2013年2月25日月曜日

桜切る馬鹿

撮り鉄の有名スポットで、鉄道会社が植樹していた桜の木が無断で切られているのが見つかったという。撮影目的によるものだとは断定されていないが、なんとも嫌な話だ。ちなみに「桜切る~」の切るというのは木をまるごと切り倒すという意味ではなくて、桜は傷みやすく、放っておけば自然に良い樹形になるため、あまり剪定するものではないということなんだそうだ。梅の場合は花を付けない徒長枝という枝がたくさん生えてくるため、剪定するのだという。梅園の梅の木を見るとこんな感じで、かなりダイナミックに切られている。


Nikon D800E, AF-S NIKKOR 70-200mm F2.8G ED VR II
東京都大田区 池上梅園にて

2013年2月17日日曜日

行きも帰りも向かい風

AF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8G ED VR IIの修理が完了したのでSCまで引き取りに行き、帰りにテスト画像を撮影してきた。天気が良かったので自転車で出かけたところ、寒いわ風が強いわひどい目にあった。三脚が倒れる程ではないが、10メートル以上の風が吹きっぱなしでファインダー像が安定しない。空気は澄んでいたが、帰って画像をチェックしてみたところ、強風のためシーイングが悪く、遠景はボヨボヨしている。

 f=200mm ISO100 F5.6 AF微調整=0
画像クリックで元サイズ(7360x4912)画像を表示します。
f=70mm ISO100 F5.6 AF微調整=0
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Nikon D800E, AF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8G ED VR II

いつものように、と言うべきかこの作業に慣れてしまったことに何かが違う気もするが、ともあれテレ側・ワイド側でそれぞれAF微調整 +20~-20の画像を撮影してきた。位相差AFがAF微調整幅いっぱいに前ピンだったのは調整されて直っている。テレ側・ワイド側とも画像中央部はAF微調整=0でほぼ問題ないようだ。片ボケの具合を詳しくみてみる。200mm側では中央・左端に比べ右端は12ステップ程度の後ピンだ。70mm側では逆に、画像右端は11ステップ程度の前ピンになる。画像左端はテレ側・ワイド側とも画像中央とのピント差はほとんど無い。テレ側とワイド側で画像右端の、後ピン・前ピンが入れ替わるが、ズームの中央付近で平坦になるとすれば、非常にうまく調整されている。

f=135mm ISO100 F5.6 AF微調整=0
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Nikon D800E, AF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8G ED VR II

ズームの中央付近では果たして良好なのか。135mm付近で撮影した画像を見てみる。今日の天気では細部がボヨボヨしていてピントが良く分からないが、周辺までよく解像していて片ボケもないようだ。現在、このレンズの状態は片ボケが完全に無くなったわけではないが、購入当初に比べるとかなりバランスが良くなっている。同製品の他の個体を手にしたことがないので分からないが、もしこのレンズが最初からこのレベルだったなら、俺はこれを正常品だと考えただろう。

参考:シーイングの違い
 良好な場合

 今回(10メートル以上の強風)
被写体までの距離:約1500メートル
 Nikon D800E, AF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8G ED VR II
f=200mm ISO100 F5.6 400x300ピクセルをクロップ(画角は約3500mmに相当)

2013年2月11日月曜日

魚眼

直近の修理から戻ってきたAF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8G ED VR II の再修理をお願いしてきた。今回は前ピンの修理だけを依頼し、200mm側の右がボケボケな件は保留してみることにした。ついでにD3100もAFがちょっと後ピン気味だったので調整をお願いしてきた。SCで待っている間、ガラスケースに展示してあったAi AF Fisheye-Nikkor 16mm f/2.8Dが気になったので触らせてもらった。


Ai AF Fisheye-Nikkor 16mm f/2.8D, Nikon D800E
ISO800 F5.6 

通常画像。手前の周辺部分はピンボケだが、多分、室内でなければ周辺部分もかなりシャープに写る気がする。

Capture NX2で魚眼用の歪曲補正を適用すると、若干歪曲が残るものの、普通の広角レンズのような画像になる。

画像の無い部分をトリミングしないように出力することもできる。

Ai AF Fisheye-Nikkor 16mm f/2.8Dは1993年から販売されているらしいが、特種なレンズだけに中古品も同世代の単焦点レンズに比べるとかなり高価で、なかなか手が出し辛い。すごく欲しい気もするが、手に入れたとしても多分、出番は少ない。

