Olympus Penシリーズは1960年代に流行したハーフサイズカメラでD2は1964年に発売された。こんなに小さいのに絞りもシャッターもフルマニュアルだ。小型の割にずっしりと重く、中にメカがギッチリ詰まっているという精密感がある。贅沢なF. Zuiko 32mm F1.9レンズと、外光式の高感度Cds露出計が搭載され、バルブや1/500秒の高速シャッター、X接点のシンクロターミナルまで装備されている。OlympusによるとDシリーズはプロ仕様のデラックス版なんだそうだ。しかし、現代においては、マニュアルで絞りや露出などをあれこれいじりまわすなどというのは、もっぱらアマチュアの役目であろう。
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俺は小学生の頃、家にあったPen D2を分解してめちゃめちゃにぶち壊して捨ててしまった思い出がある。シャッター羽根が割れて巻き上げもチャージも固まっていたし古いカメラだからいいと思った。後年、大人になってPenの価値を 知った俺は、それを思い返してずいぶん後悔した。5年ほど前、偶然あのPen と再開し、ちょっと高かったが、償いの思いに駆り立てられ救出してしまった。試しに1本撮ってみたところピンボケが多く、鏡筒が分解されるかでもした固 体だろうと思い、その後しまい込んでいた。
先日、いつも使っているD80がちょっと前ピンなのが分かったので修理に出した。一ヶ月くらいかかるらしい。もう一台のリコーGXもゴミが写るのでついでに一緒に修理に出してしまった。ハーフならプリントも安いし、いい機会なので本当にピンボケなのか気になっていたPenをひっぱり出して目測のピントに気をつけて一本撮ってみた。ローソンの0円プリントは750円で中2日。フィルム代を入れてもL判一枚13.5円とデジカメより安い。ピンボケじゃなかった。素晴らしくシャープだ。このカメラは本来、露出計に古いタイプの水銀電池を使用するが、どうやらLR44でもまったく問題ないようだ。気に入ったので、軍艦部カバーを外して手入れしてやることにした。ファインダーと露出計のスイッチを清掃し快適になったので、また36枚撮りを入れてやった。