2009年6月23日火曜日

2009年7月22日は皆既(部分)日食

子供の頃に、部分日食なら見た記憶がある。何十年後かに日本で見られる皆既日食のスケジュールが図鑑に載っていて、いつかその日がやってきたら、その時はこの目で見よう、と多分思った。そして何十年か経って、遂にその時がやってくる。残念ながら皆既日食が見られる地域へ行くことはできないが、東京でもかなり欠けた状態が見られるらしい。ぜひ見ねば。晴れるといいな。
昔は、ガラス板にろうそくの煤(すす)を付けたり、プラスチックの黒い下敷きを使ったりして観察した記憶があるが、現在ではそれらの方法は、紫外線や赤外線の減光が不十分で危険だということで、やってはいけないと言われているらしい(国立天文台)。フィルムを使う方法は、白黒に限り大丈夫だと案内しているところが多いようだ。
日食を見るにはちゃんと専用のメガネやNDフィルターがあるが、そういうのをわざわざ買うのももったいないし、せっかく白黒フィルムもあるのでメガネを自分で作ることにした。
※モノクロフィルムを使う方法の安全性については疑問が残るので使用についてはあくまで自己責任

フィルターには普通に現像・定着処理したネオパンのベロに近いところを使う。ボール紙は、L判インクジェット写真用紙のパッケージに入っている厚紙を半分に切ったものがちょうど良かった。ボール紙の台紙に穴を開け、フィルムを貼る。瞳孔間隔65mm、片目の穴幅は20mmに。大人も子供も使える。
フィルム1枚では蛍光灯が見える程度。2枚では蛍光灯は見えない。日食を見るには2枚重ねの方が安全かも知れない。上の2枚を貼り合わせ、墨を塗って完成。

左上の墨塗りしていないのはフィルム1枚バージョン。
右下はフィルム2枚バージョン。


2009年6月22日月曜日

Reflex-Nikkor-C 500mm F8のテスト&修理

入手したばかりのReflex-Nikkor-C 500mm F8を持ち出してみたが、雨が降ってきたのですぐに帰ってきた。キレは今ひとつのようだが、以前使っていた古いEDレンズのAi 300/4.5sなんかに比べれば、色収差がまったく無いので非常にすっきりした描写だ。天気が悪かったのではっきりとしたリングボケの画像はない。周辺部のリングボケはC字型だ。<New>のタイプでは口径食がもっとよく排除されいるという。



100mぐらいまでならピントが合うが、その向こうにある数百メートル先のビルにはピントが合わない

残念ながらこのレンズ、やっぱり無限遠がおかしい。早速、銀座SCへ持ち込んでみたが無駄足だった。ピントの異常は認められるものの、部品払底のため調整でも修理を受け付けることが出来ないという。仕方なく、その足で以前Nikkor-UD Auto 20mm F3.5を直してもらった西大井K店へ。最初からこちらのお店へ行ったほうが早いのだが、もしSCでやってもらえたらその方が安くつくと思ったのだ。安く入手したものの、今回は修理代が結構かかってしまうことになった。まあ、どうせ素人には分解も調整も無理だし、内部ゴミもかなりある。SCで前玉にカビがあるのも見つかってしまった。ピカピカになるのを期待している。

2009年6月21日日曜日

Reflex-Nikkor-C 500mm F8

500mmのミラーレンズを以前から探していた。Ai時代になってからの新しいタイプReflex-Nikkor 500mm F8<New>(1984)はもっと小型で最近接撮影距離も短いが、中古価格は4.5万円を超えるので、俺にはかなり高価だ。旧タイプのReflex-Nikkor-C 500mm F8の場合、オークションではカビまみれの品物でも2万円以上、程度の良いものでは3万円を超える価格で取引されている。この品は、前オーナーの方によれば数年前に清掃済みで、外観も美品。2万円即決との事でなかなかの出物ではあった。


Reflex-Nikkor-C 500mm F8(1974-1983)
入手価格:2万円
シリアル番号に対する詳細な生産時期は不明だが
生産本数から推測するとこの品は1979年頃に生産されたものではないだろうか。参考リンク