2013年2月10日日曜日

AF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8G ED VR II 4度目の修理

9月に買ったAF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8G ED VR IIは、昨年末の修理でジャンク品同然のポンコツ状態にされてしまった。これの再調整を依頼したものが戻ってきた。昨年9月に買ってから4度目の修理になる。今回はどうだろう。

 200mm F5.6 位相差AF(AF微調整+20)
画像クリックで元サイズの画像(7360x4912)を表示します。

 70mm F5.6 位相差AF(AF微調整+20)
画像クリックで元サイズの画像(7360x4912)を表示します。
AF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8G ED VR II, Nikon D800E

70mm側は中央・右はよく解像している。左がわずかに甘いがこれはもう十分なレベルだ。当初の右端の酷さを思えば合格と言える。200mm側の左に関しては前回のジャンク状態よりは良くなっている。製造段階で不良の品をいくら調整しても限界があると見え、200mm側の右端はボケボケだ。現場ではAF微調整の最適値が判断できなかったので、三脚を使わずに普通に撮るものはAF微調整無しで撮っていた。帰って画像をチェックすると、AF微調整無しで撮った写真はすべてピンボケだった。コントラストAFで撮影した画像には問題はない。AF微調整のテスト結果を見てみたところ、テレ側・ワイド側ともAF微調整+20でコントラストAFと同レベルのピントになることが分かった。

70mm側 AF微調整テスト(+20~0~-20) 
画像クリックでピクセル等倍クロップ画像(1200x12300)を表示します。

 200mm側 AF微調整テスト(+20~0~-20) 
画像クリックでピクセル等倍クロップ画像(1200x12300)を表示します。

これはこれでおかしいが、以前のようにテレ側・ワイド側でAF微調整の最適値に差異があるよりは良い。これだけならSCでも簡単に直してもらえるだろう。問題はテレ側右端の解像不良だ。上のAF微調整+20の画像では手前の海面にピントが合っている箇所はないので右端は前ピンなわけではない。

200mm F5.6 位相差AF(AF微調整 0)
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この画像はAF微調整0で遠景を撮影したもので、画像中央・左端は前ピンのためにピンボケになっている。右端でピントが合っているならAF微調整+20時の右端のボケは後ピンだと言えるが、この画像ではピントが合っている箇所はない。つまりテレ側右端の解像不良は前ピンでも後ピンでもない。
今後このレンズをどうするかはまだ決めていない。もう一度工場での調整を依頼するか、今度こそ交換に応じるように強く求めるか。位相差AFの制御が前ピンなのだけを直してもらって泣き寝入りするか。

2013年2月5日火曜日

D3100のファインダーを拡大

D3100のファインダー倍率は0.8倍で、これはD800Eの0.7倍よりも大きい。仕様表でのファインダー倍率は、DX機もFX機も同じ50mmレンズを条件に表示してある。どちらも同じ50mmレンズを装着した場合、普通に考えれば、ファインダー倍率の高いDX機の方がMFでのピント合わせがしやすいはずだ。だがしかし、なぜだか分からないが、実際にはD3100のファインダーはピント合わせがし辛い。じゃ、拡大してみるしかない。
ニコンの丸窓アイピース用のマグニファイングアイピース「DK-17M」は、ファインダー像を1.2倍に拡大するものだ。以前D700用に買ってはみたものの、糸巻き型の歪曲がきついため、ずっと使わずにお蔵入りになっていた。このDK-17MをD3100のアイピースに押し当ててのぞいてみたところ良い感じだったので、アダプターを取り寄せて取り付けてみることにした。


DK-17Mを角窓に装着するためのアダプターは純正では存在しない。方法を探してみると、TEMPAブランドのマグニファイングアイピース用アダプターを流用する方法がどうやら一般的なようだ。今回は「TENPA1.22X用高強度アダプターMEA-CN」という品物を使ってみた。
 
TENPA1.22X用高強度アダプターMEA-CN
焦点工房 1,200円 (税込み・送料別)
裏面(角窓差し込む

 関連パーツ。
上段:D3100標準アイカップ(DK-20)、DK-17M、丸窓用アイカップ(DK-19)
 下段:TENPA1.22X用高強度アダプターMEA-CN、DK-17M付属のチューブ、DK-19付属の脱落防止リング
 
