ラベル レビュー の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル レビュー の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2020年6月2日火曜日

ピークデザイン アンカー リンクスに思う事

ピークデザイン アンカー リンクス AL-4を入手。今更紹介するまでもないだろう、世間では大変人気がある品だ。


カメラストラップの先にプラスチック製の受け具「ハーネス」を取り付け、カメラ側の吊り金具に「アンカー」と呼ばれる赤い玉を付けておくことで、ストラップを簡単に着脱することができる。


しかしこれ、値段もちょっと高いしプラスチックのハーネスも大きめで、邪魔というかあまりスマートなデザインでもない。他メーカーではSMALLRIGの似た製品の方がコンパクトに見える。ただ、カメラストラップ部品という製品の性格上、強度や耐久性は重視すべき点である。Peakdesign社は過去のバージョンのこの製品で、コードの耐久性に問題のあるアンカーのリコールを行っており、サポート実績においては評価できる。コードの問題はすでに改良されており、今日広く普及しているPeakdesign社のこれを選ぶのは妥当だろう。

そもそも、カメラ自体が最初からストラップの着脱が簡単な構造になっていれば良いだけの話で、実際に一部のカメラはそうなっている。

キヤノンEOS-Mのストラップ金具は、ロックピンを回転させるために10円玉のようなものが必要ではあるが、割と簡単に外せるものになっており金具もコンパクトだ。

EOS-Mのストラップを外した状態

EOS-Mのストラップを取り付けた状態

カメラ側のこういう丸い吊り金具は、マミヤの古い中判カメラにも使われている。マミヤのストラップは先端の金具に付けられた板バネを指で押し広げるだけで、カメラからストラップ外すことができる。取り付けもカメラ側の丸いピンをストラップ金具の穴に合わせてパチンとはめ込むだけだ。着脱が簡単で、自然に外れることもない。
RB67のストラップを取り外した状態

RB67のストラップを取り付けた状態

RB67のストラップ金具(上)
EOS-Mのストラップ金具(下)



このタイプの吊り金具は規格ものなのだろうか?面白いことに、RB67のストラップはEOS-Mに取り付けることが出来る。この形式は着脱が簡単で金具もコンパクトなだけでなく、ストラップが捻じれてもカメラに付けたまま片側をクルクル回転させるだけで捻じれが取れるという利点もある。もっと多くのカメラがこれを採用していてもいい気がする。


2020年4月3日金曜日

自由雲台 マーキンス(Markins) Q3iTRPs-BK 入手

このタイプの自由雲台は「ダブルパン」と呼ばれている。底部の独立パンに加え上部にパノラマヘッドが搭載されているものだ。現在、持ち運び用にメインで使っているベルボンUTC-63三脚には、純正のQHD-S6Q雲台にMENGS PAN-C1パノラマクランプを載せて使っている。QHD-S6Q雲台は剛性や固定力、操作性の面で非常に優秀な雲台だが、クイックシューはベルボン独自のQRAシューで、上に載せているパノラマクランプの分だけ無駄に高さが増している。MENGSのパノラマクランプは作りがやや華奢で、クランプやパンの固定力にも少し不安がある。現在、ベルボンからはアルカ型クランプ仕様のQHD-S6ASも発売されているが、残念ながら同社からダブルパンタイプの雲台は発売されていない。そもそもなぜダブルパンが必要なのかと言えば、理由はパノラマ撮影ではない。例の水平出し操作をするためである。アルカ型クランプとパノラマ回転台が最初から付いた雲台は以前にSUNWAYFOTO FB-28iDDHiSUNWAYFOTO FB-44 DDHiを入手したが、前者は雲台自体のサイズが小さすぎて剛性が心許なく、後者は固定ノブをたくさん回す必要があって扱い辛いのに加え、上部のパンニングクランプは締めても垂直方向にガタが出る不具合があり、両者ともQHD-S6Q雲台の代わりにすることはできなかった。マーキンスの存在は以前から知ってはいたが、一番小さなQ3シリーズの雲台でもパノラマシューが付いたモデルになるとかなり高価なため、選択からは外れていた。

