ペンEEのプログラムEEが具体的にどう働くかについての情報を見つけることができなかったので、露出計や電球などを使って自分で調べてみた。シャッタースピードは二速しか無いので押してみればわかるが、絞りについてはEE時にシャッターボタンを押し込んだ状態で開口具合をチェックし、絞りをマニュアル設定した場合の開口具合と比較しながらF値を推測しなければならなかった。実際の動作には多少のばらつきがあり、毎回必ずしも同じ値に制御されるわけではないが、とりあえず下図のようになった。撮影時の参考にするために、F4~F22時の被写界深度(合焦範囲)も記入した。
ISO(ASA)100の場合、EV12までは低速側のシャッタースピード1/30秒が用いられ、EV13で高速側のシャッタースピード1/250秒へシフトする。ISO(ASA)200ではEV11まで低速側のシャッタースピード1/30秒が用いられる。絞りをマニュアル設定する場合は常に1/30秒となる。驚いたのは、今回入手したずたぼろのペンEEの示す露出値が非常に正確だったことだ。セレンが生きているだけでも幸運だが、このペンEEはどのEV値でも、反射光式の露出計で測った値とほぼ同じにシャッタースピードと絞り値が制御されていた。
2010年2月5日金曜日
オリンパス ペンEE
秋葉原N店・用品館でずたぼろのペンEEを入手。実は去年の後半あたりからずっと、ペンEEを探していた。ペンEEにはいくつかタイプがあるが、ちょうど所望していたシンプルな固定焦点のタイプを見つけた。EEシリーズのジャンク品は、分解されてひどい状態になっているものも少なくないが、この品は見かけはひどいものの機能上の問題は見当たらなかった。800円だった。

800円(研究用) 秋葉原N店用品館
アルミのファインダーカバーの腐食がひどくボロボロだ。塗装もハゲハゲで鉄部には赤錆が、めっきもぷつぷつだらけで緑青を噴いている箇所もある。一見すると廃墟にでも放置されていたような品物だが、不思議なことに撮影レンズとファインダーはきれいで、赤ベロもちゃんと出るし動作に渋いところなど何一つ無い。このまま使えそうだ。バッグに持っていた濡れティッシュで赤錆や汚れを軽く拭き取り、今買ってきたネオパン400PRESTOを入れて撮りながら帰ることにした。しまった。PEN-EEはASA200までしか対応していない。100ACROSにすればよかった。一段オーバーだが仕方ない。
さて、撮り終えたフィルムをミクロファインで一段減感しなければならない。だがデータが無い。仕方ないので適当に現像時間を減らし、22℃のところ24℃の時間で現像してみた。
現像が適当なのでイマイチ分かりにくいが、とりあえず露出は安定しているようだ。PEN-EEのレンズ性能を見たいので、CanoScan8800Fは使わずに、D700とスライドコピアで複写する方法でデジタル化する。レンズはマイクロニッコール55mmF3.5をリバースして使用。薄いネガから無理やり階調を引き伸ばしたのでずいぶん荒れているが、何とか見られる状態になった。






ペンEEのシャッターは1/60秒単速だと思っていたが、それは初期のものだけで、生産されたものの大部分は二速(1/30, 1/250秒)の後期型だそうだ。このEEも撮影中に二速であることに気付いた。固定焦点なので撮影距離と被写界深度に気をつけて撮影しなければならないが、ピントの合っている部分は十分にシャープだった。D.Zuko 2.8cmF3.5は逆光でも思ったよりフレアも少なく良く写る。面白いのは、同じような明るさ・距離で撮影したにもかかわらず、被写界深度がかなり異なって写る場合があることだ。これはシャッタースピードが2速しかなく、低速側から高速側にシフトするポイントでは被写界深度が急に変化するからに他ならない。ペンEEのプログラム線図を見つけることはできないが、例えばEV11ではF11,1/30秒だがEV12になるとF5.6,1/250秒、といった具合に変化することになる。被写界深度に依存した近距離撮影では描写に大きな違いが現れるので注意が必要だ。また、1/30秒から1/250秒へシフトするのは晴天屋外などのかなり明るい場合と考えられ、日陰や曇天時などにあっては手ブレに注意が必要だ。
2010年2月1日月曜日
モノクロ一本
2010年1月25日月曜日
Ai AF Zoom Nikkor 35-70mmF3.3-4.5s
1986年にF-501と一緒に発売されたニコン最初期のオートフォーカスレンズだ。この品物は以前ジャンク品として1,050円で入手したものだが、とくに不具合はない。俺は標準ズームというものをあまり使ったことがない。最新のナノクリ高級ズームなら使ってみたいが、俺が買えるくらいの二束三文のへなちょこズームはたいてい、収差が複雑すぎて手に負えないからだ。そういうわけで、これもあまり使うことのないレンズだが、何かの気まぐれでたまに持ち出すこともある。チープなレンズだが、意外と素直な描写をする。
2010年1月24日日曜日
マミヤシックスにて
セミ判のマスクをセットするのを忘れたまま撮影していた。マミヤシックスを持ち出すのは久しぶりだったので途中で思い出すまで気付かなかった。マミヤシックスは6x6判とセミ判(4.5x6)が切り替え可能だが、画面サイズを切り替えるにはフィルムゲートにあるセミ判用のフリップマスクと巻き止めギアのコマ数切り替えレバー、そしてファインダーマスクの3箇所を操作しなければならない。フィルムゲートのマスクは途中切り替えができないため、誤ってフィルムを装てんしてしまうとダークバッグが必要になる。




