2018年2月13日火曜日

RAW現像ソフト Capture NX-D vs DxO PhotoLab/Adobe Camera Raw

DxO PhotoLabの試用期限が切れてしまった。DxO PhotoLabはコントロールポイントを使った部分補正が使えるなど、良い点もあるのだが、コントラストやシャープネスのコントロールが独特で、パッケージ版の購入は保留している。以前、D800Eを使い始めた最初の頃まではLightroomを使っていたが、Adobe Camera RAW(ACR)とCamera Calibrationの出来が悪く、黄色浮きした色調と不自然に明るくなってしまう暗部が気に入らなかった。また、メーカー純正ソフトに比べると細部の解像が不自然で、人工物の斜め線が階段状に解像してしまうのも気に入らず、ACRでのRAW現像はやめてしまった。ニコンの落ち着いた渋い色調と写真らしい自然な階調は気に入っているので、ADLへの対応やレンズ補正の完成度などの点からも、その後は純正現像ソフトのCapture NX2を使っていたが、Capture NX-2のサポートは打ち切られてしまい、以降はCapture NX-Dを使っていた。Capture NX-DはADLなどカメラ側で設定できる機能のすべてをサポートし、ニコンのピクチャーコントロールに従った画像を出力することができるが、シャープネスのコントロールとノイズリダクションが貧弱で、出力される画像の品質には不満がある。ちょっとした思い付きで、D850のRAWをACRで現像してみたところ、思ったより悪くない。Adobe Creative Cloud コンプリートプランの導入も検討してみようと思う。

デフォルトのパラメータ同士では各々の現像ソフトの個性が強すぎ、本来は比較はできないのだが、なるべく似たような階調になるようにしつつ、各々のソフトでできるだけ解像感が出るようにシャープのパラメータとノイズリダクションを調整してみた。

Capture NX-D 1.4.6 ノーマル現像
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ピクチャーコントロール:[SD]スタンダード
パラメータはすべてデフォルト

Capture NX-D 1.4.6
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ピクチャーコントロール:[SD]スタンダード, 輪郭強調=0, 明瞭度=1
アンシャープマスク:適用量=100, 半径=2, しきい値=0
ノイズリダクション:処理方法=高画質2013, 輝度 適用量=50, シャープネス=52, カラー 適用量=50, シャープネス=52
カメラとレンズの補正:倍率色収差補正=ON, 軸上色収差補正=OFF, ヴィネットコントロール=50

DxO PhotoLab 1.1.1
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プリセット DxO標準→DxO Smart Lighting=OFF, DxO ClearView=OFF
ノイズ除去:RAW PRIME, 輝度ノイズ=40
ヴィネット:DxO光学モジュールで自動補正
レンズシャープネス:グローバル=0, ディテール=50, ボケ表現=50
色収差:自動倍率色収差補正=ON
他の種類の倍率色収差補正:強さ=100, サイズ=10, パープルフリンジ=OFF

Adobe Phoshop CC, Camera Raw 10.1
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カメラキャリブレーション:処理=バージョン4(現在), 名前=Camera Standard
シャープ:適用量=100, 半径=0.7, ディテール=18, マスク=0
ノイズ軽減:輝度=50, 輝度のディテール=100, 輝度のコントラスト=0
レンズ補正:色収差を除去, プロファイル補正を使用=しない

共通データ:AF-S NIKKOR 200-500mm f/5.6E ED VR, Nikon D850
f=500mm(DXクロップ 750mm相当)ISO400, F8.0, 14bit ロスレス圧縮RAW

Capture NX-Dは解像感やNRという点では一歩劣り、DxO PhotoLabは見た目の解像感はあるが、アウトフォーカス部分の滑らかさに対し、ピントが合った部分のザラつきが気になる。鳥のフワフワした質感がきれいに出ているのはAdobe Camera Rawで、シャープネスにもザラつきがなく上品な等倍画像になっている。AdobeのNRは以前から優秀で、DxO自慢のPRIMEモードと比べても遜色は無いように見える。Capture NX-DのNRはあまり上等ではなく、解像感を優先するとノイズはほぼ残す方向になる。Adobe Camera RawのCamera Calibration「スタンダード」は、純正のCapture NX-Dに対しやや彩度とコントラストが低い画像になるようだ。D850のピクチャーコントロール「スタンダード」のデフォルトは明瞭度が0ではなく1に設定されているためだろう、ローカルコントラストの印象にも違いはあるが、そこらへんは良い悪いではなく単にパラメータの違いでしかない。

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