2012年9月30日日曜日

AF-S NIKKOR 70-200mm F2.8G ED VR IIテスト その2

D800・D800Eの左端AF問題については以前から、ボディが内部的に持っているAFモジュールのキャリブレーション値を書き換えることにより、問題を解決できると言われていた。最近、別の情報ではAFモジュールとサブミラーの組みつけ精度が製造公差を超えている個体があることが原因だとも言われているが、依然としてメーカーからユーザーに向けた正式アナウンスは一切ない。レンズによって現象が出るものと出ないものがあり、世界中のユーザーの観測結果では不具合のあるレンズの銘柄には共通性がある。本当に機械的な組みつけ誤差が原因なのだろうか。俺のD800Eも当初から左端AFの問題があり、SCでの対応体制が最近なんとなく整いつつあるようなので、先週のはじめにD800Eボディと一緒に片ボケのAF-S NIKKOR 70-200mm F2.8G ED VR IIをSCに持ち込んでみた。D800Eは何かしらの調整をしてくれたらしく、左端AF問題については改善されているようだ。AF-S NIKKOR 24-70 F2.8Gで左端フォーカスポイントを使い、1mくらいの距離で位相差AFすると、以前は数センチの後ピンになったが、調整後はピントが合っている状態に近くなった。近くなった、としか言えないのは、右端フォーカスポイントの精度は完全に復旧しているのに対し、左端についてはピンボケ量が減っただけで合焦とはみなせない状態だからだ。だが、恐縮ながら今は左端AF問題について詳しいテストを続ける気がしない。なぜなら、片ボケのAF-S NIKKOR 70-200mm F2.8G ED VR IIが問題なしということで返されてしまい、今はそっちの方が気になるからだ。
そういうわけで、この週末2日間はAF-S NIKKOR 70-200mm F2.8G ED VR IIの再テストをしてみた。

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Nikon D800E, AF-S NIKKOR 70-200mm F2.8G ED VR II
f=70mm F5.6 位相差AF, 
(VR=OFF, 三脚使用・ミラーアップ)

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フォーカスと露出を固定し、三脚座リングのところでカメラ・レンズごと逆さまにして撮影してみた。被写体はほぼ無限遠とはいえ、左は東京湾の奥、右はその手前の中央防波堤の一部であり、厳密には被写体の左右では距離が異なるからだ。

クロップ画像
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上のクロップ画像の上段は正位置で撮影したものだ。被写体左端(紅白の煙突)が比較的シャープなのに対し、右端(グレーの建屋)はやや劣る。下段はカメラを逆さにして撮影した画像を180度回転させたものだ。レンズの右端にあたる、被写体の左端(紅白の煙突)がかなりボケ気味だ。被写体右端のグレーの建屋は大きな違いは見られないが、上段より下段の画像の方がややシャープだ。結果としては、被写体を逆さまに写しても、レンズ右端の写りが悪いのは同じで、やはりこのレンズが片ボケだということになる。

あと、テレ側(200mm)については言及してこなかったが、テレ側でも同様のようだ。この画像では右端は中央に比べ遠方になるのでピンボケなのは正しいが、カメラをひっくり返して撮影した画像では被写体左端のコンテナがやけにボケボケになっている。これで原理的には片ボケの証明になっているはずだが、そもそもひっくり返して確認する方法には若干の疑問がないでもない。重量バランスの変化により鏡筒の形状が変化しているかもしれないし、OFFにはしているもののVRモジュールが重力の影響を受けて微動する可能性も無いとは言えない。単純な画像を数枚撮影するテストに2日間かかったのは実はこのせいだ。一日目に撮影した画像をチェックしてみたところ、ひっくり返して撮影した画像の左端は正位置での右端以上にボケているように見え、その反対側も違いが少なすぎるようにも思った。ひっくり返す際にフォーカスリングが微動したのかも知れないと思い、翌日同じことをするために同じ場所に出かけたが、二日目の画像も、帰ってチェックしてみると同じ結果だった。
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f=200mm
F5.6 コントラストAF
VR:OFF, 三脚使用・ミラーアップ 

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 三脚座リングのところでカメラ・レンズごと逆さまにして撮影

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