TEMPAアダプターの丸いくぼみには下の写真のように、DK-17M付属のチューブをはめ込んで組み立てることができる。

DK-17M付属のチューブを入れた場合。アイピースとDK-17Mの距離がこれが無い場合よりも2mmくらい大きくなり、視野のケラレがほんの少し多くなる。

DK-17M付属のチューブを入れない場合。アイカップの脱落防止リングはアイピース側から押さえられていない状態になり隙間が空いてしまうが、脱落防止リングがDK-19から脱落することはおそらく無いように思う。なるべくケラレを少なくするために、このDK-17M付属のチューブは入れずに使おう。

以下、ファインダー枠を実際に撮影した画像。
 D3100のノーマル状態。ファインダー枠や下部の情報表示は視認し易いが、マット面の像を細部まで観察するには辛い。

DK-17Mを装着した状態。真ん中を見つめている分には視野枠全体がなんとか見える。左右端をよく見るために目玉をキョロキョロすると左右がケラレるので、アイポイントを左右にずらしてのぞきこむ必要があるものの、実用にはなんとか大丈夫。ファインダー像が拡大された分、ピントは見やすくなる。いかんせん透過気味のこのマット面のせいで、MFにはかなりの時間がかかるものの、マグニファイングアイピース非装着に比べれば少しは良い。ファインダー下部の情報表示は写っていないが、肉眼では一応見える。歪曲も気にならない。角窓用のマグニファイングアイピース「DK-21M」のように、アイポイントがちょっとセンターからずれただけで、視野全体がかげって見えなくなるようなこともない。遮光性の高い丸型アイカップを使えるのもメリットだ。

同じ方法で撮影したD800Eのファインダー。 FX機のファインダーはDX機よりもずっと見やすいが、枠自体は意外に小さいのがわかる。


2013年1月27日日曜日

D3100を入手

新品同様のD3100を中古品で入手した。気軽に使える小さなカメラが欲しくて、Nikon 1やフォーサーズ、NEXなどのミラーレスや、大き目のセンサーを搭載したコンパクトデジカメなどを検討してみたが、よくよく考えるとAPS-Cセンサー を搭載したカメラの中ではこれが最も安い。当たり前だが、マウントアダプターなしでFマウントレンズがそのまま使え、新たにレンズを買う必要がない。最少絞り検出レバーが引っ込むタイプなので、無改造の非Aiレンズも装着可能だ。


Nikon D3100 中古2万円

Nikon 1用のFマウントアダプター「FT1」の実勢価格が1万7千円程であることを考えると、APS-Cセンサーを搭載したFマウントの一眼レフカメラボディがこの値段で手に入るというのは、ものすごくお買い得ではないか?D3100は現行のD3200のたった一世代前の機種だ。D3000まではD2桁と変わらずEXPEED+CCDだが、このモデルはD7000とも同世代のEXPEED2+CMOSで、HD動画も撮れる。デジカメのボディを中古品で買うのはずっとためらいがあったが、最近ではニコンのエントリー機種など、そう古くない機種のきれいな品が手頃な価格で出回るようになってきた。ミラーレスやフルサイズ機の好調の裏側で、このカテゴリの機種を早めに手放す方々が増加してきたのかもしれない。


DXレンズが無いので、AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G EDを装着。DXフォーマットでは36–105mmレンズの画角に相当するので十分使いやすい。レンズは大きめだが、ボディが驚異的に小さく重量もD800Eの半分くらいなので、これでもかなりのお手軽感だ。

ISO100, f=24mm, F8

ISO100, f=24mm, F8

ISO100, f=24mm, F5.6

ISO800, f=70mm, F5.6
Nikon D3100 AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G ED

シャッターを切ると「プキュン、プキュン」と可愛い音がする。ファインダーは小さく、決して見やすいとは言えないし、背面液晶も解像度が低く、拡大してもピントの確認が難しい。正直、帰って現像してみないとうまく撮れたかどうかすら分からない状態だったが、これはこれでそのストイックな感じがまた面白い。

