2007年12月5日水曜日

nikkor-ud auto 20mm f3.5




nikkor-ud 20mm f3.5は俺の一番気に入っていたレンズだ。昔はほとんどこれで撮っていた。過去形なのは仕方がない。俺のは純正Ai改造済みだが、D80では30mmというつまらない画角になってしまう上、絞込み測光すら出来ないのであまり使う機会は無い。その上重い。モードラ付きのF2と一緒に持ち歩いていた頃は、全部が重いので気にしなかったが、D80に付けるとやたら重い。ニューニッコール以前の重厚な質感を持つ真鍮黒塗りのこいつを、プラスチック丸出しのD80に取り付けると、猛烈に違和感がある。材質が違うので質感どころではない。前玉のデカさが主張するように、大変高性能なレンズで、1968年に発売された物らしいが、シャープさは現代のレンズとさほど変わらない。逆光時のフレアも少なく、ゴーストも出るが上品だ。レトロフォーカスの初期のものであるため鏡筒が深く、開放時は口径食による独特なボケや周辺光量不足も顕著だが、それらはすべて良い味となっている。このレンズの良いところは性能云々ではなく、まるでガラス玉から覗いているかのような不思議な透明感や空気感を作り出すところにある。こいつがフルサイズで使えないのが本当に惜しい。いつの日かD3が買えるまで、今は眠ってもらうしかない。
千夜一夜

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