2015年6月4日木曜日

マンフロットプロフルード ビデオ一脚 562B-1 レビュー

運動会のビデオ撮影用に、マンフロットプロフルード ビデオ一脚 562B-1を入手。新製品のMVM250Aが発表されたところだが、仕様を見る限り、MVM250Aは従来品の562B-1キットに付属している357PLVスライディングプレートアダプターを省いただけのもののようだ。
マンフロットプロフルード ビデオ一脚 562B-1
357PLVスライディングプレートアダプター装着状態

この時はまだMVM250Aは発売されておらず、予約価格も562B-1の市場価格とほぼ同じだったので、562B-1の方を入手。雲台は手持ちのMVH500AHを乗せて使うので、スライディングプレートは不要だが、357PLVスライディングプレートアダプターは単品でも5千円以上するようなので、値段が同じなら357PLVスライディングプレートアダプターが付属している562B-1キットの方が得だ。なお、このシリーズには、脚部が同じでMVH500AH相当の雲台が付属したキット、MVM500Aもあるが、MVM500Aキットに装着されている雲台はMVH500AHとは異なり、水平パン機構が無いものになるので、他の三脚などで流用できないことになる562B-1脚部のフルードカートリッジの粘性は、MVH500AH雲台のそれよりもやや軽く、雲台側の水平パンをロックしない場合、脚部のフルードカートリッジ側へ力が伝わるが、MVH500AHは水平パンロックがフリーの状態だと上下方向にややガタがあるため、いずれにせよ雲台側はロックしておいた方が扱い易い。
左:357PLVスライディングプレートアダプターを外した状態
右:プロフルード ビデオ雲台 60mm フラットベースMVH500AHを乗せた状態

使用感と細部の話に移ろう。まずは562B-1キットの上部に装着されている357PLVスライディングプレートアダプターを取り外す。一脚とは3/8”ねじで接続されているが、別にスライディングプレートアダプター側に空転防止の固定ネジ1本があるので、これを先に緩める必要がある。プレートアダプターを取り外すと分かるが、一脚上部の皿にはプレートアダプターの固定ネジが入り込む穴があり、固定ネジの先端が深く入り込む構造になっていた。

外すまで構造を知らなかったため、固定ネジを十分緩めずにプレートアダプターを回転させてしまった。プラスチック製の皿や穴付近を固定ネジの先端でやや傷つけてしまったようだ。実用には無関係なのであまり気にしない。

562B-1に付属の357PLVスライディングプレートアダプターについて。
パーツリストを見ると、単品売りの357PLVスライディングプレートアダプターには562B-1のキットに使われている固定ネジは見つからない。また、単品売りの357PLVスライディングプレートアダプターのパーツリストを見ると、板ばね付のビデオピンが(R357,05)存在するようだが、562B-1のキットには見つからず、付属しているのはMVH500AHのカメラプレート(500PL)に付属している(R200,79)と同じ、黒いプラスチック製の棒状のビデオピン(2本)だった。1/4"・3/8"カメラねじについては2本づつ付属している。
562B-1キットの付属品:357PLVスライディングプレートアダプター・カメラプレート
1/4"・3/8"カメラねじ各二本・ビデオピン2本
一脚部のロックレバー調整用のレンチ(プラスチック製)

なお、入手した562B-1キットに付属していたカメラプレートは不良品と思われ、塗装や加工の関係か、カメラプレートの手前側からはプレートアダプターに挿入することができなかった。逆側からは挿入可能だが、挿入方向にそのまま引き抜こうとしても、抜けずに強く引っかかってしまう。雲台を乗せて使う予定なので、プレートアダプターは外してしまうが、単品では数千円もするパーツなので、外したものを流用できないのは惜しい。とはいえ、これを理由にわざわざ交換要求するのも面倒だ。マンフロット製品が元々雑なのは理解しているので、テレビを見ながらプラスチックハンマーで叩いて引き抜くこと数十回、その後ガシガシ抜き差しするなどの操作をしこたま繰り返したところ、塗装面がだんだん削れてきたようで、渋々ながら両方向とも抜き差し可能な状態になった。そのうち何かに使おう。

フルードカートリッジ・リトラクタブル石突について。
562B-1のリトラクタブル石突は、フルード一脚シリーズの小さい方のモデル、560B/560B-1に付いている物(R561,10)同じだ。フルードカートリッジ部分は562B-1・560B-1共に赤色で同じように見えるが、部品組としては一番下のパイプと一体になっており、560Bの物はパーツナンバーR560,03、562B-1の物はパーツナンバーR560,13となっている。なお、小さい方のモデルの旧型、560Bのフルードカートリッジは黒色で、現行560B-1は赤色になっている。マンフロットHP内に560B-1のパーツリストが見当たらないため、560B-1用の赤色のものと560BのパーツリストにあるR560,03が同一のものかどうかは不明
リトラクタブル石突上部のボールジョイント部分