2013年1月21日月曜日

Ai Micro-Nikkor 105mm f/2.8Sにて

先日入手したAi Micro-Nikkor 105mm f/2.8SをD800Eにくっつけて出かけてみた。このところ寒い日が続き、池には氷が張っている。氷をすくいあげてみると、葉っぱや小枝がくっついてきた。氷のキラキラした部分、ピント面前後には結構な軸上色収差が見られる。Ai Micro-Nikkor 105mm f/2.8Sのコントラストは少し低めでナノクリレンズ程ヌケは良くはないが、Aiレンズとしては普通だと思う。シャープネスについては、期待したほど鋭くはなかった。とはいえ、かなりレベルは高く、周辺が中央と変わらずきっちり写るのは、いかにもマイクロらしい。近距離での用途というのは、55~60mmではパースが気になるような物撮りだったり、三脚では近寄り難い被写体だったりする場合が多く、その点ではこの105mmのレンズは扱いやすくて便利に思う。気になる色収差は、Capture NX2で軸上色収差補正をONにすることできれいになる。

Ai Micro-Nikkor 105mm f/2.8S, Nikon D800E
ISO100 F5.6, Capture NX2

Ai Micro-Nikkor 105mm f/2.8S, Nikon D800E
ISO100 F8, Capture NX2 軸上色収差補正はOFF
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歪曲収差はほぼゼロ。画面最周辺部まで端正な写り。解像力としては極めてすごいわけではないが、たとえ中央がこれ以上に写るレンズでも、この画質で周辺まで写るレンズはほとんど無いように思う。
 
Ai Micro-Nikkor 105mm f/2.8S, Nikon D800E
ISO100 F8, Capture NX2 軸上色収差補正はOFF
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無限遠ではこんな感じ。

2013年1月16日水曜日

Ai Micro-Nikkor 105mm f/2.8S

Ai Micro-Nikkor 105mm f/2.8Sは1983年から製造されている古いモデルだが、今でも新品が販売されている現行レンズだ。古い品だけに中古品は状態の悪いものも多く、お店で3本見せてもらったところまともな品は1本だけだった。入手したものはシリアルナンバーから単純推定するに、1993年頃に製造されたものだろうか。マイクロニッコールはAF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G EDとAi Micro-Nikkor 55mm F3.5を主に使っているが、いわゆるマクロ撮影ではワーキングディスタンスがほとんどとれず、100mm前後のマクロレンズを以前から所望していた。マイクロニッコールの中には遠景の画質が悪く、通常撮影には向かないAi Micro Nikkor 200mm F4(IF)(1978-1982)のようなレンズもあるが、マイクロニッコールで初めて近距離収差補正機構が採用されたAi Micro-Nikkor 55mm f/2.8S(1979-)では、設計の基準倍率が無限遠であることが公表されていて、通常撮影も十分に考慮されている。Ai Micro-Nikkor 105mm f/2.8S(1983-)の設計上の基準倍率については確認できないが、これもおそらく無限遠ではないかと思う。


Ai Micro-Nikkor 105mm f/2.8S(1983-)
中古 22,050円(目黒区S店)
9群10枚最短撮影距離 0.41m(1/2)
等倍撮影には接写リングPN-11を用いる。

生憎の天気であまり良い画像は撮れなかったが、これはこれで面白い。東京でこんなに雪が降るのは珍しく、7年ぶりだという。
Nikon D800E, Ai Micro-Nikkor 105mm f/2.8S
ISO400 F5.6, 1/200秒, Capture NX2 ピクチャーコントロール[LS] 
大井町駅にて
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このレンズ、気のせいかもしれないがファインダーをのぞくと青みがかった涼しい色をしているようだ。キレの良さはマット面でも分かるほどで、撮影した画像を見てみると若干の色収差はあるものの、さすがマイクロニッコールらしく周辺まできちんと解像している。像面湾曲による周辺のピンボケなどは皆無だ。歪曲収差は最大(無限遠・1/2倍時)でも僅かに-0.1%、1/4倍から3m間は0%だという。D800Eでの風景撮影から物撮りまで幅広く活躍してくれることを期待している。

2012年12月11日火曜日

AF-S NIKKOR 70-200mm F2.8G ED VR II修理後テストその2

前回、片ボケの修理から戻ってきたAF-S NIKKOR 70-200mm F2.8G ED VR IIのテストをしたが、天気が悪くあまり鮮明な画像が撮れなかった。次の週末は晴れたので再度テストにで掛けた。さほど寒くはないものの、風がものすごく強い。
70mm側は中央と左右のピント差は無く、前ピンだった右端の問題は解消している。位相差AFでは+15が最良で、ライブビューでのコントラスAFと同じくらいになる。70mm側については位相差AFの制御はかなり前ピン気味に調整されているものの、AF微調整やコントラストAFを使い、ピントを合わせさえすれば、周辺部のピント差も無くよく解像しており、十分満足のいく画質になっている。70mm側だけを見れば、これは見事な調整だ。

