2010年9月17日金曜日

AF-S NIKKOR 24-70mm F2.8G EDの像面湾曲その2

24mm側の像面湾曲の件が気になって仕方がない。公園の壁で確認してみよう。中央のフォーカスエリアを使って画面中央でピントを合わせた場合と、フォーカスエリアの端を使って合わせた場合を比較してみることにする。まずは分かりやすいようにF2.8開放から。
f=24mm F2.8開放
中央のフォーカスエリアでピントを合わせる。
中央部の拡大。
 ピントは合っている。

中央からやや左、ファインダーフォーカスエリアの左端にあたる部分
明らかにピンボケだ。


 f=24mm F2.8開放
今度は左端のフォーカスエリアでピントを合わせる。

  中央部の拡大。ピンボケだ。

 ピントを合わせた部分。
もちろんこっちにピントが合っている。

画面中央にピントを合わせると、中央から少し外れたところはピンボケになる。重箱の隅をつつくような、極端に端っこの話をしているのではない。中央からそれほど離れていない位置ですでにピンボケになっている。じゃあ絞れば良いのかというと、開放から2段絞ったF5.6でも、この位置にピントが合うことはない。以下はF5.6の画像。今度はライブビューを使ってコントラストAFでピントを合わせている。
f=24mm F5.6
画面中央でコントラストAFを使ってピントを合わせた。 
中央部の拡大。ピントは合っている。

中央からやや左、ファインダーフォーカスエリアの左端にあたる部分
開放よりは目立たないものの、中央に比べるとピンボケなのが分かる。

f=24mm F5.6
ファインダーフォーカスエリアの左端と同じ位置でコントラストAFを使ってピントを合わせた。
画面中央部の拡大。
開放よりは目立たないものの、下の画像に比べるとタイルの目地が眠く、ピンボケなのがわかる。

ピントを合わせた部分
ピントはこっちに合っている。

要するにこのレンズのワイド側は像面湾曲がひどく、開放から2段絞っても追いつかない。ズームレンズとはこういうものだといわれても納得がいく話ではない。ついでに四半世紀前の標準域ズーム、Ai Zoom-Nikkor 35-70mm F3.5Sのワイド側・絞り開放でも確認してみた。中央部、周辺部ともにシャープネスやコントラストはAF-S NIKKOR 24-70mm F2.8G EDに比べるとやや劣るものの、これが絞り開放の画像であることを忘れてはならない。ライブビューでマニュアルフォーカスしてみたところ、周辺部ではシャープネスが少し落ちるものの、中央部と比べてもピントの差は無い。また、Ai Zoom-Nikkor 35-70mm F3.5Sのワイド側では全くと言っていいほど歪曲が感じられない。AF-S NIKKOR 24-70mm F2.8G EDに比べればAi Zoom-Nikkor 35-70mm F3.5Sはズーム比も低く、ワイド側も35mmに抑えられており開放F値も異なるので単純に比較できるものではない。だが古来よりプロズームと呼ばれてきたこのクラスのレンズにしては、歪曲収差と像面湾曲の残存においてAF-S NIKKOR 24-70mm F2.8G EDは非常に粗末である。

 Ai Zoom-Nikkor 35-70mm F3.5S 
f=35mm F3.5開放

中央部の拡大

左端部分の拡大

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