程なくして品物が到着。早速D700に装着してファインダーをのぞいてみたところ、無限遠のピントがちょっと甘い。うわ。こりゃ参ったな。後部に付属の純正L37c(UV)フィルターが付いているが、これを取り外すと更にひどくなる。ミラーレンズは温度変化の影響を考慮して、∞マークよりも少し回るのが普通だと思うが
、この品はヘリコイドの停止位置と距離指標の∞マークがぴったり合わされていた。(このレンズの場合、ピントリングは∞マークより約14度回る仕様らしい) 前オーナーの方によると、最後の清掃は数年前、メーカー外の修理店で行ってもらったそうだが、果たしてこのように調整されてしまったのだろうか?修理店の名前は聞いていないが、俺が以前PEN-FのOHをお願いしたH店だと思われる。その際にはピントの調整は見事に完璧だったことを思うと、同店がこのような組み立てをするとは考えにくいのだが。光学ファインダーで不良を確信するには微妙なレベルなので、前オーナーの方も気づいていなかった可能性があり、今回は致し方ないものとしよう。貧乏性な俺としては、修理にお金を掛けるのは悔しいが、外観はきれいでカビが無いというだけでも、このタイプとしては状態は良い方だ。手に入れたからには仕方がない。ニコンのミラーレンズは表面鏡ではないので酸化によるクモリの心配はないし、磨けばピカピカになるに違いない。内部ゴミも多いので、一度SCか西大井のK店へ持ち込んでみようと思う。

2009年6月20日土曜日

オールドニッコール@新宿御苑

どのレンズを持ち出すか迷った末、Nikkor-S Auto 35mm F2.8と Ai Zoom-Nikkor 80-200mm F4sを選択。80-200mm はオールドという程でもないが最近使っていなかったので持ち出してみた。たまたま週末だったのであちこちで撮影会のような集まりを見かけた。バラが咲いている場所では、中高年女性を中心に20人程の人達が一塊になり、撮影をおこなっている。なぜか全員が三脚で、高倍率ズームの花形フードをニョキニョキさせている変な光景。どうもメーカー主催のカメラ講座のようで、カメラはすべてキヤノン製。講師とおぼしき人が露出補正の説明を行っていた。
なるほど。露出補正なら俺も知っているぞ。ていうか今日はよく使った。普段はニコンの3D RGBマルチパターン測光が不思議に良く出来ていることに関心するのだが、今日は、マルチパターン測光ではオーバー気味で、ハズレの場合が多かった。マルチパターン測光は、元々アルゴリズムが不明で挙動がつかめないため、ハズレの場合は露出補正しながら使っても思ったように働かない場合も多く、かえって煩わしかったりする。AFの非Dタイプレンズでも、それほどハズレが多いとは感じたことがないが、MFの非CPUレンズではアタリの確率がぐっと減るようだ。MFなのでフォーカスエリアを移動させることなく、中央に固定したまま使っている事が、かなり関係あるような気もする。そういうわけで、今日はスポット測光と部分測光に露出補正を組み合わせる方がずっと楽に使えた。

Nikkor-S Auto 35mm F2.8/F2.8

上の画像の中央部を拡大
オート35/2.8は面白いレンズだ。水彩画のように滲むF2.8開放の後ボケや、周辺光量落ちは非常に味がある。
Nikkor-S Auto 35mm F2.8/F4
1段絞ると霞が晴れてすっきりした画像になるが、まだふんわりしている。F5.6ではさらに抜けが良くなり普通のレンズに近づいていく。F8まで絞ると、順光では現代のレンズと比較しても勝るとも劣らない程、画面全域で極めてシャープな描写となる。同じ単焦点でも、絞っても当たり前の変化しかしないマイクロニッコールに比べると、絞りによっていくつもの異なる描写が見られるこのレンズは面白い。

Ai Zoom-Nikkor 80-200mm F4s/F8

上の画像の中央部を拡大
Ai Zoom-Nikkor 80-200mm F4sは本当に良く写るレンズだ。クセのないすっきりとした描写をするプロズームだ。だが、色だけはちょっと変わっている。あるレンズについて「色のりがいい」という言い方をする人がいるが、俺にはそれの意味がわからない。このレンズがそれなのかどうかは分からないが、このレンズははっきりと違う。ピンクやオレンジが明るい色で写る。レンズによってこんなにも発色に個性があっていいのか不思議なくらいで、言ってみれば明るく華やかな色だ。肌や緑が良く映える。

