秋葉原N店・用品館でずたぼろのペンEEを入手。実は去年の後半あたりからずっと、ペンEEを探していた。ペンEEにはいくつかタイプがあるが、ちょうど所望していたシンプルな固定焦点のタイプを見つけた。EEシリーズのジャンク品は、分解されてひどい状態になっているものも少なくないが、この品は見かけはひどいものの機能上の問題は見当たらなかった。800円だった。
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800円(研究用) 秋葉原N店用品館
アルミのファインダーカバーの腐食がひどくボロボロだ。塗装もハゲハゲで鉄部には赤錆が、めっきもぷつぷつだらけで緑青を噴いている箇所もある。一見すると廃墟にでも放置されていたような品物だが、不思議なことに撮影レンズとファインダーはきれいで、赤ベロもちゃんと出るし動作に渋いところなど何一つ無い。このまま使えそうだ。バッグに持っていた濡れティッシュで赤錆や汚れを軽く拭き取り、今買ってきたネオパン400PRESTOを入れて撮りながら帰ることにした。しまった。PEN-EEはASA200までしか対応していない。100ACROSにすればよかった。一段オーバーだが仕方ない。
さて、撮り終えたフィルムをミクロファインで一段減感しなければならない。だがデータが無い。仕方ないので適当に現像時間を減らし、22℃のところ24℃の時間で現像してみた。
現像が適当なのでイマイチ分かりにくいが、とりあえず露出は安定しているようだ。PEN-EEのレンズ性能を見たいので、CanoScan8800Fは使わずに、D700とスライドコピアで複写する方法でデジタル化する。レンズはマイクロニッコール55mmF3.5をリバースして使用。薄いネガから無理やり階調を引き伸ばしたのでずいぶん荒れているが、何とか見られる状態になった。
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ペンEEのシャッターは1/60秒単速だと思っていたが、それは初期のものだけで、生産されたものの大部分は二速(1/30, 1/250秒)の後期型だそうだ。このEEも撮影中に二速であることに気付いた。固定焦点なので撮影距離と被写界深度に気をつけて撮影しなければならないが、ピントの合っている部分は十分にシャープだった。D.Zuko 2.8cmF3.5は逆光でも思ったよりフレアも少なく良く写る。面白いのは、同じような明るさ・距離で撮影したにもかかわらず、被写界深度がかなり異なって写る場合があることだ。これはシャッタースピードが2速しかなく、低速側から高速側にシフトするポイントでは被写界深度が急に変化するからに他ならない。ペンEEのプログラム線図を見つけることはできないが、例えばEV11ではF11,1/30秒だがEV12になるとF5.6,1/250秒、といった具合に変化することになる。被写界深度に依存した近距離撮影では描写に大きな違いが現れるので注意が必要だ。また、1/30秒から1/250秒へシフトするのは晴天屋外などのかなり明るい場合と考えられ、日陰や曇天時などにあっては手ブレに注意が必要だ。
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