2011年10月31日月曜日

ススキと背高泡立草

ススキと背高泡立草はいつも一緒に生えているイメージがある。この二つの植物は似た環境を好み共存している友達同士だと思っていたが、ググってみたところ実はそうではないらしい。背高泡立草は外来種で繁殖力が強く、ススキの嫌がる物質を地中に分泌してススキを排除しようとしているのだという。しかしながら、背高泡立草は地中の深いところの養分を摂取していて、背高泡立草の繁殖が長年続くと地中の養分がなくなってしまい、やがてはススキに土地を明け渡すのだという。背高泡立草が再び繁殖し始める理由はよくわからなかったが、同じ土地で10年から40年という長いサイクルで勢力争いをしているのだという。俺はススキが年中あるのは知っているが、背高泡立草は花の咲く時期以外にどうなっているかは気にしたこともない。背高泡立草は秋に黄色い花をたくさん咲かせて、冬になると枯れてなくなってしまうのだと思っていたが、実はタンポポのようにペッタンコになって冬を越しているのだという。
3枚目の写真はLightroomのシャープを使って超解像処理(俺が勝手にそう呼んでいる)をかけた。流木表面の質感やペットボトルのラベルなど、ピクセル等倍で細部を観察するのも中々面白い。

 Nikon D700, AF-S NIKKOR 24-70mm F2.8G ED, f=70mm
ISO200, F8

f=36mm, ISO200, F8
 
f=36mm, ISO200, F5.6 

f=70mm, ISO200, F8 

2011年10月26日水曜日

ライトフィールドカメラって何だ

Light Field Cameraという不思議なカメラ発売されるという。アメリカのLYTROという会社の製品で、撮影後の画像でフォーカスをコントロールすることができるという。重量214グラム、8倍ズームのF2レンズ、背面に1.46インチのタッチスクリーンが付いているらしい。11メガアレイとなっているが、出力画像の解像度は良く分からない。8GBのモデルが$399(約3万円)。撮影後の画像でピントが操作できるというのがなんとも不思議でならない。

Light Field Camera (Lytro, Inc.)


LYTRO社のWebサイトにあるサンプル画像。
上の画像内で、手前のチョウや背景をクリックすると焦点が変わった画像が表示される。

仕組みを図解したPDFが同社のサイトにあるが、難しくて何のことだか俺にはわからない。とりあえず、センサーの手前にある特殊なマイクロアレイレンズを使って、焦点面とその前後の光線をその方向とともに平面のセンサー上の画素に分解して記録し、あとから専用ソフトを用いて画像を表示する、みたいな感じ。

ちょっと違うとは思うが、俺も普通のカメラとGIFアニメで作ってみた。
被写体が動くものだとなんだか意味が良くわからない。これじゃただのプルプル動画か。

しかし、である。ライトフィールドカメラの開発者の方には大変申し訳ないが、サンプル画像を見ると大して面白いものではない。一度遊んだらもう興味がなくなってしまった。開発者の方が研究を重ね、複雑で高度なシステムを実際の商品にまでしたのは本当に凄いとは思う。撮影後にフォーカスをコントロールするなど、過去の写真システムから考えれば夢のような機能だったはずだ。だが、重ねて申し訳ないが、出来たものを見るとそんなに面白くもない。少なくとも静物に関しては、普通のカメラでフォーカスをずらしながら連写することで、似たようなというかまったく同じ目的の画像が撮影できる。この商品、一体どうなんだろう。工業用や監視用など色々応用を謳っているようだが、発売されるというコンシューマー向けの最初の商品を見ると、無駄に被写界深度を浅くするために大きなセンサーと大口径レンズを搭載させているようにしか思えない。携帯電話のカメラのように小さなセンサーならば固定焦点でもいいはずで、メーカーのサンプル画像の解像度も携帯電話並みかそれ以下のようである。もしこれが目いっぱいの実力なら、この商品ではボケた部分の画像やフォーカスを操作できる面白さの部分に価値がなければならないわけだが、どうもそんな需要も考え辛いのである。そして、こともあろうにメーカー渾身(?)のサンプル画像がちょっぴりというか、かなり不鮮明な画像ばかりなのはもう、残念としか言いようが無い。

2011年10月17日月曜日

Nikkor-S Auto 35mm F2.8

Nikkor-S Auto 35mm F2.8を持って散歩に出かけた。このレンズは久しぶりだが、コンパクトなので気に入っている。40年以上前のレンズだが、F8あたりまで絞り込めば画面周辺部まで素晴らしくシャープに写り、開放では柔らかな描写と水彩画のようににじむ後ボケが楽しめる。口径食もまた味わい深い。


Nikon D700, Nikkor-S Auto 35mm F2.8
ISO200, F8
オールドニッコール、驚異のシャープネス。オリジナルサイズの画像(4256 x 2832 pix/7.13MB)

