2019年6月17日月曜日

D3500 18-55 VR レンズキット入手。

物撮りや子供に持たせるのに使っていたD3100がくたびれてきた。LVレバーが固くなりアイピースの視度調整が壊れている。アクセサリーシューも少し変形していて、キットレンズの18-55VR 1型はVRが壊れている。使用には差し支え無いが、D3500 18-55 VR レンズキットの価格がかなり安くなったので乗り換えることにした。
Nikon D3500 18-55VR レンズキット
38,895円(税込):PCボンバー

D3100は撮影画質は十分だが、背面液晶の解像度の低さ(23万ドット)とバッテリー消費量の多さが問題だった。最新のD3500では撮影可能コマ数が1550コマに増加し、2010年発売のD3100(550コマ)に比べ3倍近くにもなっている。背面液晶もサイズ(3インチ)は変わらないが、D3200(2012年)以降の機種では92万ドットになっており、撮影画像を拡大してピントを確認するには十分な解像度になっている。特筆すべきはボディとキットレンズの軽量化で、18-55レンズキット比では770g→620gと150gも軽くなっている。ボディの外形寸法はD3100とほとんど同じだが、ボディの薄型化により改良されたグリップは、セールスコピー通りほんとうにしっかりと深く握れる。
ミラーレス機の台頭により、エントリークラスの一眼レフは急激に需要を縮小しつつある。望遠レンズを使った動体撮影など、当面は一眼レフシステムが向いていると言えるジャンルもあるが、次期にはフルサイズプロ機もミラーレスへシフトしていくだろう。ニコンのエントリークラスについては、EOS KISS MのようなAPS-C判のミラーレス機を期待する声もある。しかし、APS-Cサイズのセンサーを搭載したこれ程までに小型軽量な一眼レフを、非常に安価に手に入れることができる現在のFマウントシステムも決して捨てたものではない。地味に改良を重ね、円熟の域に達したD3000シリーズだが、D3500に与えられたセールスコピーは「軽くて小さい。しっかり握れる。ガイドモードで多彩な写真が簡単に。」というなんとも消極的なものだ。ミラーレス全盛のいま、一眼レフに興味を持つエントリーユーザーのこだわりを後押しするような、もう少し気の利いた売り文句はなかったのだろうか。

とりあえず、キットレンズAF-P DX NIKKOR 18-55mm f/3.5-5.6G VRの写りを見るために、軽く一回りしてきた。

36.0mm/F5.6/ISO 100/ADL:Off 元サイズ画像(6000x4000)
暗部の締まりが良く、現在のニッコールらしい写り。後ボケにとくにうるさい感じはなく、目立つ色収差もない。

35.0mm/F4.5/ISO 100/ADL:Off 元サイズ画像(6000x4000)
左の地蔵の頭部や風車の輪郭を見ると、ピント面前後の像が荒れ気味というか、ちょっと雑な感じがする。

18.0mm/F8.0/ISO 100/ADL:Off 元サイズ画像(6000x4000)
ううむ。どうなんだろう、かなり絞っているがキリキリにシャープではない。

55.0mm/F8.0/ISO 400/ADL:Auto 元サイズ画像(6000x4000)
テレ側は中央から広い範囲で割と良く解像しているようだ。

35.0mm/F8.0/ISO 400/ADL:Auto 元サイズ画像(6000x4000)
ううむ。どうなんだ、これは。こんなもんか。これが実力なのか。銀だこあたりのキレが悪い。

35.0mm/F8.0/ISO 400/ADL:Auto 元サイズ画像(6000x4000)

46.0mm/F5.3/ISO 800/ADL:Auto 元サイズ画像(6000x4000)
後ボケのハイライトが緑っぽいか。初音ミクやキティちゃんは東京属性でいいのだろうか。

18.0mm/F8.0/ISO 800/ADL:Auto 元サイズ画像(6000x4000)
中央部はそこそこ良く解像しているが、右端無限遠は滲みがある。まあ、旧大三元AF-S NIKKOR 24-70mm F2.8G EDのフルサイズワイド側端もこの程度か、あるいはこれより悪いかもしれない。これ、室内のあとでISO800のまま戻し忘れて撮っていたが、画質的にはISO100との違いは分からない。