Markins Q3iTRPs-BK

マーキンスのQ3は同社のQシリーズの中では一番コンパクトなタイプで、Q3iTRPsは上部にパノラマシューが搭載されたモデルになる。現在メインで使っているQHD-S6Q+MENGS PAN-C1 の組み合わせをこれに換装することで、上部パンの固定力・クランプの強化および、雲台全体の高さを抑えることを目論むものである。マーキンスの自由雲台は耐荷重の大きさと固定力の強さが特徴で、パノラマシューの機構も「Double Disk Lock」などと命名されており、とくに構造が明らかにされていない一般的なパノラマクランプよりも見た目がごついことからそれなりの固定力が期待できる。クランプの機構は「クイックターン・ノブ」と命名されており、少ない回転でクランプの開閉ができるようになっている。

UTC-63三脚にQ3iTRPs-BK雲台を装着した状態。

Q3iTRPs-BK (左)とQHD-S6Q+MENGS PAN-C11(右)の高さ比較。Q3iTRPs-BKでは高さを少し抑えることができる。重量比較では、Q3iTRPs-BK(454g)・QHD-S6Q+PAN-C1(467g)で微減となる。

三脚を畳んだ際の収まり具合はこんな感じ。純正のQHD-S6Q雲台のベース直径が42mmなのに対し、Q3iTRPs-BK は56mmとなるため、脚はやや開き気味になるものの運搬に支障がない程度には閉じることはできる。



望遠レンズ積載時の様子。実際、動きものの場合はビデオ雲台でないと扱い辛いが、風景ならコンパクトな自由雲台の方が三脚の運搬が簡単になる。Q3iTRPs-BKの耐荷重はスペック上30kgとなっており、ベルボンQHD-S6Q(5kg)に比べると桁違いの値だ。中韓メーカーのスペック表の数値はかなり盛り気味なため、国産メーカーのカタログ数値とは比較することはできないが、Q3iTRPs-BKの場合、この程度のカメラ・レンズを載せるのであれば不安は無く、固定力や剛性感は十分といえる。
Q3iTRPs-BKの操作感について。
ボールの動きは滑らかで、メインの固定ノブは少ない回転で強くボールを固定することができる一方、トルク調整もしやすく操作感は優れている。メインノブの操作は回転方向に若干の遊びがあり、そこだけ弄っていると違和感があるものの気にしなければ気にならない。分解動画を見ればわかるが、この遊びは内部クランプの開閉方向が反転する際に生じる遊びで、部品の緩みではない。一点だけ気になるのは、緩々の状態からボールを水平方向に素早く回そうとすると引っかかって動かないことがある。これはカメラを載せずに雲台だけ弄っている場合に起こる現象で、実用上の問題は無い。

めっちゃ気にしている人の動画。

分解動画。ヘリコイドグリスを塗りたくっている。

メインの固定ノブ・下部水平パン固定ノブともに、締め込んだ際のズレがほとんど無い。剛性が高く、締め込んでからカメラから手を離した際のバックラッシュもほとんど無いので、構図が一度でピタリと決まる。巷で言われている通り、下部水平パンの固定ノブが小さくやや強めに締める必要がある。許容できる程度とはいえ、メインの固定ノブが軽い操作で強力に固定できるのに比べると少しバランスが悪い。その構造にDouble Disk Lockと命名されている上部のパノラマシューは、単体で3万円近くの値が付いているパーツだけに、水平パン固定ノブを緩めても上下にガタが出ることも無く、締め込んだ際のズレも無い。パンの固定力も十分だ。クイックターン・ノブと命名されたクランプは、少ない回転で開閉操作ができ、締め付けも安心感がある。クランプ側の脱落防止ピンはスプリング付きで引っ込むタイプで、メーカーの異なるプレートでも取り付けに干渉することはない。ただし、 クランプよりも幅が小さくプレート側に脱落防止ピンを持つプレートはそのままでは装着できず、プレート側の脱落防止ピンを外す必要がある。