Nikkor-S Auto 35mm F2.8/F2.8

Ai Zoom-Nikkor 80-200mm F4s/F5.6

Ai Zoom-Nikkor 80-200mm F4s/F5.6

Ai Zoom-Nikkor 80-200mm F4s/F5.6

Nikkor-S Auto 35mm F2.8/F2.8

Nikkor-S Auto 35mm F2.8/F2.8

2009年6月19日金曜日

PEN-F にて(カラー)

ペンFでのカラーも久しぶり。いつも38mmレンズしか使わないが、今回は100mm/3.5で撮ったものも混じっている。









オリンパス ペンF
F.ズイコー 38mm F1.8/E.ズイコー 100mm F3.5
DNPセンチュリア100

ハーフ判フィルムのスキャンはCanoScan8800Fでは満足な解像感が得られない。
デジタル化の方法はいつも通りだ。D700にベローズ・スラ イドコピア、Ai Micro-Nikkor 55mm F3.5を使用。近距離収差補正機構の無いAi Micro-Nikkor 55mm F3.5では、倍率が2倍にもなると像側の像面湾曲が顕著になり、周辺部のボケがひどくなる。これを回避するために、レンズはBR2リングでベローズ先端に逆付けしている。照明は5000°Kのライトボックスだが、更にスライドコピアに青いゼラチンフィルターを貼る。これを貼らないと複写画像ではBlueのヒスト グラムがハイライト側で飽和し、ネガポジ反転後に暗部がオレンジ被りしてしまうのだ。撮影時のホワイトバランスは5000°Kに、ピクチャーコントロールでは シャープを標準+2程度、コントラストは最も高い値に設定。複写時はD700の背面液晶で、一枚一枚RGB別のヒストグラムを確認し、RGBいずれも飽和やツブレがないように露光を調整。複写が終わったらphotoshopでネガポジ反転し、ヒストグラム上下の階調の無い部分をカット(自動レベル調整)。 RGB全体のガンマレベルで画像の明るさを微調整した後、ガンマレベルのBlueだけ操作し、ホワイトバランスを調整する。カラーはモノクロより少し手間 が掛かるが、本当に骨が折れるのはカラーもモノクロもphotoshopでのゴミ取りだ。複写時にホコリについては細心の注意を払っているが、やはり小さ なホコリは残ってしまうのだ。

2009年6月15日月曜日

PEN-Fにて

ペンFには何週間も前からフィルムが入りっぱなしだった。天気の悪い週末が続いたりしてなかなか撮り終えることができなかったが、やっと取り出すことができた。フィルムは撮影後の処理を思うとなかなか撮り進まないものだ。銀塩プリントは準備や後始末が大変だし、今の環境ではそう簡単には行えないので、ネガ現像後は、差し当たり全コマデジタル化してインクジェットプリンタで好きなものだけ印刷している。だが、結局骨が折れる。ネガカラーに比べればモノクロは楽だが、それでもゴミの修正やトーンの調整をやっていると、プリント用のjpegファイルになるまでには、おおよそ4時間ぐらい掛かってしまう。





オリンパス ペンF F.ズイコー 38mm F1.8
ネオパン100ACROS

2009年6月10日水曜日

エツミ リモートスイッチ

最近のカメラは昔のケーブルレリーズは使えない。D700用の純正品リモートコードMC-30は、実売4千円以上とやたら高価だ。ニコンの10Pinコネクタに対応した、安いサードパーティ製の商品は以前からあったが、販売店が限られていたため入手が面倒だった。今年になってエツミブランドでも販売されるようになったのは知っていたが、たまたま量販店で見かけたので購入。

エツミ E-6221 リモートスイッチ N1(ニコン用)
中国製
1,470円 秋葉原Y店


ブリスターパックの台紙裏面。
× rock
○ lock
10Pinターミナルへは問題なく取り付けることができる。コネクタのロックスクリューも問題ない。半押しに対応し、バルブ撮影用にボタンのホールドが可能。使うには十分だが、ボタンの操作感はすこぶる悪い。ボタンが大きすぎるし、半押しのスプリングも強すぎる。レリーズ後のストロークも深すぎておかしい。以前から同じ形状のものが出回っているので、同社で設計したものでは無いと思うが、実際に使ってみればおかしいのがすぐにわかるはず、といった詰めの甘さは、同社の他の製品にも見られる。

