2012年11月6日火曜日

AF-S NIKKOR 70-200mm F2.8G ED VR IIの片ボケ

AF-S NIKKOR 70-200mm F2.8G ED VR IIの片ボケの件で、再度テストしてみた。カメラ側のAF微調整を使って探ったところ、70mm側右側の片ボケの正体は、レンズ右側の極度の前ピンだった。中央と左端についても位相差AFでは前ピンだが、ともにAF微調整+10で最良となり、中央と左端でのピント差は無い。カメラ側でAF微調整幅いっぱいの+20にすると画像右側の前ピンは減り、画像左右での画質差は一見少なくなるが、画像中央から左は当然後ピンになり、コントラストとシャープネスが低下する。200mm側ではAF微調整をしない状態が最も良好なため、70mm側を基準にAF微調整で細工すると200mm側が使い物にならなくなる。片ボケを直さない限りこのレンズ本来の解像力は得られない。

70mm時 全体画像
AF-S NIKKOR 70-200mm F2.8G ED VR II, Nikon D800E
f=70mm F5.6, VR=OFF, 三脚・レリーズ使用・ミラーアップ

画像クリックでピクセル等倍のクロップ画像を表示します。

元画像 (4912x7360)  

70mm時のピクセル等倍クロップ画像の上段はAF微調整無しの状態。右端のボケがひどい。中断がAF微調整+10。AF微調整なしよりも中央部が解像している。左端は微差だがAF微調整無しよりも良い。下段はAF微調整+20で、右端はこれが一番ピントが合っているが、中央部と左端は後ピンとなり、シャープネスが低下している。なお、撮影場所から対岸の左右までの距離はいずれも1520m前後で、ほぼ等距離であることは地図で確認済みだ。また、VRをONにして違いがあるか確認してみたが結果に違いはなかった。もちろん、テストではプロテクターなどのレンズフィルターは付けていない。一応、DHGスーパープロテクトを付けた場合も確認したが画像に違いはなかった。

200mm時 全体画像
AF-S NIKKOR 70-200mm F2.8G ED VR II, Nikon D800E
f=200mm F5.6, VR=OFF, 三脚・レリーズ使用・ミラーアップ

 
画像クリックでピクセル等倍のクロップ画像を表示します。

元画像 (4912x7360)


200mm時のピクセル等倍クロップ画像を見ると、上段のAF微調整無しの状態が最も解像している。左右の画質差はほぼ無く、AF微調整+10~+20を行った中段下段は後ピンとなり、逆にコントラストとシャープネスが低下している。
メーカーへは二度修理を依頼したもののSCでは異常が無いと言う。その後、ボディごと工場へ送ってもらったが正常範囲との一点張りでつき返され、現在に至る。やっと買った高級レンズなのに、恒例の不良品を掴まされた挙句、これで正常範囲だというメーカー側の驚異の見解である。悲しくて悔しくて夜も眠れない日々が2ヶ月間続いている。

画像クリックでピクセル等倍のクロップ画像を表示します

この画像は、同じ倉庫が画像の右端にある場合と左端にある場合の比較。左右の差は一目瞭然だ。安いレンズでは周辺画質がこのレベルというのもあり得なくはないが、このレンズは現状でも画像左半分は中央からまで極めて良好な画質が得られることから、このレンズが正しく調整されていれば、右端の画質は現在の中央と右端の中間あたりと同等と考えられ、正常品ならば周辺画質はここまでひどくはないと考えられる

一般画像
画像クリックにて元画像(4912x7360)を表示します。
AF-S NIKKOR 70-200mm F2.8G ED VR II, Nikon D800E
f=70mm, ISO 100, F5.6, ピクチャーコントロール=[SD]
 

2 件のコメント:

さちかぜ さんのコメント...

はじめまして。
お気持ち、察するに余りあります。
まずは下記リンクをご覧ください。
http://photozone.smugmug.com/photos/1993877956_KqJ68H4-O.jpg
最近出たVR24-85のレビューですが、概ね同じような片ボケが見られます。
私も過去にVR28-300で同様の片ボケ+極度の後ピンに当ったことが有ります。
最初にSCに持ち込んだ時は、やはり許容範囲との回答で、念の為工場で検査してみますという事になりました。一応ピント調整で帰って来たのですが、なにも改善していませんでした。
その後、管理人様と同様のテストをして、写真用紙に左右両端の等倍比較画像をプリントした資料とA4一頁ビッシリの解説文章それに当該画像を入れたCFを作成・添付し、レンズは更に2回生麦往復となりました。1度はボディも同封しました。
しかし、最後には鏡筒アッセンブリ交換までしてもらったにもかかわらずボケ、ピン共に改善せず、最終的にSCへ出向き、SC展示の個体と比較してもおかしい、全く納得できないので交換を含めた対応を検討して欲しいと申し出ました。
結果、生麦から交換品が届き、1本目とは全く違う完璧な性能に驚きました。
私見ですが、旧タイプのVR24-120以来、ニコンのVR機構はちょっとした組付け精度が光軸に影響を及ぼしうる構造的な問題を抱えているような気がしています。そして、問題を抱えた個体は調整で解決する事はほぼ不可能なのでは?それゆえメーカーは極力許容範囲内という事にしたいのでは?と疑っております。
私の場合は、片ボケを証明するために遠景をF8でLVで合焦・撮影後ピント位置はそのままに、カメラの上下を逆にして同じ構図で撮影した2枚の画像を資料として使いました。そうすると、右ボケだった写真が、後者では見事に左ボケとなります。VR70-200なら三脚座を利用して簡単にボディを上下反転出来ると思います。
このような問題に対処するのは本当に骨が折れます。正直、もう新品レンズは買いたくないほどです。初期不良は仕方が無い事として、メーカーにはまともな対応を期待したいものです。その為に価格が1~2万上がっても構いません。今のままでは新品レンズ購入は高価なギャンブルです。テスト撮影できる中古品の方が分が良いぐらいです。
長くなりましたが、管理人様が所定の性能を持ったレンズを手にできる事を心から願う次第です。

padoo さんのコメント...

リンク拝見いたしました。右半分は手前にもピントが来ておらずかなり異常な状態のようですね。28-300でのご経験お知らせいただきありがとうございます。このような問題に対処するのは本当に骨が折れますね。小生の70-200は現在3度目の修理からの返却待ちですが、結果が思わしくなければ交換を強く要求してみたいと思います。