55.0mm/F8.0/ISO 800/ADL:Auto 元サイズ画像(6000x4000)
テレ側の方が写りが良いようだ。細部の滲みはあるが悪くは無い。焦点距離全域でこれなら十分だが、ワイド側や中間域で疑問がある。

24.0mm/F8.0/ISO 100/ADL:Auto 元サイズ画像(6000x4000)
このレンズというか個体は右端の写りが悪い。まあ、Fマウントニッコールでは、高級レンズでもこの程度はあり得るし、これもどうせ基準内である。ニコン自身が最新のNIKKOR Zレンズについて「設計指針と品質管理をさらに厳格化した」と言っており、これは従来のFマウントのニッコールレンズがそうでない基準で製造されているという告白でもある。

55.0mm/F8.0/ISO 100/ADL:Auto 元サイズ画像(6000x4000)

55.0mm/F5.6/ISO 100/ADL:Off 元サイズ画像(6000x4000)
35ミリ換算82mm。さほど望遠でもないが、前ボケに望遠レンズらしい立体感がある。

18.0mm/F8.0/ISO 100/ADL:Auto 元サイズ画像(6000x4000)
無限遠よりも近接から中距離の方が周辺画質が良いのだろうか。そんな気がする。

26.0mm/F8.0/ISO 100/ADL:Auto 元サイズ画像(6000x4000)
35ミリ換算39mm相当の画角。周辺部に気になる画質差は無い。やはり無限遠よりも中距離の方が良いのだろうか。ゆがみ補正・ヴィネットコントロールとも有効にしている。基本的にはディストーションの無いレンズが高性能とは言えるが、最近のズームレンズでは周辺解像力に直結する像面湾曲やコマフレアの補正を優先した仕様のものが多く、デジタル補正が可能なディストーションを、とくにこのクラスのレンズで素の状態をチェックするのはもはやナンセンスといえる。

18.0mm/F5.6/ISO 800/ADL:Auto 元サイズ画像(6000x4000)
これWBを晴天のまま撮影した。AWBの挙動については別の機会にテストしたい。

18.0mm/F3.5/ISO 100/ADL:Auto 元サイズ画像(6000x4000)

D3500の画質で気になったことが二点ある。ひとつは、色味とダイナミックレンジ。非常に良く晴れた日だったので単に天候のせいかもしれないが、ADLがOFFの場合に思ったよりも白飛びや黒つぶれする場合が多く、ADLをONにしなければならない場合が多かった。D3500のADLはデフォルトがONになっているので、もしかすると常時ONが適しているのかもしれない。二点目に気になったことは、細部の解像感だ。D850で撮影したRAW画像をCapture NX-Dで現像する場合、ピクチャーコントロールのデフォルトでは等倍での解像感があまりよろしくない。だから、個人的には現像時にピクチャーコントロールの輪郭協調をゼロにした上で、アンシャープマスクを半径=3・適用量=80で適用するのを基本にしている。ところがD3500のRAW画像を同じ方法で現像すると、等倍画像での細部の解像感はピクチャーコントロールのデフォルトの場合とほとんど変わらず、むしろ違いが分からない。そして、D3500のカメラJPEGもほぼ同じ感じだ。別の言い方をすると、D3500のピクチャーコントロールの輪郭強調は、今までに使ってきたニコンの機種よりも、細部の解像感を引き出すのにより好ましいチューニングになっているように思う。ただし、個人的にはこのシリーズの2400万画素機は初めてなので、ローパスありだったD3200(2012年 Expeed3)、ローパスレスになったD3300(2014年 Expeed4)・D3400(2016年 Expeed4)・D3500(2018年 Expeed4)のどの段階からなのかは分からない。なお、今回撮影した画像は期待した解像感にはちょっとなんだか明らかに達してはおらず、これがAF-P DX NIKKOR 18-55mm f/3.5-5.6G VRレンズのせいなのかどうなのかについては、別のレンズを使って改めて確認する必要がある。



0 件のコメント: