2009年3月28日土曜日

引伸機 1台目キタ

千円で落札した引伸機が到着。藤本製Lucky Model III。昭和30年代製と思われる非常に古い品だ。電気コードは断線している。というか、ビニール被覆が朽ち果ててポロポロになっている。本体を触るとあちこと塗装が剥がれてパラパラ落ちてくる。コンデンサーレンズに降り積もったホコリが年月を感じさせる。まるで廃墟のような品だ。引き伸ばしレンズが9cmだったことから、6x6以上に対応している予感がして入札したが、残念ながら6x6用だった。コンデンサーレンズの直径には余裕があるので、多少改造すれば6x7もいけるかもしれない。
とりあえず分解して、ブラシでホコリや浮いた塗装を落とす。コンデンサーレンズをピカピカに拭き上げ、電球ソケットの根元でぶっちぎれた電気コードを新しいものに付け直す。組み立ててしばし鑑賞。

台板は中空なので意外な程軽い。塗装のはがれが酷いものの、サビは少ない。蛇腹もきれいだ。付属の電球は「マツダ引伸電球150W」と記されており、当時物と思われるが、通電してみたところ点灯した。

フジナーE 9cm F4.5(元の状態)
クモリが酷く、擦りガラスのようだ。捨てるしかないように思える。


(清掃後)
駄目元で、古くなったレンズペンで表面を激しくこすってみたところ、意外にもクモリが取れてきた。こんなに酷いクモリでも、強く磨けば取れる場合があるらしい。絞りの前後で前群・後群に分解できるので、4面を激しく磨いたところ、クモリは残っているものの、十分使用可能な状態になった。

6x7は無理

金属部品は経年劣化がほとんど感じられないが、電気コードの劣化がすごい。

モデル3というからには、1型、2型の改良型に違いない。製造年が分かるような表記はどこにも見当たらない。

清掃後、ランプの電気コードを交換し、組み立て完了。
家人曰く「コレナアニ?ラッキーて何?かき氷の機械?」
確かに似ている。

この日のために密かに入手しておいたEL-Nikkor 50mmを装着。フィルムをセットして投影してみる。塗装のハガレを完全に落としきれていないので、ピントを操作するとあちこちから塗装片がパラパラ落ちてくる。台板には僅かだが斜めに反りがある。支柱は垂直だが、ヘッドが微妙に手前に傾いているように見える。使用するには水平の調整とネガキャリアの自作が必要だ。先日入手した、90M-S用のネガキャリアは入らない。実はあともう一台、ラッキー90M-Sが届く予定だ。そっちに期待しよう。

1 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

その昔のLuckyの引き伸ばし機について 記事を拝見しました。
私も最近 Lucky II-Cを中古で手に入れ、青写真を焼いております。
暗室を使わない引き伸ばし機の用法としてご参考まで。
http://exakta.sblo.jp/category/4412025-1.html