸いとる。スエードやセーム革に比べ乾燥にも強く、布自体から埃や粉も出ない。
非常に立派な生地なので本格的なバッグも作れると思うが、俺にはそこまでの技術が無いのと、内側だけこの素材であれば十分なので、袋状に縫い合わせただけのものを作り、インナーバッグとして使うことにした。使用前に埃取りのつもりで一度洗濯してみたが、柔軟仕上剤を入れたおかげか、がさつくこともなく、元の風合いのままである。
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