脚部と使用感
562B-1は全4段伸ばすと190センチを超える大型の一脚で、脚立などを使った高所からの撮影にも使える高さがある。縮長が357PLV付きで79センチ・重量2.088kg、スライディングプレートアダプターの代わりにMVH500AH雲台を装着した場合、縮長は77.5センチ・重量2.1kgとなる。縮めてもかなりの長さがあり可搬性は良くないが、石突を広げれば自立させて置くことができるので意外に邪魔にはならない。ボールジョイントの固さは受け部分の樹脂製のパーツを固定している3本のネジのうち1本を回すことで調整できる。固めに調整しておけば、小型のビデオカメラくらいなら載せたまま手を離すこともできるが、風や振動でバランスを崩すとすぐに倒れてしまうので、機材を乗せた状態での自立は期待してはならない。
問題点
石突とパイプをつなぐボールジョイント部分にはグリスは塗布されておらず、パイプの傾きがわずかに変化する際に、ボールジョイント部分でギシギシという軋み(きしみ)が生じる。これが水平パン時には異常な振動となり、自慢のフルードカートリッジによる滑らかなパンは台無しになる。この一脚は、ある程度の自立性を持たせるためにボールジョイントの可動部分には軋みが出るように仕様を設定してあるのかもしれないが、この軋みは動画には致命的だ。軋みが生じないようにパンを行うには、一脚を垂直に保ったまま一脚を軸に大きく身体を回りこませるように操作しなければならないが、脚立や踏み台を使った撮影では足場が制限されてしまい、このような操作は不可能だ。高さが通常のアイレベルで足場が広く確保できる場合でも、一脚を完全に垂直に保ったままパン操作をするのは相当難しい。垂直を保ちやすくするために、ボールジョイントを固めに調整してみたが、パン操作を行うと石突の足が浮いてしまう場合があり、機材の重みで石突が再接地する際にはガックンという大きな振動になる。ボールジョイントをやや柔らかめに調整すると、一脚の僅かな傾きの変化により、ギギギギという細かい振動が発生しカメラに伝わってしまう。いずれの場合も撮影した動画はめちゃくちゃだ。これではフルードも糞もない。手持ちの方が遥かにマシだ。また、ボールジョイント部分をユルユルに調整してみると、一脚の傾きによる軋みは無くなるが、一脚を回転させるとボールジョイント部分が滑ってしまい、自慢のフルードカートリッジが全く機能しなくなる。
グリスアップ
ボールジョイント部分の軋みを解消したい。スプレー万能グリスとCRCならあるが、受け側のパーツが樹脂製のため、グリスの種類には注意が必要だ樹脂用のシリコンオイルもあるがサラッとしていて粘りが無く、あまり効果が期待できそうにない。なるべく粘っこい感じで樹脂に安全なグリスを探してみる。子供のリコーダーの袋をまさぐると、あった。このグリス、舐めるとポテトチップスの味がするという。
AULOS/アウロス グリス ABS樹脂製リコーダー管体接続部用

リトラクタブル石突とボールジョイントの接続部の3本のねじを外し、ボールと受け側のパーツにリコーダー用グリスを塗布してみる。組み上げて再度動かしてみたがあまり変化はなく、一脚が僅かに傾く際にはやはりギギギギという軋みが生じる。諦めてジョイント部を再度分解し、エタノールでグリスを拭き取り、再度組み上げる。と、先程よりも良好。一脚が傾き始める際に、やや引っかかりはあるものの軋みは少なくなりこのまま使用できるように思える。
 タミヤHOP-UP OPTIONS OP-439 アンチウエアグリス

と、ここまで来たところでAmazonで注文しておいた品が届いてしまった。模型用の非常に粘っこいタイプのグリスで、主な用途としてはラジコンカーのデフギア(金属製)にLSD効果を持たせるために注入したりするらしい。樹脂部品への適性は明記されておらず、一生懸命ググったところ、タミヤ社の組み立て説明図にプラスチックパーツへの塗布が指示されているものがあるという。現段階で、既にそれなりに良好な状態に改善したと思えるが、さてこれをやるかどうか。ひとしきり悩む。

結局やってしまった。一脚が傾き始める際の引っかかりが小さくなり、傾き続ける場合の軋みは無くなった。ボールジョイントの調整ねじを固めに締めても自立性はほとんど無くなり、傾きはじめの引っかかりが少なくなった分、一脚を僅かに傾けただけで自重で倒れてしまう。しかし、ボールジョイントをゆるゆるに調整した場合とは全く異なり、リトラクタブル石突とボールジョイントの間はねっとりと接合されていて、一脚を水平方向へ回転させてもボールジョイントが滑ることは無く、フルードカートリッジの粘性がしっかり機能する。この製品のコンセプトとしては、これこそが本来あるべき姿ではないだろうか。この一脚は、自立性に配慮しすぎたチューニングで出荷されているように思えるが、構造上、このリトラクタブル石突はどう考えても自立させるためのものではなく、このように単に接地部分の回転止めとしてのみ機能するべきだと思う。

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