2010年9月11日土曜日

AF-S NIKKOR 24-70mm F2.8G EDでの赤外線撮影と光漏れの件

結論から言うと、光漏れの現象は俺には確認できなかった。AF-S NIKKOR 24-70mm F2.8G EDの光漏れとは、「ズームリングが50mm付近のとき、距離窓に強い光が当たると画面左上にカブリが生じる」という話である。もし本当なら、直射日光の下で長時間露光を行う赤外線撮影でも現象が確認できるはずだが、ズームリングの位置は今回実験した50mmちょうどではなく、もっと微妙な位置だという説もあるし、この個体が既に対策済みの可能性もある。

炎天下の直射日光がレンズの距離窓に差し込む。アイピースシャッターは閉じた状態。
ゼラチンフィルターホルダーは前回20mm用に改造した
マミヤRB67用の77mm径かぶせ式のもの。

フィルターなし
Nikon D700 AF-S NIKKOR 24-70mm F2.8G ED F11 1/200秒
ISO200 ピクチャーコントロール[LS]
ホワイトバランス 晴天

SC72フィルター使用 ISO200 24mm F11 20秒
ホワイトバランスは現像時にグレーポイントで補正

 50mm

IR76フィルター使用 ISO800 24mm F11 20秒
ホワイトバランスはIR76フィルター装着状態でマニュアル採取

50mm

鏡筒からの漏光は無いようだが、一見しておかしいのは中央部のゴーストだ。絞り穴形状のゴーストがはっきりと写り込んでいる。絞りを開ける程にコントラストの低下が画面周辺まで広がるだろう。現代のレンズに施されているコーティングは、赤外指標が付いた古いレンズに施されているものとは赤外線に対する特性が違うのだろうか。あるいは、こういった赤外撮影時のセンタースポットは古いレンズでも起こりえるらしいので、レンズ構成に起因するものなのかもしれない。いずれにせよ、このレンズは赤外線撮影には向かない。デジカメのセンサーに赤外カットフィルターが装着されていることを理由に、メーカーの公式ではデジカメは赤外線撮影ができないことになっているらしい。それもあってか、現代のレンズにはピントリングに赤外指標が付いたものはほとんどない。当然、このレンズにも赤外指標がないので、IR76フィルター装着時にはピント補正を行なっていない。にもかかわらず、画像は古い赤外指標の付いたレンズでピント補正した場合よりもずっとシャープに見え、画面周辺部でも像のズレが見られないことから、色収差の補正が赤外域にまで及んでいるように思える。

ピクセル等倍クロップ画像
 24mm フィルターなし
 Exif距離情報3.3m
 ピクセル等倍クロップ画像
 24mm IR76フィルター使用
  Exif距離情報3.3m 

光漏れの再現ビデオを公開したAndy Kim氏によれば、焦点距離は50-55mmだという。自宅でLED懐中電灯を使って試してもみたが、2日前に買ったばかりの俺のレンズ(S/N:486xxx)では同じ問題はやはり見られなかった。

Nikon 24-70 F2.8 N Light Leak Problem

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