マーキンスについて。
自由雲台の大型のものはアルカスイスが以前から定番として知られている。中型やトラベラークラスでは以前だとマーキンスに人気があった。しかし、現在では大型のものを含め、RRSやLeofotoなどに人気があるようで、マーキンスは今やマイナーな存在かもしれない。

2018年5月10日木曜日

AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8E ED VR(その4)初回修理後 AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G ED との比較


初期不良で修理をお願いしていたAF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8E ED VRの修理が完了したので、AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G EDと比較しながらテストしてみた。

Nikon D850, 歪み補正:なし, ヴィネットコントロール:なし
ISO100, ロスレス圧縮RAW 14bit, Capture NX-D 1.4.6W
ピクチャーコントロール:[SD], 輪郭強調=0, 明瞭度=1(デフォルト)
アンシャープマスク:半径=2, 適用量=100
f=24mm/35mm/50mm/70mm

備考:
AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8E ED VRは、ズームリングを35mmの位置で撮影しても、EXIFの焦点距離は36mmになる。 AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G EDの35mm時よりも僅かに画角が狭いことからEXIFの焦点距離表示の方が正しく見え、どちらかと言うとズームリングのプリントがズレている。
絞りによるフォーカスシフトの影響を除外するため、一コマ度にライブビューでコントラストAFを行い、サイレントモードの電子シャッターで撮影している。

オリジナルサイズの画像をダウンロード(F5.6のみ 8256x5504pix)

AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8E ED VR

 f=24mm
24mmでは左端に比べ右端の解像が悪い。1段絞り込むと開放で甘かった左端のコントラストが改善される。それ以上絞り込んでもほとんど変化が無い点は興味深い。

 f=36mm

 f=50mm
50mmでは右端が異常なピンボケになっている。左端の解像も悪い。F4.0時だけ、右端のボケが少ないが、このコマだけコントラストAFでの合焦結果が僅かに後ピン方向へズレたものと思われる。

f=70mm
テレ側の中央部の解像力は高くないものの、先代Gとは同程度であり、これは仕様の範囲と思われる。左側より右側の方がやや画質が悪いのは、この個体の片ボケと思われる。
今回のテスト画像では説明することができないが、この新型のAF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8E ED VRは、テレ側近距離では画像がフレアっぽくなりコントラストが低下し、解像力も低下する。最近接撮影距離(CFD)では絞りによりピントが変動するフォーカスシフトが起こる。周辺部の低周波MTF向上のためにコマ収差の除去などを進めた結果、そのトレードオフとして近接撮影での球面収差が大きく残存するような収差バランスになったのだろうか。古い大口径レンズならともかく、非球面レンズや特殊ガラスを多数使い、強力なコンピュータを使って設計された近代的な高級レンズにしては、このフォーカスシフトは珍奇と言える。近接撮影で絞り込んで小物を撮影するような場合、ファインダーでの位相差AFでは確実にピンボケになるため、ライブビューでのコントラストAFを使う必要がある。AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8E ED VRは近距離での収差変動が大きいように見え、用途によってはこのレンズが扱い辛いものとなる可能性はある。

AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G ED

 f=24mm
先代のAF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G EDは当時、立体感描写のために像面湾曲の補正よりも非点収差の除去を優先するという方針で設計されたという。像面湾曲が顕著で、ワイド側の周辺部はかなりの前ピンになる。そのため、ワイド側は遠距離の風景や建築などを相手にするのが苦手で、フルサイズ周辺部はピンボケになりシャープではない。1200万画素時代のボディならばF11まで絞れば中央部と周辺部の画質差はギリギリ目立たなくなるが、D800系以降の高画素機で使うには厳しいと言える。