F2.8

F2.8

F2.8

2011年10月8日土曜日

D800が3600万画素だという噂


現在、24x36mmセンサーのデジカメを日本ではフルサイズと呼んでいるが、英語圏ではフルフレームと呼んでいるらしい。だが、もっと昔にはライカ判が35mm映画フィルムの2コマ分サイズであったことからダブルフレームと呼ばれていたという。だが、そんなことはどうでもいい。
信じるにはまだ早すぎるが、http://nikonrumors.com/によればニコンのフルサイズ機D700の後継としてD800が近々発表されるという。細かな仕様は話半分程度にしか思えないが、名前が「D800」であることと画素数が「3630万画素」であるという点については繰り返し宣言されている。Nikon rumoresには、これがニコンの非公式PRサイトだと主張する読者の書き込みがあったりして、真偽はわからないものの、本当のところそうなのかも知れないとも思うものの、簡単には信用できない内容のサイトだ。D700後継機については、ずっと以前からD3Xセンサーを搭載したD700XあるいはD3sセンサーを搭載したD700sなどがユーザーによって希望的に噂されてきたが、いずれも実現の見込みのない予想だった。D700の発売から既に3年以上が経過した現在、もはやニコン自身が噂を流してユーザーの反応を見るような段階ではなくなっていると考えられ、後継機の発表は目前と思われる。それだけに、今回出てきたD800の仕様は、時期的にももはや信じるしかない雰囲気となってきている。そして、その噂の内容は中々興味深い。ニコンの高画素機はD3X路線を廃止し、視野率を100%にしたD800に統合、価格も30万円程度に抑えるというものだ。5D MarkIIで成功したキヤノンが今後の高画素機は1Ds系を廃止し5D系に統一する、という噂と合わせると、いかにももっともらしい話ではある。
D800が36MPだとすれば、俺のような風景主体のまったりユーザーは歓喜だが、ぬか喜びにはまだ早い。今は慎み深く正式発表を待つことにしよう。

Nikon D700, AF-S NIKKOR 24-70mm F2.8G ED
ISO200, f=70mm, F2.8

2011年10月5日水曜日

Lightroomのシャープ

以前にも同じタイトルで書いたことがある。前回の記事
D700で撮った画像は純正ソフトでRAW-JPG変換するとピクセル等倍画像はボケボケだが、Lightroomでは現像時に程良くシャープを掛けるととても良い解像感が得られ、ピクセル等倍画像は見違える。

全体画像
Nikon D700, AF-S NIKKOR 14-24mmF2.8G
f=24mm, ISO200, F8 

 
ViewNX 2.1(無調整)ピクチャーコントロール[LS]

Adobe Photoshop Lightroom 3.4, Camera calibration:Camera Landscape
シャープ:適用量=81/半径=0.5/デイテール=32/マスク=0
ノイズ低減:なし


2011年9月20日火曜日

AF-S NIKKOR 14-24mmF2.8Gにて

先月入手したAF-S NIKKOR 14-24mmF2.8G、しばらく使ってみたが最初の印象は変わらない。ズーム全域で画面の隅々までどの絞りでも文句なくしっかり写る。

Nikon D700, AF-S NIKKOR 14-24mmF2.8G
f=21mm, ISO200 F8
Adobe Photoshop Lightroom 3.4, Camera calibration:Camera Landscape
オリジナルサイズ(2832x4256)


ところでD700の後継機はD3Xと同じ24MPになるという噂が信憑性を増してきた。コンパクトカメラやAPS-C機の一部に見られるように、無理な高画素化は画質の劣化をもたらすことは周知だが、フルサイズセンサーが少なくとも24MPまではいけることは3年前に発売されたD3Xで証明されている。しかも、ニコンのラインナップにはいまだに廉価な高画素機が存在せず、俺のようにD3Xが買えなかったニコンユーザーはα900や5D2が発売された2008年後半以降、現在に至るまで実に3年間近く低画素数の冷や飯を食わされ続けている。D700の後継機よ早く来い。ナノクリレンズを揃えて待っている。

2011年8月25日木曜日

14-24mmと24-70mmで24mm側比較

AF-S NIKKOR 14-24mm F2.8Gを買った。貧乏な俺には無茶苦茶に高価なレンズだ。人間いつ死ぬか分からない。俺もこの先、何年生きられるか分からない。そういう思いもあって、悩んだ挙句ちょっと無理して買った。こんなのを躊躇なくポンと買える身分の人が本当に羨ましい。
事情はさておき、去年買ったAF-S NIKKOR 24-70mm F2.8Gと24mm側の画質を簡単に比較してみた。AF-S NIKKOR 24-70mm F2.8Gは素晴らしいレンズだが、以前にも何度か取り上げたようにワイド側(24mm)の像面湾曲が顕著で周辺画質に若干の不満がある。世間では24mmならAF-S NIKKOR 14-24mm F2.8Gのテレ側の方が画質が良いと言われている。AF-S NIKKOR 14-24mm F2.8Gをやっと手に入れた俺にとっては、まずはこの2本の24mm側がどれほど違うのかを確認することが、第一の興味だった。


