RB67のテスト撮影に出かけた。重いカメラだが、荷物はこれ一つなので大丈夫だ。大きな三脚はご免なので小型三脚の代わりにクランプポッドをバッグに入れる。レリーズと露出計も。RB67は面白いカメラだ。引き蓋を抜かないとレリーズできないようになっていたり、フォーカスが前板繰り出しの蛇腹なのに、自動絞りとレンズシャッターのチャージやレリーズが、ちゃんとボディ側と連動するという、この複雑な機構に関心する。見た目が蛇腹なので、無限遠なんて適当なのかと思えば、ちゃんと距離計があり、蛇腹最短で無限遠になるように作られている。ミラーショックも無く、希望すればミラーアップ操作もできる。こんなにも古くて、使い込まれているにもかかわらず、各部の操作にはどこにもガタや不具合がない。あえて言うならフィルムバックのモルトが溶けているのと、レボルビングのグリスが固いぐらいだ。あれこれ関心しながらフィルム一本を撮影。今回初めてACROSというフィルムを使った。135判なら微粒子フィルムは無用だ。だが6x7なのでせっかくだからISO100の微粒子フィルムを使ってみた。
話がそれるが、プレスト以前のネオパンはベースの青紫色が濃く、ネガの濃度が分かりにくかった。このため、写真を始めた頃は、ベースの色が薄いトライXを好んで使っていたが、1986年にネオパン400プレストが発売された時、一緒に発売されたスーパープロドール現像液と共にこのフィルムの絶大な愛用者になった。長尺の缶を灰皿にしていた頃もあったが、いつしか写真を撮ることもない生活に。去年10年振りにはじめたモノクロ現像だが、今でも白黒フィルムは以前と同じネオパン400プレストだ。俺はこれしか使ったことが無いし。何でこんな話をするかというと、ACROSの現像で驚くべき現象が起こったからだ。ミクロファインを買うのを忘れたので、いつもどおりスーパープロドールの1:1希釈液で現像する。俺は現像液を入れる前に、水を入れる。現像液を馴染みやすくし、てなるべく現像ムラをなくすためだ。時間は決まっていない。タンクに水を入れ、振ってからすぐに入れた水を排出する。うわ!何じゃこりゃ。真っ黒に近い、物凄い濃い青紫色の水になって出て来た。液の写真を撮るひまが無かったので絵で書いたが、物凄く驚いた。過去に使ったことがある、どの白黒フィルムでもこんな液が出たことは無い。不気味だ。タンクが新品だったせいで何かの科学反応が起きたのだろうか?しかし入れたのは水だし、フィルムから染み出したとしか思えない。何だろうコレ。120フィルムなので裏紙のエキスが染み付いてるとか。悩んでいるひまは無い。なんだかよくわからないので、もう一度タンクに水を入れてすすぐ。今度は薄い青紫色だ。このぐらいなら普通なので、今度こそ現像液を注入。排出されたスーパープロドール液には着色は無い。定着まで終えたネガは正常だった。何だったんだろう。ナスの漬物の汁みたいな、凄まじい色だった。もしあれが普通なら、いきなり現像液を入れる方法だと、現像液を何度も使いまわすと墨汁みたいになるに違いない。ACROSを使っている人にはこれが常識なんだろうか?
*本件については、120フィルムのプラスチックベースに塗布されている、ハレーション防止用の染料が前浴で流れ出ているものであることが後日判明。前浴しない場合、なぜか現像液は着色されない。
0 件のコメント:
コメントを投稿