f=35mm

f=50mm
一方で、50mm時には中央部からフルサイズ周辺部まで素晴らしい解像力を発揮する。コントラストでは単焦点レンズには劣るものの、コーナーでの解像力は50mm単焦点レンズに匹敵する。像面は完全に平坦ではなく、中央と端の中間(ミッドフレーム)では僅かな解像力の低下を観察することができる。

 f=70mm
AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G EDは元より万能レンズではなく、中~近距離でのポートレートやレポーティング用途に特化した仕様である。尖った性格のレンズではあるが、AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8E ED VRのように近接撮影で収差バランスが大きく変動するようなことは無く、そういう意味では扱いやすいレンズといえる。

AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8E ED VR vs AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G ED

f=24mm, F2.8
AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8E ED VRの左端は先代AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G EDよりもシャープで、AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8E ED VRは右側の片ボケさえなければ周辺画質は向上しているものと見られる。AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8E ED VRの周辺部はコマフレアによると思われるコントラストの低下がAF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G EDよりも少ない。

f=24mm, F5.6
24mm F5.6では、中央部は先代AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G EDの方がシャープだが、左端はAF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8E ED VRの方がシャープだ。

f=36/35mm F2.8

f=36/35mm, F5.6
やはりAF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8E ED VRの右端はボケている。

f=50mm, F2.8

f=50mm, F5.6
50mm時は先代AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G EDの画面端での解像力の高さが際立っている。AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8E ED VRはAF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G EDは左右端とも画質が悪く、開放から2段絞ったF5.6でも改善せず、右端の異常なボケにも変化は無い。

f=70mm, F2.8

f=70mm, F5.6
70mm時はAF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8E ED VRとAF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G EDの画質は中央のシャープネスは及第点で周辺はともに画質は良くない。AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8E ED VRの右端は片ボケという以上に、像が二重になっているようで汚い。

AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8E ED VRは現在2回目の修理に出している。この個体は全ての焦点距離で片ボケが見られ、とりわけ50mm時には左右とも周辺画質が異常である。
再修理から戻り次第、すぐにまたテストを行う予定。
次回:AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8E ED VR (その5)片ボケ 2回目の修理後

2018年4月18日水曜日

AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED

「AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED」は2008年に発売されたレンズで、2009年の初めに手に入れてから10年近く使っている。4年目に一度SWMが故障して交換したが、9年目の今年、2度目のSWM交換になった。このレンズ、実は去年から故障していたが、そろそろ新型へリニューアルしそうなので修理に出すのを控えていた。どうも新型が出る気配もなさそうなので、先日修理に出すことにした。SWMには寿命があると言われており、確かにこのレンズは手持ちのAF-Sタイプのレンズ中では一番古い品物だが、モーターが壊れる故障は-しかも2回も-このAF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED以外では一度も経験が無く、このレンズだけが特別壊れやすいように思う。
5年前の1度目のSWM交換時は修理後に盛大な片ボケ状態で戻ってきたので再修理をお願いして元に戻ったが、2度目の今回もSWM交換後に左端の解像が悪くなっていた。

今回のSWM交換修理後
これが片ボケが疑われる画像だが、石垣の右側はOKだが左端はボケているように見える。
Nikon D850, AF-S Micro NIKKOR 60mm 
f/2.8G ED ISO100 F8.0
45MP 元サイズ画像

これもまたかなり微妙なところだが、左右にある投光器や、下の水面の石垣を見ると左の方がぼやけているように見える。
Nikon D850, AF-S Micro NIKKOR 60mm 
f/2.8G ED ISO400 F8.0
正直、これはかなり微妙なレベルで、経験上はこの程度だとおそらく正常範囲内だといって戻ってくる。そして予想通り正常範囲内ということで戻ってきたが、ここまでは想定内だ。実はこういう場合でも、黙って直してくれていることがある。新聞紙と鏡を使ってチェックしてみると近距離では完璧で、F2.8解放で隅々までよく解像しており片ボケも無い。