修理後
f=70mm F5.6 VR=OFF 位相差AF AF微調整+15
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修理後
画像クリックでAF微調整テストの詳細画像(900x7800)を表示します。

200mm側のテストが前回できなかったので今回はやってみた。うわこりゃ大変だ。修理前に比べると200mm側の周辺がとんでもないことになっている。修理前は片ボケも無く周辺までまずまず解像しており、とくに問題は無かった200mm側だが、修理後は中央・左端に比べると右端が前ピンだ。右端はAF微調整をマイナス側いっぱい(-20)にすると最も良いが、この状態では逆に左端がボケボケになる。だがしかしだ。片ボケとか前ピンとかそんなレベルの話じゃない。これはもう、ジャンクレベルのポンコツじゃないか。

修理後 周辺がひどい状態に
f=200mm F5.6 VR=OFF 位相差AF AF微調整+10
画像クリックで元サイズ画像(7360x4912)を表示します。

修理後
画像クリックでAF微調整テストの詳細画像(900x8000)を表示します。

修理前:周辺画質良好だった。
f=200mm F5.6 VR=OFF 位相差AF AF微調整 0
画像クリックで元サイズ画像(7360x4912)を表示します。

調整を依頼する際に、以前より悪くなることもあるとは言われたが、いくらなんでもこれは無茶苦茶じゃないか。またSCへ持って行くのか。正直もう嫌だ。手放してもう一本買ったところで、同じリスクがある。先日出たF4タイプも考えているが、値段の高い方でこれなら安い方は更にやばい。 以下、一般画像。こういう画像では周辺画質なんて分からないといえばその通りだが、だからといってこのレンズはこれでいいのか。

 
 f=70mm F5.6

 f=200mm F5.6

 f=200mm F5.6

 f=135mm F5.6

 f=145mm F5.6
Nikon D800,E AF-S NIKKOR 70-200mm F2.8G ED VR II
ピクチャーコントロール[LS] Capture NX2

2012年12月4日火曜日

スリック「レベリングユニット」とベルボン「デジタル水準器 アクションレベルサウンド」

2年くらい前からこのページにAmazonの広告リンクをくっつけている。アフィリエイトのポイントは月に何百円かずつと微々たるものだが、ちびちびたまったものが遂に一万円を超えるくらいになっていた。ポイントは月の締日に累積が1500円を超えているときだけ、Amazonのギフト券で支払われる仕組みだが、ギフト券には有効期限があり、忘れていた1年くらい前の2千円分くらいは期限切れで消滅してしまっていた。使わないとまた期限が切れてしまうので、子供の文庫本3冊とクリスマスケーキを注文したが、6千円分くらい残った。米とか食糧を買えば家計の足しになるが、それではなんか得した気がしない。こういうのは、ちょっと気になるものの普通に買うには悩ましい、という微妙な品物を入手するチャンスだ。そういうわけで、微妙な2品を入手。スリック「レベリングユニット」と、ベルボン「デジタル水準器 アクションレベルサウンド」だ。
まずはスリック「レベリングユニット」からいこう。

下の棒は、この商品の付属品ではなく三脚のセンターポールの先端。

これがナニかというと、要するに5度だけ傾くボール雲台のような物体で、三脚と雲台の間にはさんで水平を出すパーツである。気にはなっていたが、商品は写真でしか見たことがなかった。耐荷重は7kgとなっていて、実際触ってみるとまずまずしっかりしている。底部は大ネジ穴(U3/8)で、上が小ネジ(U1/4)。変換アダプタが一個付いているので、上にくっつければ上下とも大ネジになる。この製品には雲台の空転止めネジがない。ギア雲台の場合はあまり緩む心配はないものの、すぐに外れないように取り付けるにはある程度きつくねじ込む必要があり、俺の場合ネジ変換アダプターが固く締まりすぎてレベリングユニットから外れなくなってしまった。これは主にビデオ撮影を想定した商品でもあり、空転止めは付けてほしかった。