マミヤシックス V型 D.ズイコー 7.5cm F3.5
ネオパン100ACROS ミクロファイン1:1希釈24℃
CanoScan 8800F 1200dpi
Nikon D700, Ai AF Nikkor 50mm F1.4D

現像したフィルムは見事にコマがダブっている。ハサミを入れる場所に困るが、仕方がないので重なった箇所で切る。今回はなんとか重なっていない部分だけをスキャナで切り出してみたが、最初と最後のコマ以外は、短辺が3cm~3.5cm程度の長細い画面になってしまった。




ネオパン100ACROS ミクロファイン1:1希釈24℃
CanoScan 8800F 1200dpi
浜離宮恩賜庭園では早くも梅が咲いていた。現在養生中の菜の花は3月頃には見られるだろう。

ISO200 F2 ピクチャーコントロール[LS]
2010年1月19日火曜日
R8で散歩
2010年1月12日火曜日
SB-600用グッズ
今日は雨でやることがなかったので、秋葉原でスピードライトSB-600用のグッズを調達してきた。エツミのストロボディフューザーは、オムニバウンス(ストフェン)とほぼ同じもので、乳白色のタイプでよければエツミの方がずっと安い。影とり(ケンコー)のように直射で使うものではなく、ディフューザーというよりもバウンスアダプターに相当する。エツミ製のものを実際に取り付けてみるとサイズが非常にきつく、浅い位置までしか押し込むことができない。エツミ製の商品が購入したままでは使えないのは過去にも経験がある。ユーザーによる工夫が必要なのだ。今回はストロボディフューザーを熱湯につけて調整し、なんとか期待した状態に。ニッカド電池は一組持っているが、予備にもう一組買ってきた。俺にはニッケル水素電池の容量は大きすぎてストロボでは使いきることができず、スーパーニッカドの方コンディションの管理がしやすいからだ。SB-600の発光部に貼るための透明おりがみも買ってきた。
エツミ E-6191 ストロボディフューザー G-9(SB-600用) 1,320円(ヨドバシカメラ)
GP 単三形ニッカド電池(1000mA) @150円×4本 (千石電商)
単三電池ケース 45円(千石電商)
透明おりがみ 170円(イトーヨーカドー)
透明おりがみはゼラチンフィルターよりもずっと薄いが、セロファンよりやや厚く扱いやすい。大きさは15x15cmで、レッド・ピンク・オレンジ・イエロー・イエローグリーン・グリーン・ブルー・パープルの8色各3枚入り。使うのはオレンジだけだが、他の色も何かの楽しみにとっておこう。ゼラチンフィルターのように完全にクリヤーではなく、少しくもった感じなので撮影レンズにかぶせるのには向いていない。
タングステン光照明の室内や夕暮れ時にストロボを炊くと、顔が不自然に白くなってしまうのを防ぐために、以前使っていたストロボの発光部にはイエローとピンクのゼラチンフィルターを重ねたものを貼っていた。比較的薄いアンバー色だったので、晴天時も常用していた。SB-600用のフィルターとしては、専用の「スピードライトカラーフィルターセット SJ-1」(約2,100円)があり、オムニバウンスにもゴールドのタイプ(約2,900円)がある。ゼラチンフィルター(約980円)という方法もあるが、ストロボ用に新しく買うのはもったいない。今回は一番安上がりな代用品として、透明おりがみ(170円)をLB-Aフィルターの代わりに使おうというわけである。
D700のホワイトバランスを色温度で指定して白紙を撮影し、RGBのヒストグラムを見ながらスピードライトの色温度を探ってみたところ、内蔵フラッシュが5500K程度、SB-600が5800K程度であることがわかった。透明おりがみのオレンジを発光部にかぶせると、内蔵フラッシュでは 4350K、SB-600では4500Kにホワイトバランスを設定したときにRGBの出力がおおむね均等になる。この差をミレッド値に換算すると50ミレッドで、富士のフィルターで言えばLBA-4とLBA-6の中間に相当する。もちろん、透明おりがみは写真用ではないので、演色性については完全ではない。ホワイトバランスを透明おりがみの色温度に合わせると、わずかにマゼンダ方向への色かぶりが生じてしまう。使用する場合はホワイトバランスの設定は環境光に合わせ、あくまでストロボ光の青白さを和らげるために使うのである。

GP 単三形ニッカド電池(1000mA) @150円×4本 (千石電商)
単三電池ケース 45円(千石電商)
透明おりがみ 170円(イトーヨーカドー)