以下再修理後
先日開業した東京ミッドタウン日比谷にて。絞りF2.8解放でよく解像している。
Nikon D850, AF-S Micro NIKKOR 60mm 
f/2.8G ED ISO100 F2.8
日比谷公園にて。
Nikon D850, AF-S Micro NIKKOR 60mm 
f/2.8G ED ISO200 F2.8
45MP 元サイズ画像

片ボケと周辺の解像をチェックするために平面を相手にマイクロ60を執拗にいじめ倒す。F5.6だが水平方向については端までよく解像している。片ボケは無いように見える。
Nikon D850, AF-S Micro NIKKOR 60mm 
f/2.8G ED ISO200 F5.6
45MP 元サイズ画像

これはシャッターボタンを右下にして縦位置を撮影している。左は問題ない。右が怪しい気がするが気のせいか。
Nikon D850, AF-S Micro NIKKOR 60mm 
f/2.8G ED ISO400 F5.6
45MP 元サイズ画像


完全逆光ながら、ビル上の文字の看板がフレアもパーフリも出ず、非常に良く写っている。この構図では上下はわからないが、少なくとも左右のピント差は無く両端ともよく解像している。
Nikon D850, AF-S Micro NIKKOR 60mm 
f/2.8G ED ISO400 F5.6
45MP 元サイズ画像

F2.8解放にて。これは可も不可も無い。ピントは合っており、AF微調整は+-0でとくに問題ない。
Nikon D850, AF-S Micro NIKKOR 60mm 
f/2.8G ED ISO400 F2.8
45MP 元サイズ画像

この辺の石垣は撮影距離が手頃で片ボケのチェックにちょうどいい。細部は中央に比べ左右端のコントラストはやや低くなり解像感は落ちるがこのレンズでは許容範囲だろう。コーナーの木々の葉も良く解像している。やや遠距離だが、水面あたりの石垣で左右を比べてみるとピントに差は無いように見える。
Nikon D850, AF-S Micro NIKKOR 60mm 
f/2.8G ED ISO640 F8.0
45MP 元サイズ画像


画像下端、堀沿いを歩く人々や車、街路樹のあたりは像の滲みがある。これで精一杯なのか。これでいいのか。こんなもんか。ここらへんになると、ピント位置のコントロール次第で解像も変わってくる。これは位相差AFなのでLVのコントラストAFだと違いがあるかもしれない。まあ、このレンズは元々こんな写りをするときもある。天気も悪いしISO感度も高め、三脚も使っていない。再修理で調整し直してくれたのか本当に何もしていなのか正直わからないが、どうも直っているように見える。
Nikon D850, AF-S Micro NIKKOR 60mm 
f/2.8G ED ISO400 F8.0
45MP 元サイズ画像
共通データ:ピクチャーコントロール[SD]スタンダード:輪郭強調無し
Capture NX-D アンシャープマスク:半径=3, 適用量=80
ホワイトバランス=自然光オート
自動歪み補正=あり
ヴィネットコントロール=50

有楽町のガード下。この画像のみ現像時にトーンを細工した。
Nikon D850, AF-S Micro NIKKOR 60mm 
f/2.8G ED ISO800 F5.6
45MP 元サイズ画像
ピクチャーコントロール[LS]風景
ガンマ=0.71
露出補正:+1/3

2018年4月16日月曜日

AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8E ED VR(その2)

今回は、前回の「AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8E ED VR(その1)」の続き。
「AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8E ED VR」は2015年10月に発売されたレンズだ。昨年D850が発売されてから急に品不足となり、最近まで手に入りにくい状況が続いていた。このレンズの発表当時は、先代の「AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G ED」にVRがくっついてサイズが大きくなっただけのものだと思っていたのだが、実は全然そうではないらしい。
左:AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G ED(2007-2015)
右:AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8E ED VR(2015-)

