2009年1月21日水曜日

AF-S Micro NIKKOR 60mm F2.8G EDの遠景

どうも、AF-S Micro NIKKOR 60mm F2.8G EDで撮影した遠景がぼんやりしている気がする。気のせいかどうかを確かめるために、以下の3本で遠景を比較してみた。

Ai AF 50mm F1.4D(SIC)
Ai Micro NIKKOR 55mm F3.5
AF-S Micro NIKKOR 60mm F2.8G ED

D700 ISO200 F5.6
ピクチャーコントロール:SD


Ai AF 50mm F1.4D(SIC), Ai Micro NIKKOR 55mm F3.5, AF-S Micro NIKKOR 60mm F2.8G ED
画像クリックでピクセル等倍画像を表示
*BloggerにJpeg画像をUploadすると低品質再圧縮されてしまい、画質が悪くなる。
違いがほとんど分からないかも知れないが元画像では確かに違いがある。


Ai AF 50mm F1.4D

Ai Micro NIKKOR 55mm F3.5

AF-S Micro NIKKOR 60mm F2.8G ED

僅差だが、木の葉っぱなどを見るとAF 50/1.4Dが確かにシャープだ。新旧マイクロ2本は似た傾向で、線が太い感じがする。ともに葉っぱの部分はモヤっとしている。マイクロの中間調の表現はどことなくリニアではない感じ、ていうか、影のトーンが潰れ気味でおかしい。Ai Micro NIKKOR 55mm F3.5よりも、AF-S Micro NIKKOR 60mm F2.8G EDはほんの少し良く見えるが、違いは微妙。Ai Micro NIKKOR 55mm F3.5は前ボケに非常に特徴がある。色味も若干青く、AFレンズとは異なる発色のようだ。Ai AF 50mm F1.4DとAF-S Micro NIKKOR 60mm F2.8G EDの前ボケはどちらもきれいだが、Ai AF 50mm F1.4Dの方が自然に思える。AF-S Micro NIKKOR 60mm F2.8G EDは、一目で分かるほど他のレンズに劣るわけでは無いが、Ai AF 50mm F1.4Dに比べると、完璧とは言い難い。

一般にマクロレンズは、設計の基準撮影倍率が1/2倍程度であり遠景撮影には向かないと言われている。Ai Micro-Nikkor 55mm F3.5では、本来マクロレンズが得意なはずの等倍付近(PK-3またはベローズ併用)で像面湾曲によるものと思われる四隅での像のボケが目立ち、実はフィルムの複写には使えなかったりする。Ai Micro NIKKOR 55mm F2.8Sからの近代的なマイクロニッコールでは遠景撮影も考慮されているというが、これらに採用されている近距離補正やインナーフォーカスは、遠景撮影を考慮したものというよりも、これ以前のマイクロニッコールに見られた近接撮影時の像面湾曲を解消するためであると解するのが正しいようである。実際のところ、AF-S Micro NIKKOR 60mm F2.8G EDの遠景は、十分にシャープではあるが、近距離補正もEDも非球面もないAi Micro-Nikkor 55mm F3.5とほとんど変わり無い。

Ai AF 50mm F1.4D AF-S Micro NIKKOR 60mm F2.8G ED
9群12枚(水色:非球面, 黄色:ED)
ナノクリスタルコート面を明示した画像をどこかで見た気がするが見つからない。
前から4枚目の非球面レンズの内側だったように思う。


AF-S Micro NIKKOR 60mm F2.8G EDにて




1 件のコメント:

padoo さんのコメント...

その後長期間AF-S Micro NIKKOR 60mm F2.8G EDを使っていますが、遠景描写が甘い原因はピンボケであることが判明しています。このレンズのヘリコイドの回転角が非常に小さいため、AF駆動時に無限遠付近でしばしばピンボケが起こるようです。ライブビューで注意深くピントを合わせれば、無限遠でも画面最周辺部まで極めてシャープな像を結びます。