2010年9月21日火曜日

深川のかかし

東京都現代美術館で開催されている「こどものにわ展」を子供に見せてやるつもりだった。5月から楽しみにしていた展示だったが、行ってみると「アリエッティ展」のお客で猛烈に混雑していて、入場はおろかチケットを買うことすらできなかった。そういえば去年も伊藤公象展を見に来た時、メアリー・ブレア展のせいでチケットを買うのに長時間並ばされた覚えがある。その時は俺ひとりだったのでメアリーの客と一緒に並んだが、子供と一緒だと2時間も並ぶのはさすがに無理だ。他人の趣向をどうこう言うつもりはないが、せめて企画ごとにチケットの売り場は分けておいて欲しい。東京都現代美術館は交通の便が非常に悪く、大江戸線清澄白河駅から徒歩で20分は掛かる。うだるような暑さの中、当初の目的も果たせず子供を連れてこの長い道のりを往復するのは相当に過酷だった。しかしながら、路傍に立ち並ぶ案山子がいくらかの癒しになった。

右から2番目のを見に行くつもりだった。

ほぼすべてあっちのお客さんのようだ。

今日はこんなので我慢するしかない。これはこれで嫌いではない。

凛々しい感じ。

案山子の基本は、あり合わせ感とやっつけ感なのかもしれない。あまりに造形が見事だと、ただの人形でしかなくなる。

干物のような色がいい。

AKB、深い意味は無いのかなんかの皮肉なのか

コンクールの評価ポイントはおそらく、モチーフのアイデアや造形の面白さなのだろうが、「ヤレ具合」というのも案山子の大事な鑑賞ポイントかもしれない。タイツの野ざらし感が秀逸だ。侘び寂び感においては廃墟趣味に通ずるような感覚もある。だが、つい今まで着ていたような着衣や肌着が磔(はりつけ)になって戸外で風雨に晒される点では、廃墟趣味の枯れた感覚とは逆方向の生々しい不気味さがある。アリエッティよりも、むしろこっちだろう。現代美術館で展示すべきなのは。

色で何だかは分かる気がするが、確かめようとかそういう気にははならない。

なんて言っていいか分からないが、気にはなる。

清澄庭園の池でカメに麩をやる。楽しそうだ。潰しが利いてよかった。

麩は売店で鯉のえさとして150円で売られているが、カメもこれが好きなようで、よく食べる。石の上に置くと池からよじ登って来てシャリシャリ食べる。麩をくわえて水中に戻ったところで鯉がボフボフやってきて横取りされる。

 Nikon D700, AF-S NIKKOR 24-70mm F2.8G ED

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