最近になって先代のGタイプと今回のEタイプを設計したニコンの原田壮基氏と藤原誠氏が「AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8E ED VR」についてお話されているインタビュー記事を読む機会があった。画質上の改善点について尋ねられた部分で原田氏は「ズーム全域での像面湾曲の減少と周辺画質向上」「広角から望遠までコマ収差の低減」「中間画角でもより高画素にマッチした、よりフラットな像面」だと語っている。

デジカメWatch「インタビューAF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8E ED VR」
PHOTO YODOBASHI「BEST WISHES FOR ANOTHER 100 YEARS - レンズ設計者インタビュー」

発売から2年以上経っているものの、この二つの記事は見たことがなかった。そもそもこの新しいレンズは自分には高価すぎて完全にノーマークだったのだ。周辺画質の件はコマ収差について多く触れられているが、あの像面湾曲も直したと仰っているということで間違いないのか。にわかには信じられず、インタビュー記事を何度も何度も読み返した。
そして、海外のテスト記事を漁ってみたところ、ユーザーの側からも開発者が明かした改善内容を裏付ける結果が観測されていることが分かった。

Lensrentals.com "Nikon 24-70mm f/2.8 ED AF-S VR Sharpness & Optical Bench Testing"より
「ニコンは新しいレンズでデザインの選択をしました。デザインの選択は「ベンチテスターにとって素晴らしいものにしましょう」というものではありませんでした。彼らは、イメージフィールド全体で良好な解像度に交換するために、絶対的な最良の中心解像度をあきらめました。したがって、画像の1/3の中心では、古いレンズはMTFの結果が良いが、残りの部分では新しいレンズがはるかに優れている。」
「左右に非常に等しい鮮明さと、ズーム範囲全体で同等の鮮明さを持つフラットフィールドを持つ」
(Lensrentals.com:Roger Cicala)

Potography Life "Nikon 24-70mm f/2.8E VR Review"より
「新しいNikon 24-70mm f / 2.8E VRは、その前身と直接比較すると、わずかに悪い中心性能を示しますが、ミッドフレームとコーナー性能ははるかに優れています。その鮮明度は比較のためにはるかに均等に広がっており、風景や建築を撮影するのにもっと良いレンズになっています。これは、無限遠で被写体を撮影する場合に特に顕著です。」
「私がニコンに代わって言うならば、それは莫大な成果だ!実際、Nikon 24-70mm f / 2.8E VRは他の多くの単焦点レンズよりもコーナーは優れている。」
(Photography Life:Nasim Mansurov)

kenrockwell.com "Nikon 24-70mm VR"より
「この24-70は解放のf/2.8でも3600万画素の端々まで最高にシャープです。」
「2007年に導入された古い24-70mm f/2.8G(2007-2015)は、当時最先端だった1200万画素のカメラで撮影するには素晴らしかったが、今日の現代的なカメラでは、この新しいE VRレンズが明らかに優れています」
「これまでにニコンと他のものによって作られたミッドレンジズームでは最もシャープです。」
「ニコンのデザイナーは、ズームレンズの歪曲を抑えることをしないという引き換えに、コーナーでよりシャープネスを得ています。」
(Ken Rockwell)

その他のレビュー記事でも、先代Gタイプよりも周辺画質が向上していることが確認されている。
STEPHAN RUSSENSCHUCK "Hands on review: AF-S Nikkor 24-70 mm f/2.8E ED VR"
CAMERALABS "Nikon 24-70mm f2.8E VR review - Quality"
OpticaLimits "Nikkor AF-S 24-70mm f/2.8E ED VR (FX) - Review / Test Report - Sample Images & Verdict"
Nikon rumors "Nikon AF-S Nikkor 24-70mm f/2.8E ED VR lens review"

大変だ。この間、D810をスキップしたのと、旧型Gについてはそれはそれで気に入って使っていたので、うっかり2年間以上も気づかなかった。これらが全て本当ならば、自分が望んだとおりの改良方向ど真ん中だ。8年前にGを手に入れた時に、「像面湾曲が酷い」と言ってここで散々こき下ろした自分の立場としては、何が何でもこの新型を手に入れなければならない。

