「ミクロかんさつスコープ」と「夏のかんさつカメラMS(ミラクルショット)」
ちゃれんじ3年生(ベネッセ)2010年8月号 付録
カメラ仕様:27mm F8 固定焦点、シャッタースピード1/120秒
ISO400フィルムでの適正露出は晴天時の明るい日陰くらい。
ISO400フィルムでの適正露出は晴天時の明るい日陰くらい。
35mmフィルムを使用し、クローズアップレンズによる接写機能を持ったこのカメラは、子供用の教材「ちゃれんじ3年生」(ベネッセ)の付録である。前号の付録である「ミクロかんさつスコープ」と連結し、30倍のマクロ撮影をおこなうことができるほか、カメラにはクローズアップレンズや、きらきらフィルター(いわゆるクロスフィルター)、ぶんしんフィルター(いわゆるミラージュフィルター)がターレット式で内蔵されていて、各種の面白写真を撮ることができる。クローズアップレンズ使用時は、内蔵の接写枠(黄色い枠)を本体全面に引き出して、ピントと構図を合わせることができる。レンズバリアもちゃんと内蔵しており、これが同軸でフラッシュスイッチにもなっている。ほかにも大変凝った造りが見られ、クローズアップレンズ使用時にはファインダーとフラッシュに自動的にマスクが掛かるようになっていたり、鏡筒前部にはカラーフィルターを挿入するためのスリットまで設けられている。なお、カラーフィルターは付属しておらず、色セロハンや透明おりがみなどによる自作を想定しているようである。ミクロかんさつスコープの対物側には2灯のLED照明が内蔵されており手動スイッチで点灯できるほか、接眼部のバヨネットをかんさつカメラと連結することで点灯状態が保持される仕組みになっている。最近では35mmフィルムが場合によっては入手しづらいのを考慮してか、親切にも12枚撮りのフィルム(フジカラー SUPERIA PREMIUM 400)が付属していた。付属の説明書(こうりゃくブック)には「おうちのかたへ」と題し、フィルムの装填方法が写真入りで懇切丁寧に解説されている。小学校3年生のご父兄の方々ならまだまだかつてのフィルム世代だとは思うが、この10年デジカメや写ルンですしか使ったことがなく、フィルムの入れ方など忘れてしまったという方も多いのかも知れない。「こうりゃくブック」を見れば子供でも自分でフィルムを入れられるように思えるが、俺がやりたいのがひしひしと伝わったらしい。そっとその役目を俺に譲ってくれた。よし。フィルムが入ったぞ。さあ撮って来い。
空を撮ったという。
27mm F8レンズの中心部はシャープ。
周辺光量落ちも味がある。いわゆるトンネル効果。
貝だ。 クローズアップレンズと接写枠を使用している。
なぜかぶんしんモードで撮影されているベランダで育成中のオクラ。
ミクロかんさつスコープ(30倍)使用。俺にはこれが何だかわからない。
撮影者に尋ねたところ、ティッシュペーパーの表面だという。
フジカラー SUPERIA PREMIUM 400
この「かんさつカメラ」をググってみると、それ自体は数年前から存在するようだが、多くの型式が存在するようで、その全貌は不明である。確認できた範囲では、ちゃれんじ2005年4月号の「しぜんかんさつカメラ」(白ボディ/フラッシュ非搭載/露出目安板/クローズアップレンズ内蔵)が最初期のものと思われる。この次モデルと思われる「かんさつカメラ」(年式不明・薄緑色ボディ)では、接写スタンド・フラッシュ・かぶせ式特殊効果フィルター(ファインダーメガネ付き)が追加されているようだ。さらに次モデルと思われる「夏のかんさつカメラミニトランク」(年式不明・青ボディ)では、クローズアップレンズ・きらきら・ぶんしんフィルターが内蔵ターレット式になり、撮影時にフィルター効果を確認できるファインダーメガネは廃止になっている模様。「ミクロかんさつスコープ」と結合して30倍の高倍率マクロ撮影ができるという現在の仕様になったのは、「夏のかんさつカメラNEO」(2007年)と見られる。2008年モデル(名称不明)は現在のものとは青と黄の配色が逆らしく、2009年モデル(SS)と2010年モデル(MS)は画像を見る限り同一製品のようである。歴代のかんさつカメラはその独特の仕様からベネッセのオリジナル品と思われ、これに似た仕様のトイカメは市場では見かけない。なお、「ミクロかんさつスコープ」については似た商品が他ルートでも販売されている模様。同じ金型から作られたと思われるほぼ同型の商品をKenkoにて取り扱っているのを今年見かけた。
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