2019年9月29日日曜日

汀線の小宇宙

逆光の波打ち際を歩く。足元の漂着物や死骸を弄るために、まずは手ごろな長さの枝を手に入れよう。気に入った木片やプラスチック片などをビニール袋に拾い集めながら、450メートルの人工海岸を往復する。

AF Micro-Nikkor 55mm f/2.8, ISO125 F2.8

ときどき落ちている生物の一部と思われる球形の物体。枝で弄ってみるとコロコロ転がっていく。内部に組織のようなものが入っているが、腐って死んでいるらしく、動いているものは見つからない。はじめは魚の目玉かと思ったが、ブドウの房のように球体が複数結合したものもある。強く押すと被膜が破れ、中の液体と気味の悪い組織がブニュっと出てくる。これが貝なのか生物の組織の一部なのかあるいは卵なのか。何だかわからない。

画像を拡大すると、砂粒の一つ一つや中央の青いフィルムの輪郭が克明に描写されている。
AF Micro-Nikkor 55mm f/2.8, ISO125 F8.0

ピクチャーコントロールのデフォルトの輪郭強調では解像感が悪く、現像時にはCapture NX-Dで半径を小さめにアンシャープマスクをかけるようにしているが、Photoshopのスマートシャープを使うとCapture NX-Dよりも更に解像感を出すことができる。
AF Micro-Nikkor 55mm f/2.8, ISO125 F8.0

AF Micro-Nikkor 55mm f/2.8, ISO125 F8.0

AF Micro-Nikkor 55mm f/2.8, ISO125 F8.0

AF Micro-Nikkor 55mm f/2.8, ISO160 F8.0

ウミウの死骸。前日には丸一羽そのままだったが、一晩でカラスかなにかに食い荒らされてこんなふうになっていた。
AF Micro-Nikkor 55mm f/2.8, ISO125 F8.0

AF Micro-Nikkor 55mm f/2.8, ISO125 F8.0

生物の死骸はすぐに無くなってしまうが、プラスチック容器も時間を掛けて風化していく。「美味」と書かれたタレビンは大陸から流れ着いたものだろうか。
AF Micro-Nikkor 55mm f/2.8, ISO160 F8.0

共通データ:Nikon D850, ロスレス圧縮RAW(14bit) 
Capture NX-D 1.5.0 ピクチャーコントロール:[SD]スタンダード
 輪郭強調=0.00, ミドルレンジシャープ=1.00
アンシャープマスク:RGB 80% 3% 0

2019年9月1日日曜日

Nikkor-UD Auto 20mm F3.5にて(モノクロ)

Nikkor-UD Auto 20mm F3.5(1967-1971)にて。フィルム時代はほとんどこれ一本でモノクロを撮っていた。最近では赤外線撮影にしか使っていなかったが、フィルム時代を偲んで久しぶりにこれでモノクロを撮ってみよう。伝統的には白黒写真はフィルムで撮影するが、方法を間違えなければデジカメでも撮ることはできる。撮影時にD850のピクチャーコントロールを「モノクローム」に設定するだけでいい。ついでにフィルター効果で「R」を設定する。デジカメなので露出倍数は掛からない。銀塩写真の雰囲気に似せるには、現像時にガンマを0.7程度に調整するといい。モノクロ写真が必ずしも粒状感の上に立脚しているというものでもないが、フォトショップで粒状感を追加すればそれっぽい画像を作ることもできる。









共通データ:Nikon D850, Nikkor-UD Auto 20mm F3.5
Capture NX-D