これはメーカーのせいとは言い難いが、ベローズPB-5で縦位置にレボルビングすることができないことが判明。ケーブルの出っ張りが変に斜め下になるように作られているが、素直にカメラの真下方向に出っ張っていれば、ベローズ縦位置に関しては干渉せずに取り付けられると思うのだが、他のアクセサリや操作との関係でこのような角度に設定されているのかも知れない。もしかすると純正品のリモートコードMC-30の場合は大丈夫なのかも知れないが、PB-5は40年も前のアクセサリなので純正品でも考慮されていない可能性もある。

2009/07/05
実際に使っていると、ボタンの感触がどうしても気になる。10ピンコネクタ以外、工業製品としてはほぼ100円ショップだ。クリックも何もないと思ったら、既製のタクトスイッチなどは使われておらず、鉄板が3枚。鉄板は指紋だらけでグリスがはみ出しており、新品なのに中も埃だらけ。ケーブルの剥き方や半田付けも汚らしい。まあ、1,470円やるからこれを作れと言われても作れるわけではない。商品が存在することに自体には感謝すべきなのだろう。

※いつの間にかモデルチェンジしてる。もしや苦言が届いたのだろうか。

2009年6月9日火曜日

夜景?

いろんな機械のディスプレイやなんかを、夜景の多重露光風に合成してみた。たまにはこういうのもいいだろう。まるで街のネオンのようだ。CGで作られたこういう抽象的な感じの画像とは違い、実写画像の合成なのでボケや奥行きに味があると思うのだがどうだろうか?

Nikon D700/AF-S Micro NIKKOR 60mm F2.8G ED
数枚の画像を合成

2009年6月6日土曜日

New Nikkor 135mm F2.8 その2

New Nikkor 135mmをD700に装着。写りは極めて平凡なレンズだった。とりわけ良くも悪くも無い。F2.8開放ではやや甘い描写。周辺光量低下は少なめで開放から周辺部の画質は均質。1~2段絞ると良好なコントラストが得られるが、驚くほどシャープでもない。




Nikon D700/ New Nikkor 135mm F2.8
F2.8開放

上の画像中心部の拡大。
ハイライトが滲む付近にパープルフリンジが見られる。

F2.8開放時の口径蝕と後ボケ。
口径蝕は見られるが、周辺光量の落ち込みは気になる程でもない。
丸ボケを見るとやや中心部が薄くわずかにエッジが見られる。
後ボケは比較的良好だがやや硬めの印象

せっかくD700用に加工したが、600gもあるこのレンズを持ち出す理由が見つからない。残念ながら当分出番は無いだろう。

2009年6月2日火曜日

New Nikkor 135mm F2.8 簡易Ai化

以前、F2フォトミックで使っていたレンズだ。非Aiタイプのため、D700には取り付けることが出来ず、長らく眠っていた。D700に取り付ける場合は露出計さえ連動すればいいので完全なAi化は必要ない。今回、絞り環のいわゆる袴とよばれる部分を削って簡易Ai化してみた。ただ削るだけなので手順については割愛する。
New Nikkor 135mm F2.8(1975-1976年製造)Ai化される直前の太い鏡筒のタイプ。レンズ構成は4群4枚のエルノスタータイプ。フードは内蔵式。

ボディの露出計連動レバーと干渉する絞り環の一部を、マウント面の高さまで削った。カニ爪はこの時代のレンズを象徴するデザイン上重要な部品だが、加工が難しいので撤去せざるを得なかった。もちろん、機能上はD700にとって不要。
削り取った範囲は、カニ爪を外したネジ穴(上の画像の右側のネジ)の中心から最小絞り方向へ6.4mmのところを起点に解放側へ34.5mm。

F3ボディに取り付けた状態。

このレンズの場合、袴を削って作った切り欠き(露出計連動ガイド)と、ボディの露出計連動レバーの引っかかり部分が1mm程度あるのでうまく動作するが、袴の浅いタイプのレンズでは爪になる部品を追加してやらなければならないのかもしれない。F3はAi露出計連動レバーが可倒式なので、非Aiレンズは元々装着可能だが、この加工によりAi方式での開放測光が可能になる。D700では非CPUレンズ手動登録にて、レンズの開放F値「F2.8」を登録することにより、絞り値が絞り環の表示どおりにボディで認識されるようになる。