また長くなったので続きは次回AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8E ED VR(その3)にて。




2018年4月15日日曜日

AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8E ED VR(その1)

先代の「AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G ED」をD700の頃から使っている。AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G EDは、ニッコールのラインナップ上ではプロクラスの標準ズームという位置付けだが、何にでも使える万能ズームというわけではない。いわゆる「でっこまひっこま」的な不思議な性質を持つレンズだ。コントラストが高く力強い描写をし、ポートレートやスナップでは、暗部が引き締まった吸い込まれるような背景ボケに、ピント面の被写体が浮き出しているような立体感を紡ぎだす。
AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G EDにて (c)俺2010

このレンズは近~中距離の被写体を絞り開放付近で撮影する場合に非常に美しい写りをするが、一方でズームのワイド側は像面湾曲が顕著で、画面中央部から周辺へ向かうにつれピント面が急激に前ピンになる。このせいで、平面的に配置されている被写体に正対して向かう場合や無限遠を相手にする場合には、画面周辺は露骨にピンボケになってしまう。このレンズのワイド側を使う場合、画面全体にピントを合わせることはあきらめ、絞りの解放付近を使ったボケを生かした作図をするか、さもなくば、足元や左右に近景を配した一点透視図法のような構図を工夫することになる。しかしながら、このレンズのフィールドカーブは現実にとり得ることができる構図とはかけ離れており、多くの場合には不都合にしか作用せず、風景などでは周辺の前ピンを被写界深度で誤魔化すために、うんと絞り込んで使うしかない。ところが、一般的なレンズでは解放から3段も絞れば周辺まで画質が安定するのが普通なのに対し、このレンズの場合、画面中央部にピントを合わせると1200万画素のD700でさえ、F8にまで絞り込んでも画面周辺部を被写界深度内に入れることが難しかった。(参考:2010年の記事
当時の1200万画素のボディでは、F8まで絞り込んだ上にフォーカスを僅かに後ピン方向へコントロールするか、回折の影響をなんとか許容できるF11まで絞り込むことで、画面中央部と周辺部の画質差があまり目立たないようにすることはできたが、このレンズは2007年当時の1200万画素のボディを想定し、ギリギリの収差バランスで設計されたのだろう。
高画素化された以降のボディでも、このレンズは被写体がピント面にある限りは解像力やコントラストは抜群なので、構図次第では充分使うことができる。だが、高画素機では遠景や平面を相手にする機会も一段と多くなり、このレンズの極端な性格はそういった被写体にはまったく適していないことがはっきりと表れるようになった。もちろん、単焦点レンズであってもこのあたりの焦点域では、フルサイズ画面の端から端までキッチリ解像するレンズを見つけるのは難しいし、ズームレンズにそれを求めるのは常識ではない。日常のすべての被写体が平面や無限遠であるというわけではないし、そんな構図ばかりが良い写真であるはずもない。だが、個人的には高画素機のD800EやD850を手に入れてからは、レンズが結ぶ細密な像を画面全体の隅々にまで充満させるという遊びにのめり込んでしまい、近頃にあっては単焦点レンズや望遠系のレンズなどを使うことが多く、AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G EDの出番はほとんど無くなっていた。
左:AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G ED(2007-2015)
右:AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8E ED VR(2015-)

長くなったので、続きは次回AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8E ED VR(その2)にて。

2017年12月9日土曜日

ベルボン UTC-63三脚と中華LブラケットINPON

今回のメインは新しく手に入れた三脚「UTC-63」だが、その前にAmazonで手に入れた「インポン」という不思議な名前のLブラケットをお見せしよう。
この種のLブラケットはReally Right StuffやMarkins、Kirkなどの機種専用にデザインされたものが知られているが、ご存知の通り高価である。こちらは機種を限定しない中国製汎用品。こんなもの大丈夫なのか?と思いつつ2千円なので注文してみたところ、思ったより大丈夫そうだったのでご紹介したい。