マンフロット410ジュニアギア雲台を乗っけてみたところ、隙間ができてしまった。レべリングユニット上部のネジが長いからではなくて、変換ネジの裾が雲台側のメスネジ周囲のくぼみに収まりきらず、このようなことになる。マンフロットが悪いのか。いや、スリックの方も悪い。一般的な三脚の上部の皿と同じように、レベリングユニット上部の小ネジボルトの周囲は少し窪ませておくべきだ。裾の無いイモネジ的な形状の変換ネジを探せば問題ないだろうが、ちょっと見当たらないので手元にあったでっかいワッシャーをスペーサーにして取り付けた。これで一応、がっちり固定できた。



マンフロット410ジュニアギア雲台を乗っけた状態。三脚はベルボン Ultra REXi L。この前のレンズテストの際、AF-S 70-200/2.8G付きのD800Eをこれに乗せて使ってみたが快適に使えた。レベリングユニットにくっついている水準器には不安があったが、使ってみたところ精度も感度もまったく問題なく、ちゃんと正確に水平が出せる。レベリングユニットでいったん水平を出しておけば、雲台で水平にパンしても、ファインダーやライブビューで見る限り、直さなければならない程の傾きを知覚することはできなかった。レベリングユニットは適当にグリスが効いていて操作もスムーズだ。固定ネジは、緩めすぎなければ締めたときのずれも小さく、実用には不都合はなかった。コレとっても気に入った。付けっぱなしにしよう。微妙なのは次の品だ。

2,588円+送料500円(Amazonのショップ)

これはAmazonの在庫ではなくショップからの発送だった。韓国Seculine社製で、ベルボンが代理店として販売している商品。感度は5段階で可変でき、一番シビアにすると三脚に乗せていても微振動でピコピコするくらいになる。感度的には一段落とした2段階目でも十分だ。工場出荷時にそれなりに調整されているようだが、手動での設定も横位置と縦位置それぞれにできる。初期設定では縦位置がちょっとずれていた。それでもって、この商品の問題点は色々ある。まずは、かなり高感度なデバイスのくせに、やたら華奢なプラスチック製なことだ。見るからにすぐに壊れそうだ。アクセサリーシューに取り付けたときの平行性も怪しい。付属のマグネット付き台座の精度も怪しく、テーブルにおいて指でトントンするとパチパチする。電源スイッチは左がONで右がOFF。普通と逆じゃないか。変すぎる。スイッチの棒も超細くて弱そうだ。アクセサリーシューにはただ差し込むだけの構造で、もちろんロックも無い。脱落しても紛失しないようにストラップがついている。だが、そもそもこれをカメラに付けた状態で持ち運ぶのは無理だ。こんなのちょっとぶつけたり引っ掛けたりしたらすぐに壊れるに決まっている。CR1220という変な電池を2個使用する。本体に一組入っているほか、予備に二組分(4個)付いている。電池は20~30時間持つらしい。微妙だ。実用性があまりにも微妙すぎる。音がピコピコ鳴るので手持ち撮影時には便利と感じたが、いかんせん筐体がおもちゃ同然なので、とても付けっぱなしにできるような代物ではない。飽きるまではフィルムケースに入れて大事に持ち運ぶことにしよう。だがこれ、糸をたらしてきっちり合わせてみたが、電源OFF/ON後、次に使おうとしたら、もうなんかズレてる。これは駄目かもしれない。

昼間の風景など、被写体に水平垂直の目安があるなら、ファインダー枠やライブビューで水平を合わせることもできるが、闇を相手に長時間露光する場合や白バックのブツ撮りなどでは、ファインダーで水平を出すのが困難だ。こういう場合にはやはり水準器の出番となる。カメラ内蔵の電子水準器がまともに機能すれば外付けの水準器なんて無用なのだが、周知のとおりD800Eの内蔵電子水準器はまったく使い物にならない。水平はズレまくり、感度も大雑把すぎる。ユーザー側でリセットしたり感度調整する機能が無いことが致命的だとも言えるが、アクションレベルの挙動を見る限り、結局この種のものは勝手にズレてしまうのが当たり前のようで、どうしようもないかもしれない。アクセサリーシューに付けるなら、水の入った従来型のものを強くお薦めする。


クリスマスケーキはシンプルなこれにした。「新世界より」は深夜帯でテレビアニメが放送中。子供向けとは思えない本だが、4~5日間で三冊とも一気に読んでしまったそうで、ものすごく面白いらしい。