左:AF-S Zoom-Nikkor 24-70mm f/2.8G ED
右:AF-S Zoom-Nikkor 14-24mm f/2.8G ED

全体画像
某所でよくテストに使われているのと同じ場所(浜離宮)だが、
実は四隅が池だったり空だったりして周辺画質が良く分からない。

AF-S Zoom-Nikkor 14-24mm f/2.8G ED
F2.8  6609899 bytes  DSC_6819_nx.JPG
F4.0  6623427 bytes  DSC_6820_nx.JPG
F5.6 6596759 bytes  DSC_6821_nx.JPG
F8.0 6755300 bytes  DSC_6822_nx.JPG
F11 6650548 bytes  DSC_6823_nx.JPG
F16 6601439 bytes  DSC_6824_nx.JPG
F22 6282906 bytes  DSC_6825_nx.JPG

AF-S Zoom-Nikkor 24-70mm f/2.8G ED 
F2.8 6534348 bytes  DSC_6840_nx.JPG
F4.0 6666961 bytes  DSC_6841_nx.JPG
F5.6 6715459 bytes  DSC_6842_nx.JPG
F8.0 6813318 bytes  DSC_6843_nx.JPG
F11 6825131 bytes  DSC_6844_nx.JPG
F16 6653458 bytes  DSC_6845_nx.JPG
F22 6254949 bytes  DSC_6846_nx.JPG

共通データ
Camera Model Name               : NIKON D700
Focal Length                    : 24.0 mm
ISO                             : 200
Software                        : ViewNX 2.1 W
Picture Control Name            : Standard
Active D-Lighting               : Off
White Balance                   : Sunny

Vignette Control                : High
Image Size                      : 4256x2832

画像が大きいのでファイルを別サーバーに置かせていただいた。リンクをクリックするとView NX2でRAW-JPG変換した元画像が見られるので、興味のある方はご覧いただければと思う。ヴィネットコントロールをOFFにするのを忘れたので、レンズ本来の周辺光量の比較はできない。なお、D700とこれらのレンズ、View NX2の組み合わせでは歪曲収差補正が働かないので、歪曲収差については素のままということになる。
AF-S NIKKOR 24-70mm F2.8Gのワイド側では像面湾曲のため、画像中央以外はピントが悪い。絞れば多少改善するものの、完璧とは言い難い。一方、AF-S NIKKOR 14-24mm F2.8Gのテレ側24mmでは周辺画質に何の問題もない。というか、本当にすごい。F2.8からほぼ画面全域で抜群のピントとコントラストで、一段絞ればそれこそもう完璧である。この画像では分からないが、このレンズの24mm側の歪曲収差はほぼゼロであるという。さすがに単焦点を越えたと言われるだけのことはある。すごいレンズだ。
 

2011年8月10日水曜日

iPhone/iPod touchが露出計になるアプリ Pocket Light Meter

iPod touchで使える露出計アプリ(無料)を発見した。内蔵の照度センサーを使う入射光式かと思ったが、内蔵カメラを使う反射光式スポットメーターだった。レビューの評価を見るとiPhoneでは精度は問題なく、割と正確だという。俺のiPod touch 4G(iOS 4.3.5)でも実行はできた。



実行すると外カメラの画像がウィンドウに表示される。内カメラにも切り替え可能。シャッタースピード(32~1/8000秒)、絞り値(f/1~512)、ISO感度(6~102400)はそれぞれ1/3ステップで設定・表示が可能。3要素のうち2つまで固定できるので、例えば絞りとシャッタースピードを固定し、相当するISO感度を表示させたりすることもできる。赤い測光枠はタップで位置変更が可能。あまり暗いと駄目なようで、iPod touch外カメラの場合、EV6~7くらいが下限のようだ。


Light meterアプリ: ISO200  F5.6  1/30秒 (+0.7EV)
D700 TTLスポット測光: ISO200 F5.6 1/50秒 (±0EV)
入射光式露出計: ISO200 F5.6 1/60秒 (-0.3EV)