タングステン光照明の室内や夕暮れ時にストロボを炊くと、顔が不自然に白くなってしまうのを防ぐために、以前使っていたストロボの発光部にはイエローとピンクのゼラチンフィルターを重ねたものを貼っていた。比較的薄いアンバー色だったので、晴天時も常用していた。SB-600用のフィルターとしては、専用の「スピードライトカラーフィルターセット SJ-1」(約2,100円)があり、オムニバウンスにもゴールドのタイプ(約2,900円)がある。ゼラチンフィルター(約980円)という方法もあるが、ストロボ用に新しく買うのはもったいない。今回は一番安上がりな代用品として、透明おりがみ(170円)をLB-Aフィルターの代わりに使おうというわけである。
D700のホワイトバランスを色温度で指定して白紙を撮影し、RGBのヒストグラムを見ながらスピードライトの色温度を探ってみたところ、内蔵フラッシュが5500K程度、SB-600が5800K程度であることがわかった。透明おりがみのオレンジを発光部にかぶせると、内蔵フラッシュでは 4350K、SB-600では4500Kにホワイトバランスを設定したときにRGBの出力がおおむね均等になる。この差をミレッド値に換算すると50ミレッドで、富士のフィルターで言えばLBA-4とLBA-6の中間に相当する。もちろん、透明おりがみは写真用ではないので、演色性については完全ではない。ホワイトバランスを透明おりがみの色温度に合わせると、わずかにマゼンダ方向への色かぶりが生じてしまう。使用する場合はホワイトバランスの設定は環境光に合わせ、あくまでストロボ光の青白さを和らげるために使うのである。
2010年1月11日月曜日
スピードライト SB-600
ナショナルのグリップタイプの物をずっと使っていた俺的には、この装置の呼び名は「ストロボ」だ。ニコンはこの装置をスピードライト(SPEEDLIGHT)と呼ぶが、内蔵のものはフラッシュと言うらしい。この装置を何と呼ぼうが世間では通じるが、スピードライトと言うのだけは何だかダサくて抵抗がある。とにかく、以前から所望していたスピードライト SB-600を購入。

¥25,740(Amazon)


2010年1月10日日曜日
D700 新ファームウェアのAWBをテスト
俺は屋外や自然光の場合はオートホワイトバランスは使わずに、ホワイトバランスは「晴天」の固定で使っている。D700のAWBは、人工光では非常にうまく働いて自然な色合いになるものの、屋外の風景撮影では、ほとんどの場合うまく働かなかったからだ。以前使っていたD80もそうだったし、 他のニコン機でも同様だと思う。ニコンのAWBは評判が悪い。1月6日に公開された、D700用新ファームウェア「Ver.1.02」では更新内容の筆頭に、「オートホワイトバランスの性能向上」とある。これは面白い。早速テストしてみることにした。
旧ファームウェアVer.1.01のAWBと、新ファームウェアVer.1.02のAWBでそれぞれ撮影した画像を、晴天(5200°K)で撮影したものと比較してみよう。見た目だけでは説明し辛いので、撮影した画像にフォトショップの「ぼかし-平均」フィルタをかけ、画面全体のピクセルを平均したRGB値で比較してみた。
AWB(Ver.1.02)
R 131 (101%)
G 145 (99%)
B 157 (93%)
カッコ内は対「晴天」比。7%程度イエロー寄り
共通データ:Nikon D700 Ai AF Nikkor 50mm F1.4D
ピクチャーコントロール=[SD]スタンダード
旧ファームウェアVer.1.01のAWBと、新ファームウェアVer.1.02のAWBでそれぞれ撮影した画像を、晴天(5200°K)で撮影したものと比較してみよう。見た目だけでは説明し辛いので、撮影した画像にフォトショップの「ぼかし-平均」フィルタをかけ、画面全体のピクセルを平均したRGB値で比較してみた。
シーン1
シーン2

R 131 (101%)
G 145 (99%)
B 157 (93%)
カッコ内は対「晴天」比。7%程度イエロー寄り
共通データ:Nikon D700 Ai AF Nikkor 50mm F1.4D
ピクチャーコントロール=[SD]スタンダード
以前からAWBは、緑が鮮やかに写らずにマゼンタ気味になってしまう傾向があったので、このようなシーンをテストしてみた。画面全体を緑が占めるシーン1では、旧ファームウェアが晴天に比べブルー寄りだが、新ファームウェアではブルー寄りに加えてさらにマゼンタ寄りになった。画面の上半分が青空、下半分に緑が配置されたシーン2では、旧ファームウェア、新ファームウェアともにイエロー寄りになった。この例では新ファームウェアの方がイエロー具合が少ないという結果になったが、この差が有意なものかどうかは分からない。ファームウェアの更新後にAWBを少し使ってみたが、屋外の似たようなシーンではあまり大きな改善は感じられない。緑が多い場面ではなんでもマゼンタっぽくなり、青空が多いと黄色っぽくなる。以前から不満のあった、屋外での緑が多いシーンでのAWBの傾向は、ファームウェアの更新前後ではほとんど変わっていないという印象だ。今後も屋外でAWBを使うことはないだろう。
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