アルカ型クランプとLブラケットがセットで2000円。
届いてみると、意外に精密感があり、強度や耐久性などは不明だが、差し当たり問題ないように見える。
クランプとブラケットの裏面。クランプには1/4インチの皿ネジが取り付けられていたが、これは取り外さないと使えない。
D850につけてみた。とくに問題なく取付可能。

背面から。液晶のチルト機構が干渉することも無い。

ボディ左手の端子カバーはあけることができなくなる。写真では縦位置用のパーツが前方にやや傾いているが、下のネジ2か所を六角レンチで緩めれば少し動かせるので、これはまっすぐにすることができる。

底部の様子。前倒れ防止機構は無く、プレート面のゴムは効いているものの、24-70や14-24などの重いレンズは不安がある。D850底部には三脚ネジ穴の隣に穴があり、このブラケットの長穴の端っこ、止めネジを挿入するためのネジが切ってある部分と偶然なのか必然なのかわからないが、ピッタリ一致する。

じゃあ、ここにビデオピンでも差しておけばいいではないか。写真手前の黒いブツは、マンフロットのプレートに付属していたもの。

D850底部の穴にのせるとこんな感じ。

インポンプレートの穴に入れてみる。このビデオピンの太くなっている部分を1/4インチ穴に押し込む。このビデオピンのプラスチックは意外に硬く、手で押し込むことはできないが、プラハンマーでトントンすれば入る。

こんな感じでおさまる。一応、これでガクンと前倒れすることはない。D850の穴よりもビデオピンがやや細いので、このままでは前倒れ方向へは少しガタがある。

ビデオピンに何か巻いて太くしてやればいい。熱収縮チューブを見つけたので、これを短く切ってかぶせる。まあこんなもんか。カチカチではないもののそれなりに固定できる。

さて、今回のメインはベルボンのUTC-63だ。三脚はでかくて重いもの程安定性が良いのは知れたことだが、持ち運びができなければ意味が無い。以前から使っている三脚の中で、一番良く使っているのがベルボンのULTRA LEXi Lで、コンパクトながら必要十分な安定性があり重宝している。今年発売されたUTC-63は、シリーズ初のカーボン製で、アルミ製ダイレクトコンタクトパイプを使ったこれまでのULTRAシリーズ・UTシリーズの推奨積載質量が3kgだったのに対し、カーボンパイプを採用したことで推奨積載質量が4kgへとアップしている。UTシリーズは足をひっくり返して畳めるのでULTRAシリーズよりも一層コンパクトだ。これはいい。以前から気にはなっていた製品だったが、エレベーター無しではやや全高が低いこと、エレベーターを下げても肩から上の首部分が長く、安定性に不安があること、雲台が交換可能であるとはいえ規定の収納性能を発揮できる付属雲台が自由雲台であること、そしてパイプ径+全高という価値基準で考えると、小さな三脚の割にはかなり高価であるなど、購入をためらう理由はたくさんあった。購入を決めたのはこの記事だ。ストラップが舞い上がるほどの強風の中、49.6mm相当で30秒間露光とある。それはいくらなんでも無理だとは思うが、ともあれ夜景専門の方が高い評価をしていることは、購入の決め手になった。

ベルボン UTC-63 (自由雲台 QHD-S6Q付き)
カーボン30mm 5段
縮長36cm・重量1520g
EV無し全高 136cm/EV使用 155cm


正直に言おう。これまで使ってきたULTRA LEXi Lの方が大きいし、肩の位置も高いので安定感がある。だが、UTC-63は圧倒的にコンパクトで、今後持ち出すのは間違いなくこれになる。

おすすめ記事:
パノラマ雲台を使い自由雲台で左右の傾きを微調整する方法
新型レベラー(改)