ケンコーの標準反射板を使ってチェックしてみる。D700のメーターの値を真ん中とすると、この例ではLight meterアプリがちょっとだけオーバー、スタデラがちょっとだけアンダー という表示になっている。Light meterアプリの表示には多少のゆらぎがあり、D700のスポット測光と同じ値になることもある。差がある場合も、おおむね±一段以内のようだ。Light meterアプリの設定メニュー内には校正機能もあるので、気に入らなければ調整もできるが、デフォルト状態で十分正確であるように思える。ただし、今回はひとつの明るさで簡単に比較しただけなので、もっと明るい場合や暗い場合にどうなのかは不明。




2011年8月9日火曜日

月はかせ望遠鏡 ムーンナビゲーター

子供のおもちゃを取り上げて遊ぶ。今月号の付録は天体望遠鏡だと。こりゃあ面白そうだ。倍率は約30倍とのことだが、詳しい仕様は不明である。口径は約35ミリ、全長の半分はドローチューブで、これを全部伸ばして50センチくらいの長さで使用する。光学系がなんという形式なのかわからない。対物レンズはプラスチック製の単玉だ。接眼レンズは3枚程度が組み合わされたもののようで、全体で色消しになっているようだ。子供が操作しやすいように配慮してあり、正立像で見える。円盤には今年7月、8月の日付と月齢がわかるイラストが描かれている。次の満月は8月14日だ。右手前に見えるのはカメラアダプターで、これを介して接眼レンズにフジカラー写ルンです1600 Hi Speedを輪ゴムで縛りつけることができるという。

チャレンジ4年生8月号付録(ベネッセ)
月はかせ望遠鏡 ムーンナビゲーター

この望遠鏡、30倍という高倍率で写真撮影をするには到底ありえない華奢な構造だ。写ルンですを使う方法で、レリーズも使わずにまともに真ん中に写るはずがない。付属の三脚を外すとカメラ三脚に取り付けることができるが、外すことができない上下方向の架台が華奢なため、三脚に乗せてもビョンビョンする。そこに何とかしてデジカメを接続してみる。アイポントが限られていてるので、コンデジは使えない。接眼レンズに密着させなければならず、どうやら小さなレンズの携帯電話のカメラやPC用のWebカメラが向いているようだ。今回はiPod Touchを使用。

iPod Touchにて撮影。なんとか写った。

ベネッセは去年の「かんさつカメラ」もそうだが、そろそろ付録にデジカメをつけていただきたい。フィルムじゃ現像するまで写ってるかわからない。去年の観察カメラは簡単で良く写ったが、今回のようにほとんど失敗するのが目に見えているような装置だと現像代が惜しい。スペック的には秋葉原で千円くらいで買える出力画像がVGAサイズのおもちゃみたいなやつで十分だ。ベネッセなら「かんさつカメラ」と大差ないコストで大量生産できるんじゃないのか。

写真に写っているスリックプレートはひとつあると色々と便利。雲台にカメラを2台のせる場合はもちろん、頑丈なのでベローズやマクロスライダーの支えにしたり、望遠レンズのバランスプレートに使ったり、マクロ撮影時のローアングルアームやフラッシュのブラケットにも使えたり。



赤外一丁

大きな積乱雲が出ていて赤外日和だった。やはり曇りの日よりも晴れた日の方がよく写る。D700での赤外線撮影は去年のデータがあるので手馴れたものだ。赤外線撮影にはNikkor-UD Auto 20mm F3.5という古いレンズを使っている。赤外指標のある古いレンズが向いているからだ。赤外指標によるピント補正は必ずしも必要ではないが、現代のレンズには赤外線撮影には適性がないものもあり、24-70mm F2.8G EDのような高性能レンズでも、赤外線撮影では画像中央に明るいゴースト(センタースポット)が生じてしまい使えなかったりする。露光時にはアイピースシャッターが必須だ。ゼラチンフィルターホルダーも隙間がないものを使う。光漏れあるとオーブになる。


フィルターなし
ISO800, F11, 1/2000sec
Nikon D700, Nikkor-UD Auto 20mm F3.5

IR76フィルター使用
ISO200, F11, 30sec 

SC72フィルター使用
ISO200, F11, 20sec 

フィルターなし
ISO400, F11, 1/1000sec
 
IR76フィルター使用
ISO400, F11, 30sec 

IR76フィルターでは赤外指標によるピント補正を行う。ホワイトバランスはこのフィルターを使って採取したものをプリセットとして使う。一見モノクロのようだが、淡い茶色とグリーンのツートーンのカラー画像になる。SC72フィルターではピント補正は行わない。このフィルターではホワイトバランスの採取はエラーとなり不可能なので「晴天」を使う。ピンク色の画像になるが、View NX2でのRAW-JPG変換時にアスファルトや雲の一部などをグレーポイントとして指定し、色調を整えると上のような自然な色調になる。雲が真っ白になるのではなく、少しピンクが残るくらいに調整するのがいい。なおLightroomではホワイトバランスの調整幅に限度があるようで、同様の調整ができない。